部下の指導をするなどもってのほか。常に自分の仕事でいっぱいいっぱい。さらに自分の責任もときには放棄し、ランチのためには11時55分にオフィスを走り出て、定時退社は当たり前。仕事を振るのがやたらうまく、忙しそうに走り回っている割には、「あの人、何か今、プロジェクトに入ってたっけ？」という疑問の声が上がるケースも。相談に行くと、「キミに任せた！」と言い切り丸投げするが、バグが出ると「キミに任せたばっかりに……」とグチグチ。「信頼できる上司」とはかけ離れたタイプだ。

姿勢が悪く、画面と顔がくっつくほど、常にコンピュータにかぶりつき。たまに声を発したかと思うと「疲れた」という言葉か、あるいは「はあーー」という大きなため息が聞こえてくる。立って歩くときは、腰を押さえるか肩に手を当て首を回すなど、腰痛、肩こりは彼らの必須アイテム。特に病歴は自慢のタネだ。別に仕事をしないわけでもないし、残業は人よりしているけれど、ときにはそれすら迷惑に。彼らの頭上に常に漂う暗雲が、ほかのメンバーにも「疲れた」パワーを注入しているかのようなのだ。

基本的には頼りにせず、放っておくのが一番というタイプ。うっかり目を合わせると、仕事を振られる可能性もあり。どうしても相談したり、判断を仰がなければいけない場合、履歴が残るメールなどでやり取りするのがベター。

何か仕事で相談しなければならないなら、病気の話や彼の仕事が今どれだけ大変かを先に聞いてあげて、饒舌にするのが手。「○○さん、調子悪そうっすね」のひと言で会話を始めよう。本題前に、10分くらいかかることを覚悟で。

何に対しても「昔はよかった」的な思想を持ち込むタイプ。会議中や顧客の前で、わざわざ昔の技術の話を例に出したりするが、先端技術に慣れ親しんだ世代にとってはややこしく、「？」マークが場に飛び交う。始末におえないのは、勉強不足のオヤジ。自分が知らない技術を部下がよく知っていたりすると、「昔の○○のほうが使いやすいんだけどなあ」となんとか正当化したりする。また、仕事中はもちろん、飲み会などでも昔の連続深夜残業や、予算使い放題といった過去の武勇伝を語り続けるのも、よく目にする光景だ。

ものごとのほとんどが「気合」と「根性」でなんとかなると考え、理論や議論より、行動を何より優先するタイプ。基本的に声が大きく、パソコンがハングアップすると、パソコンを殴って「気合が足らん！」という怒声が部署内に響き渡る。自分だけではなく、「気合」や「根性」を人に押し付けるので、このタイプのオヤジエンジニアの下で働く場合、自然と残業時間が増えていく。ただし、トラブルなどの場面では、「オレがなんとかする！」という男気を発揮。仕事に対して妥協しない熱い姿勢で、部下の尊敬を集めるケースもある。

飲み会に誘われても行きたくないなら仕事を理由にやんわりと断ろう。昔が懐かしいだけで、そもそもそれほど悪い人ではないから、10回に1回くらいは聞いてあげるといい。しかも、仕事に行き詰まったときに相談すると、豊富な経験から違う視点でモノを見て、ヒントをくれる可能性もある。

「やればできる」と言われたものの、どうしても難しそうなら、その方法論を具体的に聞いてみよう。相手が答えに詰まったスキを突いて、代案や納期の延長などを申し出る。ただし、困難を達成すると成長があるのも事実。たまにはお付き合いして、気合でやり抜いてみよう。

基本的に部下を認めたがらず、常に自らが優位に立っていなければ気がすまない。部下の仕事をチェックしたときには「チッ」と舌打ち。必ず「ここがダメなんだよ」と否定的な言葉から会話がスタート。逆に部下が正当なことを言っても認めることができず、部下の手柄は横取りしていくひどい人も。くどくどと説教するタイプと、部下が眼中にない一人黙々と仕事を続けるタイプと2種類いるが、迷惑度が高いのは前者だ。中には本当に誰にも勝るスキルをもっており、有無をいわさないその姿が「カッコいい」と映る場合もあるらしい。

ダジャレをひたすら連発するタイプと、意味不明の言葉で惑わすタイプ、ソフトのことを「○○くん」、部下を「○○先生」と呼ぶタイプ、下ネタ大好きタイプなど、さまざまなタイプが生息するが、共通するのは、一朝一夕ではコミュニケーションに慣れることができず、理解が不能な人たち。余裕があるときは問題ないが、忙しいときに延々意味不明のギャグを言われたり、ムダな長い話をされたら大迷惑に違いない。加えて、パソコンに向かって一人ダジャレを言う姿は限りなく不気味……。しかし、慣れてくるとかわいく思えてくるから、とても興味深いタイプでもある。

否定的な態度で出てくるのがわかっているなら、それに対して必要以上にナーバスにならないこと。つまりは慣れてしまうことが一番の対処法。ハイレベルな対処法として、否定されないように仕事をより頑張ってみるのもいい。

ダジャレや軽い下ネタは「はいはい」といって適当に流してOK。そもそも悪気はないので、長々とムダ話をされたときも、「今日は忙しいんです！」と言えば、意外とカンタンに引き下がる人。「息抜き」としての活用度は高い。