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今月のデータが語る エンジニア給与知っ得WAVE! Vol.31 冬のボーナス平均額 前年冬5.5%増の66.6万円
2004年冬のボーナスは、景気の回復基調を背景に、大手の鉄鋼、自動車、機械などを中心に前年度を大幅に上回る企業が増えている。Tech総研のエンジニア500人を対象とした調査でも、全体平均が5.5%増となった。ただし、成果主義による人事評価をめぐり、ボーナスの満足度は明暗が分かれる結果となった。
(取材・文/広重隆樹 総研スタッフ/宮みゆき イラスト/Onsel BEHICH)作成日:05.01.05
エンジニアのボーナス、平均額は66.6万円で前年比3.5万円アップ
 Tech総研では、エンジニアを対象に冬のボーナスについて調査を行った。調査対象は25〜39歳、ソフト・ネットワーク分野(以下、ソフト系)、電気・電子・機械分野(以下、ハード系)のエンジニアを各250人で計500人。平均年齢は33.6歳。企業規模は、従業員1000人以上の大企業とそれ以下の中小企業がほぼ半々。いわゆるベンチャー企業も22%含まれる。また、IT・通信、エレクトロニクス、機械系などの業種で働くエンジニアの回答者が約7割を占める。

 調査結果では、2004年冬のボーナス額平均は66.6万円(税込み)。Tech総研が行った「2004年夏のボーナス調査」での平均額が66.7万円だったから、ほぼ同額といえる。今年の金額と合わせて聞いた昨冬のボーナス平均額の63.1万円に比べると3.5万円(5.5%)の増加だ。「昨年よりも増加」と答える人が全体の49%と多いが、逆に「減った」人が16%いる。(データ1)ただし、夏に比べて増加の比率は低くなった。
データ1 製造業好調が反映!? 昨年冬のボーナスに比べ増加傾向
データ1

 ソフト系とハード系を比べると、平均額はソフト系67.2万円がハード系66.0万円をわずかに上回るが、前年度からの増加率でみるとソフト系が2.8万円増(4.3%)であるのに対し、ハード系が4.2万円増(6.7%)と、ハード系の伸び率が高い。これも製造業の好調ぶりが反映されていると見ることができる。

 全産業の平均と同様に「昨年度よりも額はやや増加」というのが、今回の調査の全体傾向だが、もらう側の満足度という点ではなかなか厳しいものがある。「非常に/まあまあ満足」の人が26%であるのに対して、「普通」という回答が34%、「やや不満/かなり不満」層が39%と多数を占めた。(データ2)

 近年は成果主義型の人事制度が各企業に浸透しており、全社員一律アップ/ダウンというより、部署や個人の業績がボーナス額に反映される傾向が強まっている。ちなみに回答者の企業で成果主義制度がすでに導入されているところは全体の76%に上る。「不満」と答える人の理由は、たんに支給額が少ないというだけでなく、評価自体への不満という面があることも見逃すことはできない。
データ2 2004年冬のボーナス金額の満足度
データ2
データ3 2004年冬のボーナス評価基準の最影響項目
データ3
成果主義とはいうものの、自分のボーナスに反映されないのでは……
 アンケートの回答から「非常に満足」と「かなり不満」の両極端の回答理由を拾ってみよう。「非常に満足」な人は全体の3%にすぎないが、「部内でも比較的高く評価されたから」(IT・通信・29歳)、「前年度の自分の実績が反映されているから」(メーカー・30歳)など、自分への評価が高いことが満足感につながっている例が多い。もちろん、「普段の残業代でたくさんもらえてるのに、さらにこんなにもらえていいのだろうか?と思ってしまう」(システム開発・26歳)と単純に驚く人もいないではないが……。

 一方、全体の16%を占める「かなり不満」の理由は、「同業他社と比べて」「業界水準との比較」など他社比較で少ないから不満という理由が多いが、成果主義がきちんと機能していないことに淵源をもつ不満もかなりの数ある。
■不満の中身は、成果主義評価の問題点に憤る声が多い
「成果主義になったが、実際の成果が金額には反映されている気配がない!」
(機械メーカー・33歳)
「個人の業績がまったく影響されず、なんのために働いているかわからない」
(IT・通信・33歳)
「(成果主義では)着手した案件の規模で評価されてしまうため、利益を出す小さな仕事よりも赤字のビッグプロジェクトに入っている方の評価が高いのは理不尽だ」
(IT・通信・29歳)
「評価基準が曖昧にもかかわらず、成果主義の形態をとっているため。携わっている業務仕事内容に、その評価が左右されることが多い」 (家電メーカー・34歳)
 さて、たとえ少ないと感じたとしても、受け取ればうれしいボーナス。その使い道は?
「貯蓄・貯金」が38%、「ローン返済」が23%、ショッピングが16%、そして「旅行」が8%となった。「新型携帯ゲーム機購入と海外旅行」「ノートパソコンの購入、忘年会代、クリスマスプレゼント、帰郷費、貯金」と使い道がハッキリしている人もいるが、多くは将来の出費に備えて貯める、「堅実派」のエンジニアが多いということのようだ。
[ 調査概要 ]
調査方法 対象職種
インターネット調査会社のパネル会員のうち、以下の職種に該当する25〜39歳の社会人男女に対するインターネットアンケート調査 [ソフトウェア系職種]
コンサルタント、SE(ソフトウェア関連)、ネットワーク関連

[ハードウェア系職種]
電気・電子関連、機械・メカトロニクス関連
有効回答数
500件
調査期間
2004年12月3日〜12日
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