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Tech総研2周年記念SPECIAL 「職場の名言」シリーズA エンジニア的★士気が高まったひと言大賞
Tech総研2周年を記念して、多くのエンジニアのみなさんから「職場の名言」を大募集。審査員ゲストに安田美沙子さんと松本隆博さんを迎え、仕事のシーンごと5部門に分けて白熱した審査を展開。今回は「士気が高まったひと言」部門の発表です!
(取材・文/ハタジュン 総研スタッフ/山田モーキン イラスト/岡田丈)作成日:05.05.11
はじめに:「エンジニア的★職場の名言大賞」とは?
「エンジニアでよかった!」と心から思えるようなひと言を、下記の5部門に分けてエンジニアの方から応募を募り、合計400件の「名言」が寄せられた。
 今回は寄せられた5部門の「名言」を、5回の連載でご紹介していきます。
 第2回目は、「士気が高まったひと言」部門からやる気の出る名言を、事前の編集部内審査を経てノミネートされた40作品について3人の方に審査していただき、最終的にその中から部門賞を決定いたしました。
 そのときの審査模様とともに、部門賞を発表したいと思います。
「エンジニアの世界と同じハードな業界で活躍する立場から、共感できる名言を審査」(安田さん)
「時折ユニークなエピソードを交えながら、同じエンジニアとして実感できる名言を審査」(松本さん)
「エンジニアの成長やキャリアデザインに通じる名言を審査」(Tech総研編集長・前川)
「エンジニア的★職場の名言大賞」審査員プロフィール
・エンジニアの仕事に共感ア安田美沙子さん
・ITエンジニア代表 松本隆博さん
・Tech総研編集長 前川タカオ
1.「ねぎらい・感謝のひと言」部門
2.「士気が高まったひと言」部門
プロジェクト着任や始動時に言われて、士気が高まった、やる気をあおられたひと言
3.「お叱リのひと言」部門 (05/18公開)
4.「説得・交渉のひと言」部門 (05/25公開)
5.「転職入社時に印象に残ったひと言」部門 (06/01公開)
その1:「士気が高まったひと言」部門審査 審査員の意外なエピソードも明らかに……
――   今回は「士気が高まったひと言」のノミネート作品から、このひと言をもらったら、きっとやる気が出てくる!モチベーションが上がる!というお気に入りの「名言」を教えてもらいました。さて、審査員のお三方の目に留まったひと言は?
松本さんが“思わず身震いした”名言
名言No.4「いざというときは俺が責任もつから心配するな!」(34歳・システム開発)
名言No.0:「仕事の報酬は仕事だ!」(松本隆博・ITエンジニア)
松本:   これねー。この「士気が高まったひと言」ね、ずーっと目を通していて、ふと思い出したことがあるんですわ。

―― 思い出したこととは?

松本:

ボクね、プログラマになって6、7年目くらいかな?貴重な体験をしたことがあるんですよ。ある消費者金融会社での作業だったんですけどね。3日間徹夜で、なんかその会社の地下室みたいなところに軟禁状態でね。
…あれ! 安田さん、CMに出てましたよね、どこでしたっけ。

安田: アイフルです(笑)。
松本:

ああ、そこじゃない、そこじゃない(笑)。

 

(一同、笑)

松本:

いや、アレはきつかったですねー。もーなんかねぇ、24時間外に出られないんですよ、時間の感覚もない。おなかがすいてくるんだけど、これが朝食なのか晩飯なのかわからない(笑)。

  一同 (どよめく)。

松本: で、あれ、疲れてくると寝不足だなんだで人間、体温調整が利かなくなってくるのね。なんぼ服着ても寒くて寒くて、ガクガク震えながら作業してね。
そしたら上司が怒鳴り込みにきてくれた。「うちの社員を殺す気か!」って。アレはうれしかったですねー……、僕らは上司から認めてもらえているんだな、と。あれからは士気が高まりましたね。

――

苦しいときにそういうひと言をかけてもらうと、心強いですね

松本:

うん、心強いですよぉ、これは!ほんとに。守ってもらえたという喜びもありますしね。

  (一同うなずく)。

松本:

うん、で、その経験に近いな、共感できるなあ、というのがこの4番のひと言なんですわ。コレ非常にイイですよね。さっきの体験もありますし、僕はこういうのがすごく好きです。

―― 「いざというときは俺が責任もつから心配するな!」ですね。

松本: あ、あとね、僕が部下に言った言葉なんですけど(笑)。これは士気が高まったンやないかな。

―― 松本さんご本人が!?

松本: 「仕事の報酬は仕事だ」

―― 一同 おお!(感嘆の声)。

松本:

ボクらの業界、仕事でけへんヤツには仕事がなくなるんですよ。昔と違ってね、仕事できない人はもう、どうぞお引き取りくださいと。そういうところはね、芸能界に近いかもしれない。

安田: (うんうん、とうなずく)
松本: 忙しい人に仕事頼むのは世の常やから。ボクなんて必ず忙しいやつに頼むモンね。お金を原動力にして、自分のガンバリをどんだけもらったかで、あーだこーだ言うヤツがいますけど、仕事がある、仕事がくるということにありがたみを感じなくちゃ。だって仕事がなかったらどうにもならんでしょ。だから報酬は仕事なんですよ。お金が報酬、と思っている人がいるんですけどね、いやそうじゃない、仕事が報酬なんだと。

  (真剣にうなずく一同)

松本: ね、コレ、ちょっとカッコいいでしょ。決めゼリフですわ(思わず噴き出す)。

―― 決めたわけですね(笑)。

松本: 決めたわけですわ(笑)。
安田さんが“思わずグッときた”名言
名言No.11:「安全に完璧はない」(27歳・開発設計)
安田:   私は11番、「安全に完璧はない」。

―― これはエピソードを紹介したほうがわかりやすいですね。この言葉を送ってくれた方は、自動車用電池の開発部署に所属しています。そこで安全性を確認するための試験方法の提案をしているんですね。ただ、日ごろの作業で慣れが出てきて、これぐらいなら大丈夫だろう、といった感覚になってきてしまった。そこに上司から言われた言葉なんだそうです。「改めて安全確保の難しさと心構えを再認識させられた」とご本人が書いておられますね。

安田: そうですね、そのエピソードに目を通してみても、うーん、そうだなあと改めて感じますね。どんな仕事であれ、常に注意を怠ってはいけないんだなと。やっぱり安全が一番ですよね。

―― これまでのお仕事で、危険だなあ〜、と感じたものは何かありました?

安田: 私自身はそういう危ないお仕事はないですけどね(笑)。でも、やっぱりこのお仕事って体が資本じゃないですか。忙しいときはときどき風邪をひいて休みたいなーと思うこともあるんですけど(笑)。でも、いざホントに風邪をひいちゃったりするとしんどいし、実際健康じゃないと仕事できないし、周りに迷惑をかけちゃう。仕事をするうえでは、体調管理も大切なお仕事のひとつだと思います。

編集長・前川が“思わずジーンときた”名言
名言No.2:「誰かがやらねば、の誰かとは自分なんだ!」(25歳・ネットワーク設計)
名言No.17:「おまえは直感でいけ」(39歳・サービスエンジニア)
前川:   プロジェクトの規模が大きくなったり、それなりの組織の中にいると、どうしてもその中での個人の立ち位置ってあいまいになりがちですよね。当事者意識というのかな。自分の存在意義。だれかがやってくれる、っていうふうに、大勢の中で立ち回ってると責任感が薄れてくるんですね。悪い意味での集団責任という意識かな。

―― 気づきの面ですごくインパクトのある言葉ではありますよね。

前川: エピソードに目を通すと、これを言っているのは、組織の中の若手なんですよね。古くからいる仲間たちの士気がどんどん下がっていって、その中でなんとこの言葉を言ってカツを入れたのが、新人だった。このエピソードがね、またうれしいし驚かされる。

―― ほかにはありませんか?

前川: あとは17番。エピソードが書いてないんで、状況がわかりにくいんですが、「お前は直感でいけ」っていうね。やっぱりね、仕事やるときって、人って得意不得意があると思うんで、不得意な部分を頑張ったところでそんなにどうなるもんでもない。でも、得意なジャンルっていうのは伸ばせば伸ばすほど伸びていくもんだと思うんですよ。だからね、そういう部分を認めて頑張れと。そう上から言ってあげることって大切なんじゃないかな。

―― 安田さんは、仕事に関して直感で選ぶことはありますか?

安田: 選ぶ、ってことはないんですけど私、実はけっこうガンコなんですよ(笑)。
前川: あ、そうなんですか?
安田: はい……(笑)。ポリシーみたいなものがあるから、妥協したくないんですよ。衣装とか、言葉とか……そんなところがすごくガンコで……(笑)。ときどきマネジャーに反発したりすることとかもあって。

―― 例えば、それはどういうときに?

安田: そうですね〜……。テレビの撮影やなんかでも、自分だったらこういうふうに言う、とか。自分らしさをもっていたいんですよね。

―― なるほど、人に言われっぱなしじゃなくって、自分はこうしたいんだ、というしっかりした主張ももっていきたい、ということでしょうか。

安田: はい、そうですね(笑)。
その2:いよいよ決定!「士気が高まったひと言」部門賞
 話題と笑いが絶えず、どんどん広がっていくこの審査会ですが、いよいよ最後に部門賞が決定。審査員のみなさんの心をもっともつかんだひと言を発表します。
「士気が高まったひと言」部門賞 名言No.4:「いざというときは俺が責任もつから心配するな!」(34歳・システム開発)
エピソード
「電子マネーという全く新しい領域でのシステム開発プロジェクト。私たちのチームは電子マネーの方式研究・開発から携わっており、ようやく日の目を見る実用的なシステムを開発していました。ただし、初めてのシステムということで開発が遅れ、サービスインまで日があまりないということもあり、電子マネーの大きな特徴となる部分を実装するかどうかの判断に迫られました。われわれとしてはぜひ実装したいが、サービスを遅らせるわけにもいかず悩み、そのことをプロジェクトマネジャーに相談すると、この言葉が返ってきました。これにより、きちんと実装することができました」
イラスト
松本:   これもまた大昔の話なんですけど、ボク高校生のころ、タバコで捕まったことがあるんですよ。学校に母親が呼び出されて、ふたりで校長室に行って。で、校長が、おまえは何月何日にタバコを吸って……ってネチネチ説教を始めまして、最後に「バリカン持ってきて頭丸めろ!」ってなってね……。

  (一同 驚く。)

松本: そしたらそれまでずーっと黙って聞いてたおかんが突然、ぐわーってテーブルひっくり返して、校長に「もうええやないのーっ!」って。

  (一同、大爆笑)

松本: 「こっちも忙しいのになんやの!タカヒロ!あんた目の前でタバコ吸え!」って……(苦笑)。えっらいことになったー!って思いましたよ。

―― すごいですねー(笑)。

松本: それ見て、もうタバコ吸わんとこ、思いましたよ。こんなとんでもない事態になってしまったのはボクのせいですからね。ただね、そのとき母親がボクに向かって「なにやってんの、あんたはーっ!」って怒ってたら、ボクはもっと不良してたと思うんですけど。こんなに反省はしてなかったでしょうね、やる気なくしてたかも。もうええわ、て(笑)。

―― 冒頭でも上司が守ってくれた、というお話をいただきましたけど、これもそうですよね。仕事とプライベートと、両面で、非常に印象的な「守られる」経験をしたと。

松本: そういうことです。守られる、大切にされる体験ていうのは、社会人になってからはそうめったにあることじゃないでしょ。だからボクはそういう意味で、部門賞にふさわしいのは4番かなあ、って思うんですけどね。

安田: 私も松本さんと一緒で、4番ですね。

―― あ、安田さんも。

安田: はい、こういうお仕事をしてると思うんですけど、だれかがいないとなんにもできないんですよ、私。仕事をしている中で怒られたりすることもあるし。……でも、怒ってくれる人や支えてくれる人がいないと、自分で気づかないこともたくさんありますよね? 右も左もわからないこの業界で、やっぱりこんなふうに「いざというときは俺が全責任をもつから何も心配するな」って言ってくれる人がいたら、すごくホっとするし、張り切ることができると思います。それは無責任になるという意味じゃなくて、この言葉に後押しされたら、挑戦する勇気がわいてきますね。

―― とくに、お仕事の現場で、こういうことを言われた、ってことはあります?

安田: スランプのときに、マネジャーさんや周りの人たちに「何も考えずに行け!」って言われて、肩の荷が下りたというか。安心して自分らしく動けるようになりました。
前川: 仕事の仲間、上司に守られる、大切にされるということは、やっぱりやる気につながりますよね。自分の力や存在を認めてもらえたということですからね。彼らにとって自分は大切な存在なんだ、と思えば、やはり頑張りたくなってくる。……うん、ここはこの言葉で決定にしましょうか。

―― それでは、士気が高まったひと言部門賞は、安田さん、松本さんのお二方が選んだ、「いざというときは俺が責任もつから心配するな」の言葉に決定します。ありがとうございました。
おまけ:惜しくも審査漏れした、最終ノミネート作品10本を一挙ご紹介!
僕から休日をプレゼントするよ。彼女とデートしてこい(30歳・SE)
金なんていくらかかってもいいから、やるんだよ!(28歳・システム開発)
天下を取るぞ!君もやがて常務だ!(30歳・半導体設計)
今年からボーナス支給始めます(25歳・コンサルタント)
みんながハッピーになること。これがすべてです(36歳・システム開発)

娘さんにも仕事をしているあなたの姿を見せてあげるといい(33歳・ネットワーク設計)

いつでも自分が社長と思え(26歳・構造解析)

怖がるな。怖がることが一番怖いことだ(31歳・品質管理)
隣の工場は成績が伸びず、つぶれた。次はうちだ、根性見せろ!(21歳・金型設計)
自分自身の年収の3倍の利益を上げるようになって初めて一人前だ!(27歳・施工管理)
次回(5/18)は、「お叱りのひと言」部門の審査模様、および部門賞を発表します。ご期待ください
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  山田モーキン(総研スタッフ)からメッセージ  
山田モーキン (総研スタッフ)からのメッセージ
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今回の審査では、松本さんの「公私両面」におけるエピソードで大いに盛り上がりました。自分のために本気で怒ってくれる上司や母親の存在は確かに心強いし、だからこそ「この人のためならなんでもしてあげたい!」と本能的に強く思うのかもしれません。みなさんにはそんな心強い存在は身近にいますか? ぜひ教えてください。
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