技術屋というものは、技術こそが本分だ。これに異をとなえる方はまずもっていないでしょう。でもそれだけあれば足りちゃうもの？　そもそも技術屋ってなんですか？　SEならプログラミングができればそれで「技術屋でござい」と胸を張ってよいものなの？　さてさて、それは以降の物語をご覧あれ。

　こと日本において、生涯いちプログラマとして技術のみを頼りに生きる。これはかなりのイバラの道ではないでしょうか。だってそれを活かせる職場でなければ技術に対価はついてきませんし、常に己を磨き続ける努力も必要です。これ、かなり難度の高いことですよね。だからこそ、本来「技術屋」として生きる人は、尊敬を浴びてしかるべき存在だと思うのです。

　ところが、単に「ちょっと人より器用にプログラムが書けるだけ」な人が、そんなイバラの道を理解せずに、技術屋という言葉を言い訳に使う。面接という己のスキルをアピールすべき場所においても、己の実績を顧みず「コードを見ろ」なんて言い放つ。これはちょっとオイオイなわけであります。

　それ、技術屋たる矜持（きょうじ）を持ってイバラの道を切り開いている人たちに迷惑だから〜、プログラマ全般をおとしめる行為だから〜……なんて思っちゃうわけであります。
「郷に入っては郷に従え」の言葉のとおりに、社会人として必要なコミュニケーション能力が求められる場にしか自分の居場所がないのなら、そこはやっぱり「技術屋でござい」などとふんぞりかえるのではなく、ちゃんとコミュニケーション能力も発揮しましょうよ。そう思いますがいかがでしょ。