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一人当たりの受信数は、他職種平均の4倍 企業はエンジニアをプライベートオファーで狙い打つ
今年8月にリニューアルした「リクナビNEXTスカウト」。その中でも特に今回は「プライベートオファー」という制度がほかの職種と比べ、エンジニアにとってどのようなメリットがあるのかについて探ってみた。
(総研スタッフ/山田モーキン) 作成日:05.11.30
「プライベートオファー」(以下PO)とは?
POは、企業が一人ひとりのレジュメをじっくり見て、興味を持った登録者に送られる面接、もしくは面談の申し込み。POを受け取った当事者は、送られた企業の求める人物像に非常に近い。従ってPOによる転職活動は、企業側、登録者側双方にとって“ズレ”の少ない、非常にフィット感の高い効果を得られる。 ……詳しくはこちらを参照
はじめに:PO受信率が最も高いのは、ズバリ、エンジニア!
 まずはこの表をご覧いただきたい。これは今年10月の1カ月間に送信された、職種別の登録者数およびプライベートオファー数であるが、登録者の最も多い「営業・事務・企画系」職種が、やはりPO数も多い。
職種別の登録者数およびプライベートオファー数
 

 しかしここで注目してほしいのが、次の「スカウト登録者1人当たりのPO受信率」。まずは登録者数もPO送信数も全職種中、最も多い「営業・事務・企画系」を見ると、
3980通(PO送信数)/18万1915人(スカウト登録者数)=0.02%(小数第3位以下四捨五入)
 つまり、「営業・事務・企画系」登録者の50人に1人の割合でPOを受信する、ということになる。

 そこで次に、エンジニア主要3職種(ソフトウェア・ネットワーク/電気・電子・機械/素材・食品・メディカル)も同じように、算出してみると、

(ソフトウェア・ネットワーク系)
2416通/6万3696人=0.04%
(電気・電子・機械系)
1871通/3万9133人=0.05%
(素材・食品・メディカル系)
577通/1万6791人=0.03%
 (3職種全体)
4864通/11万9620人=0.04%

 このように3職種総じて、「営業・事務・企画系」職種に比べて1人当たりのPO受信率が軒並み高いことがわかる。
 ちなみにほかの職種の「1人当たりのPO受信率」を見てみると、 (サービス・販売系)0.01%、(専門職系)0.02%、(建築・土木系)0.01%などで、これらをすべて含めた、エンジニア以外の他職種平均が0.01%。つまり、エンジニア職種平均はその4倍の確率でPOを受信するということになり、「PO受信率が最も高い職種は、エンジニア」となる。

 ではなぜほかの職種に比べて、エンジニアのPO受信率が高いのか? その理由については、次の章で探ってみたい。
エンジニアのPO受信率が高い理由(1)
「経験職務チェック」項目数の圧倒的な多さが、PO高受信率の秘訣
  エンジニアのPO受信率が高い理由を探ってみたところ、あるひとつのデータからそのヒントを発見することができた。
 その“ヒント”とは、POサービスを利用するための最初の手続きとなる、「プライベートオファー登録」。登録内容としては、「職務経歴」「自己PR」「キャリアプラン」など、全部で8項目あるが、その中で特に注目なのが「経験職務チェック」という項目である。

「経験職務チェック」とは、職種別に今まで経験してきた業務や身につけたスキルに関するチェック項目が、詳細・多岐にわたって掲載されているもの。登録者にとっては、該当する項目をチェックするだけで、ある程度の自分の経歴をアピールできる手軽さ、また企業側にとってはチェック項目を検索するだけで、求人条件に該当する登録者を絞り込むことができる、といった双方のメリットがある。

 そこで右の図をご覧いただきたい。これは職種別に、経験職務チェック項目数を表したものだが、エンジニアの主要3職種(ソフト・ハード・素材系)合計で、全チェック項目数の約半分を占めていることがわかる。
 このことが意味するのは、「エンジニアにとって、より詳細な専門分野・知識・スキルを企業側に対してアピールできる」という点。

職種別「経験職務チェック」項目数(2005.11現在)
 
 エンジニアはほかの職種に比べて、よりコアな専門性の高い業務を担当する傾向が強い。例えば単に「自動車ボディー開発の経験があるエンジニア」といっても、その中の「プレス部品」「電装部品」「メーター」「シート・エアバッグ」etc.……のどの部分をメインに担当しているかによって、業務内容や必要となるスキルは大きく変わってくる。
 だからこそ「経験職務チェック」では、そんなエンジニアならではの事情を十分考慮したうえで、それこそ担当した部品単位ごとにチェック項目を用意している。そのことが、チェック項目数の多さに影響しているのである。

 また特にソフト・ハード系分野では、「ソフト系=言語・OS・ミドルウェア・アプリケーションソフト使用経験」「ハード系=設計・解析ソフト、製造マシン使用経験」という、独自のチェック項目欄が用意されているので、他職種に比べてより専門性をアピールできるメリットもある。

 実際、この「経験職務チェック」システムを開発するうえで最も困難を極めたのが、上記に挙げた技術系職種(ソフト・ハード系)。それは「少しでもエンジニアの専門スキル・キャリアにピッタリ合致する項目を設定して、企業に対して最大限アピールできるようにしたい」という、開発側の思いも込められている。

  以上、今までの流れをまとめてみると……
1.より詳細な「経験職務チェック」項目を通して、エンジニアならではのスキル・経験をアピールできる
2.検索する企業側にとっては、ほかの職種に比べてエンジニア登録者の特性を把握しやすい
3.企業側にとってより具体的な特性を把握できるエンジニアは、ほかの職種に比べてPOを出しやすい
ということになる。
エンジニアのPO受信率が高い理由(2)
専門用語を積極活用できるエンジニアは、1人当たりのレジュメ検索回数が多い
職種別  1人当たりの検索回数
 
 次に、右の表をご覧いただきたい。これは職種別の、1人当たりの検索回数の比較であるが、ソフト・ハード系職種が最も多く検索されていることがわかる。

 冒頭の「プライベートオファーとは?」でも先述したが、POはまず、あらかじめ登録したレジュメ(職務経歴・自己PR・キャリアプランなど)を企業側が「熟読」し、その中から「会って話がしたい」と思う登録者個人に対して直接メッセージを送る、いわば「ラブレター」のようなもの。

 つまり検索回数が多いということは、それだけ多くの企業に自分のレジュメを読まれているということになり、結果としてPO受信率アップにもつながってくる。

 ではなぜ、エンジニアの検索回数が多いのか? その鍵は、「レジュメ」にある。企業側にとってPOを送る“唯一の”判断材料となるレジュメの内容いかんによって、登録者のPO受信率に大きく影響してくる。
 その重要な鍵となるレジュメにおいて、ほかの職種と比べた、エンジニアならではの優位性を探った結果、「専門用語」という、ひとつのキーワードにたどり着いた。

 企業に伝わりやすいレジュメというのは、職務経歴や自己PRなどの項目で、いかにして、自分のスキル・経験を的確かつ簡潔に、限られたスペースの中で表現できるかが重要になってくる。
 そこで「専門用語」が企業と転職者の共通語として便利に機能するわけだが、単純に言えばエンジニアの仕事は、専門用語で成り立っているといってもいいので、積極活用したい。

 それは、先述した「経験職務チェック項目数の多さ」でも証明されているが、その他にも例えば職務経歴に記入する場合、今まで経験してきたプロジェクトごとに、開発テーマから専門の担当領域、開発言語やOS・ツールなどの開発環境など、専門用語を多用できるポイントが、ほかの職種に比べて豊富にある。

 このことは、多くの登録者のレジュメの中から、その資質を判断しなければならない企業側にとって、「専門用語」というキーワードで検索しやすいということ。それがエンジニアの検索回数の多さにもつながってくる。

というわけで、
1.専門用語を豊富にもつエンジニアは、ほかの職種に比べレジュメというツールをより有効活用して自分をアピールできる
2.レジュメ内の職務経歴書・自己PR欄・キャリアプランのフリーワード欄で、専門用語を積極的に活用できれば、企業側の目に留まる機会が増える(検索回数の増加)。
3.検索回数が増えれば、POを受信する確率もそれに比例して上がる

ということになる。
まとめ
 以上のポイントからPOというスカウトシステムは、エンジニアにとって相性のよいサービスであるということがわかってきた。

 POとエンジニアの相性がよい背景には、エンジニア独特の採用ニーズが挙げられる。ひと言で表すと、エンジニアに対して求めるスキル・キャリア条件の“ニッチ化”。例えば「○○業界○○分野の○○エンジニア」だけではなく、それに加えて「○○製○○装置の開発・○○人規模のプロジェクトリーダー・DB規模etc.……」という、採用企業側からのより細かいレベルの要求が年々、高まってきている。

 そうした細かい要求に対応していくためにも、今まで紹介してきた「エンジニアのためにより細分化された経験職務チェック項目」「職務経歴や自己PR欄での、専門用語の積極活用」で“自分だけの”スキル・キャリアをアピールできるPOシステムは、エンジニアにとって最適なツールなのである。
 
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  山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ[]  
山田モーキン(総研スタッフ)からのメッセージ
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私も登録しているんですけど、はっきり言ってレジュメの書き方でかなり悩みました。それはつまり、私のような仕事はなかなか簡潔明快に文章化できないからだと思います。だからこそ、豊富な専門知識・経験を「専門用語」というツールで自由に表現できるエンジニアのレジュメに目を通すたびに、うらやましく思うのです。
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