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人気サイト主催者直伝☆エンジニア式情報収集法
奇妙なネタ、驚きのニュース、タメになる情報……。通常では触れられないような情報を毎週惜しみなく開陳してくれる、人気サイト主催者=電網“Tech人”たち。達人たちの情報収集法・整理法はいかなるものなのか。
(文/森健 総研スタッフ/根村かやの) 作成日:04.11.03
PART1 忙しいはずの執筆陣は、いつどうやって「ニュースウォッチ」しているのか?
 いくらプロセッサや通信回線やアプリケーションが高速化したって、人間の情報処理速度が追いつかないよ、と思うことの多い、今日このごろ。
 会社のルーティンな連絡メールをこなすだけでも、ゆうに1時間。家に帰れば、友人からのメールに返信し、知人たちのブログやニュースサイトなどの日々の定期巡回サイトをひと回りしたら、あっという間に午前様だ。「こんなんじゃ明日の仕事に差し支えるよ……」とぼやきつつも、ちょっとだけ自分もブログに書き込んだり(だから、もういいって!)。情報にキャッチアップしていくだけでも、破綻ぎみな人は少なくないだろう。

 一方で、当Tech総研の連載「電網“Tech人”ニュースウォッチ」の執筆陣。メーカー勤務のエンジニアだったり、修士論文執筆中の大学院生だったりと、人一倍忙しい本業がありながら、人気サイトを日々メンテナンス、さらに「ニュースウォッチ」にエンジニアが心ひかれるユニークな情報を豊富に提供し続ける。いったいどうすればそんな情報収集ができるのか?──疑問を持つ読者も多いはずだ。
 そこで今回は、4人のニュースウォッチャーを直撃、読者に役立つ「エンジニア式」の情報収集法を伝授願った。
PART2 大公開!電網”Tech人”の情報収集法
個人サイト ××サイトを開けば××ネタが寄ってくる「類は友を呼ぶ」式情報収集法 一刀@「借力」さん
一刀さん
『バカ日本地図』などバカ系コンテンツや、珍妙なインターフェースの論考で失笑ものの日記からなるサイト「借力」で人気の一刀さん。日記や「ニュースウォッチ」のためにバカネタの情報収集は欠かせないが、その基本はブログ系だ。といっても、もはや日本のブログではどこも同じ情報が回っており、取り尽くされている。そこで収集先は自然と海外に向いた。

「まずはアメリカでも人気のブログのランキングサイト『ブログデックス』から始めたんです。『言うことを聞く鶏』を5月に紹介し、そのパロディサイト『言うことを聞く大統領』を8月に紹介したのも、『ブログデックス』を使ったかな。でも、最近みんなそこに気づき始めてしまった。そこで、あまり人が知らないようなおかしな情報は何だろうと考えた結果、アメリカ以外へと進み、今はブラジルなど南米がメインです」
 南米もののおかしさは、「エロでも通常のニュースでも“ごっちゃごちゃ”なところ」。だが、ネタ探しは南米にとどまらず、『バカ世界地図』の英語版(www.zen-style.com)が全米紙『USAトゥデイ』のWeb版で紹介されたのをきっかけに、全世界に広がった。

「ものすごい数のアクセスが世界中から殺到したんです。そこで、アクセスログのリファラーを見てみると、ヨーロッパからイスラム圏まで。驚きました。
 しかも、うれしかったのは、そのトラックバックやリファーのあったサイトをたどってみると、案の定、バカサイト(笑)。ネタが山ほど埋もれていたんです。世界中にバカネタ好きがいることに安心するとともに、国は違っても、同じことを考えるヤツのところにはネタは集まるものだなと」
一刀さんの情報収集Tips
IRC ブログより早くて便利なネット界の「オールドメディア」を使いこなす Oliver@「スラッシュドット ジャパン」さん
Oliverさん
 エンジニアのための情報サイト「スラッシュドット ジャパン(/.J)」の編集者であるOliverさんにとって、日米の「/.」は基本の情報源だ。というよりも、「/.J」の記事の査読があるため、記事化前のタレコミ(投稿)に目を通さなければならない。だから、ニュースサイトやブログなど定期巡回サイトを回るのは、朝起きてからコーヒーを飲む間の1時間だけと限っている。だが、それではまったく情報量として足りない。では、どうするか?
「実は僕が利用しているのは、昔ながらのIRC(複数人が参加するチャット)。これを立ち上げて一日中流しっ放しにしておく。横目で見ていて、おもしろいと思ったネタのときにだけ参加していくんです」

 IRCは、ネット黎明期から存在し、既に忘れ去られつつある「オールドメディア」だが、リアルタイムで流れるうえ、各チャンネルにはそのテーマの情報に強い人たちが集っているため、自然と常時新ネタが上がっていることになる。  Oliverさんがログインするチャンネルは、「/.」はもちろん、オープンソースや一般ニュース、雑談など多種多様。Webサイトやメールニュースよりも新しい話題を、そのIRCの中で拾うことができる。

「ニュースウォッチ」では「このハッシュ関数は危ない?!」がいい例で、まずIRCでキャッチ、その後「/.J」での反応なども見ながら原稿にまとめた。 「自分の関心に引っ掛かるネタが出ればURLをクリックもするし、特定のキーワードが何度か現れればそれが重要なんだろうと判断できる。しかも、大学の研究者も使っているので、自分の本業(大学院)としての情報源としても使える。ブログなんかよりよほど早いし、便利ですよ」
Oliverさんの情報収集Tips
プログラム自作 エンジニアならでは!自宅サーバー&ケータイ連携システムを自ら構築 ただただし@「ただのにっき」さん
ただただしさん
 本業が某社のソフトウェア・エンジニアであるたださんの多忙さは、「最近、自宅と勤務先以外に行ったのはいつだろう」と思い出せないことがあるほど。そんな日常は「ただのにっき」からもうかがえるが、Webなどのんきに見ているヒマはまったくなく、「電車で移動中にケータイでニュースを見るのが精いっぱい」。どうすれば日々の情報をアップデートできるだろうか──そんな悩みがあった。それならと考えたのが、ケータイの利用だ。

「自宅にサーバーを立ててあるので、それとケータイを連携しようと考えたんです。送られてくるメールニュースからフィルターで広告を削除し、適切なサイズに分割して、ケータイに転送する自動化プログラムを自分で組んだ。おかげで、移動中にそうしたメールニュースに目を通すだけで、十分アップデートできるようになりましたね」
 RealNetworksがHarmonyを発表した後の動きなどは、エンジニアならではのこのワザでキャッチアップしたものという。

 最近ではその技術にさらに磨きがかかっている。たとえばサッカーのJリーグの試合速報などは、ケータイで見ようとすれば有料サイトばかりになる。そこでまたもプログラムを自作。自宅のサーバーをゲートウェイとして、パソコン用のWebコンテンツにケータイからアクセスできるようにした。
「ちょっとまずいかもしれないですけどね(笑)」
 そう苦笑するが、自宅の環境をケータイでできるかぎり実現するのが関心でもあることからすれば、PCとケータイの連携はますます強まりそうだ。
「ウェブログで広まったRSS規格が、今後はさらに使いやすくなるはず。そうなると、自動生成技術も進んで、みんなケータイで情報を取得できるようになるのでは」
ただただしさんの情報収集Tips
Wiki まずはなんでも投げ込む。そのストックがキーワードでつながっていく 平林純@「hirax.net」さん
平林純さん
hirax.net」の主催者・平林さんが「ニュースウォッチ」でとりあげるサイトの内容は、ニヤッと笑える「男と女」のニュース集のようなものか、「匂い」と「景色」をつなぐ脳内リンクのような「なるほど」とためになるサイエンス系が多い。
 さぞ広範に情報収集しているのではと思うが、会社では仕事に支障が出るため、個人的な情報収集は帰宅してからの数時間だけ。だが、定期巡回サイトに登録してあるURLは……654個(!)。
「でも、全部は見ないです。日によりますが、50〜100個くらい。ただ、その中にニュースブログなども入っているので、そこから飛ぶこともけっこうありますが」

 そうして次々と見ていくサイトの管理に平林さんが利用しているのが「Wiki」。ノートパソコンにインストールしてあるWikiをブラウザで立ち上げ、おもしろいと思ったURLを次々と投げ込み、一言二言コメントをメモ代わりに書いておく。
「仕事用のも個人用のも全部Wikiに入れておく。ダイアリーに上げるのはそこからピックアップしたもの。そうやってストックしていくと、キーワードでネタがつながっていく。Tech総研の原稿はそうした日々のストックを基に、もう少し深く調べたものなどを使っていますね」

 大学以来ずっと関心があるのは「不可視のものを可視化すること」。キーワードで拾ったネタをさらに自分で調べ、整理していく中でおもしろレポートもできていくのだという。
平林純さんの情報収集Tips
PART3 情報収集力アップは「自分の要求を知る」ことから
 話をうかがってみると、各人それぞれ、まさにキャラクターや執筆記事を体現したかのような情報収集法・整理法を持っている。ある程度まねできそうなものもあれば、少々素人では難しい方法もある。
 だが、だれしも同じ1日24時間の中で、効率よく、的確な情報を入手していくために重要なのは、個別の方法論よりもまず、自分がどんな種類の情報を求めているかを把握することだろう。それを明確に認識したうえで、もっとも効率よくその種の情報を収集しやすい方法を組み立てていく。そんなアプローチが適切なのではと思えた。
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根村かやの(総研スタッフ)からのメッセージ
 自サイトへのアクセスログのリファラー、IRC、自作プログラム、Wikiと、「ネットを通じた情報収集」にもさまざまな手法がある。そのことも大きな発見だったが、「自分が求めている情報の種類を把握することが重要」というまとめの分析に至ってドッキリ。「いい情報、ないかな」なんて、なんとな〜くウォッチしてもダメってことだ。反省しきり。
 さて、そんな私のお勧め「エンジニア式情報収集法」は、なんといっても「電網“Tech人”ニュースウォッチ」。情報収集力抜群の4人による厳選情報が、水曜・金曜の週2回、簡単に手に入る。こんなオイシイ情報源はそうそうあるもんじゃない。もちろん宣伝も入っているものの、これホントの話。

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