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オファーがくるにはワケがある。過熱する、エンジニア引き抜きの舞台裏 オファーがくるにはワケがある。過熱する、エンジニア引き抜きの舞台裏
オファーがくるにはワケがある。過熱する、エンジニア引き抜きの舞台裏
オファーがくるにはワケがある。過熱する、エンジニア引き抜きの舞台裏
オファーがくるにはワケがある。過熱する、エンジニア引き抜きの舞台裏
サッカーや野球など、スポーツの世界では当たり前になっている「引き抜き」。ビジネスの世界も例外ではない。豊富な経験やスキルをもつエンジニアならば、なおさらである。今回はその知られざる舞台裏に迫る。
(取材・文/佐久間正哲 総研スタッフ/荻野ケンヂ)作成日04.07.14
【PART1】引き抜きの舞台裏(1)あるヘッドハンティングの場合
「あなたのキャリアに興味をもっている企業があるんです」
このような突然の電話をあなたは受けたことがあるだろうか?その主はヘッドハンターと呼ばれる人物たち。その力を借り、実際に転職している人たちがいる。ヘッドハンターと狙われたエンジニア、その両者に迫ってみる。
【ヘッドハントされた人】森本英幸さん(仮名・36歳)
森本英幸さん
大学院修了後、製薬会社に就職。医療用医薬品の研究、OTC(一般薬)の開発、営業企画を経験する。
2002年9月にヘッドハンター北田氏と出会い、03年1月、大手消費財メーカーA社の医薬品部門に転職。現在に至る。
森本氏の転職までの履歴
2002年8月
北田氏から自宅に電話があり、直接会って話がしたいと告げられる。
9月
地元の喫茶店で北田氏と初対面。A社からの依頼であることが判明。先方と会うことを打診される。
10月
東京都内でA社の部長、課長、北田氏を交えて会食。双方とも好感触を得たため、後日、当事者同士だけで再度会うことを約束。
11月
北田氏を介し、年収や入社日など具体的な条件交渉を行う。製薬会社に退職を申し出る。
2003年1月
医薬品部門のプロダクトマネジャーとしてA社に入社。製品の企画開発から販促戦略まで深くかかわっている。
Q.最初のアプローチは?
ヘッドハンターの北田さんから自宅に突然電話がきて、ある企業の依頼で連絡してきたことを告げられました。まさか自分がヘッドハンターから誘われるとは、想像もしていなかったので驚きましたね。少しでも興味があるなら、まずは2人で会おうという話でした。

Q.会うと決めた理由は?
北田さんが私のこれまでのキャリアを正確に把握していたことに、「なぜこんなに自分のことをよく知っているんだろう?」と逆に興味がわいたからです。
当時は製薬会社に勤務しており、11年間のキャリアの中で研究、開発、営業企画など、さまざまな仕事を経験してきました。しかし、一方で会社の将来に不安を感じていたのも事実で、いい話があれば転職したいという気持ちも正直ありました。だから、まずは話を聞くだけでも聞いてみようと。


Q.オファーの内容は?
大手消費財メーカーがOTC(一般薬)事業を強化するにあたり、リーダーとなれる人材を探していて、私がその候補のひとりということでした。通常はオファーの出所は初回の接触では教えてくれないらしいのですが、話も盛り上がって、北田さんも手ごたえを感じたんでしょう(笑)、オファーは業界内でも名の知れたA社からだということも教えてもらいました。たまたまA社とは仕事でかかわったこともあり、その後先方との会食に臨みました。

Q.オファーを受けた決め手は?
私が製薬会社で研究から開発、営業企画まで、幅広く携わってきたことを高く評価してくれたことです。
A社は単に開発だけではなく、消費者が何を求めているのかを的確に判断し、新製品の企画・開発・販売戦略のすべてを仕切る人を求めているとのことでした。私がそうしたキャリアを積んできたことに非常に関心をもっていただき、ぜひ力を貸してほしいと説得されました。
幸い条件面の話もすんなり折り合いがついたので、気持ちよく決断できました。現在はプロダクトマネジャーとして、製品の企画開発から販促戦略に至るまで、大きな責任と権限を与えてもらいながら奔走する毎日です。
【ヘッドハンター】北田勝久さん(45歳)
北田勝久氏
(株)オフ・ビート代表取締役社長。業界歴16年のベテラン。大手コンピュータ会社の生産技術部門を経て、ヘッドハンティング会社に転職。1996年に独立し、同社設立。「質」重視をモットーに企業からの厚い信頼を得ている。
Q.そもそもヘッドハンティングとは?
平たくいえば、企業の事業戦略上の課題を解決し、成功へと導く人材を発掘、スカウトする仕事です。
人材確保の手段として、社内の若手を育てる方法もありますが、今のように変化の激しい時代は人が育つまで企業は待てないんですね。そこで、さまざまなキャリアを積んできた人をヘッドハントで獲得し、即戦力として活用したいと考えるのは、むしろ自然な流れだと思います。
Q.企業からはどんな形で依頼が来る?
詳しいことはいえませんが、「こういうスキルをもった人を探してほしい」という場合もあれば、「この会社にいるこの人」と名指しされる場合もあります。ちなみに森本さんの場合は後者でした。
また当然ですが、情報はすべてクローズド。万一、漏れてしまったら、その企業の事業戦略や人材戦略が外部に流出することになります。公募できない理由があるという前提の下、あくまでもわれわれは極秘裡にターゲットと接触する、これがヘッドハンティングの鉄則です。
Q.どうやって候補者を説得する?
今よりも年収が上がるとか、働きやすい職場環境になるんじゃないかと誤解する人もいますが、決していい話ばかりではありません。なぜなら、ヘッドハントされた人は企業の課題を解決するためにいくのであって、つらいことや苦しいこともたくさんあるからです。
ただし、その分、大きな責任と権限を与えてもらえること。自分のやり方で思いどおりにやれること。また、企業側もそれなりの条件・待遇を用意していることを、候補者の方にはお話ししています。
Q.どうすればヘッドハンターの目に留まる?
携帯写真
独自のASPを利用して候補者情報を管理している
自分よりも優秀だと思える人とつき合ってください、とだけ言っておきましょう。
「自分にないものがある」 「その道の達人だ」と思う人とつき合うことで、情報の幅も広がりますし、自分自身のレベルアップにもつながります。
また、そのような人たちは高い確率でヘッドハンターにマークされています。ヘッドハンターは候補者の周辺情報も収集しているので、知らない間に自分がリストアップされている、ということもあるでしょう。自分に自信をもっているという方は、逆にヘッドハンターにアプローチしてみるのも手だと思います。
【PART2】引き抜きの舞台裏(2)ある“人づて引き抜き”の場合
次に紹介するのは、人づてによる引き抜きのケース。ここで登場する2人は友人同士という、やや特殊なケースだが、偶然の「出会い」が人生の大きな転機につながることもある、ということを示してくれる好例だ。
誘った人 玉田圭一郎(仮名 ・36歳)
玉田圭一郎氏
ソフトウェア会社代表取締役社長。大学卒業後、1993年に大手情報サービス会社入社。95年ゲームソフト開発会社に転職。1999年10月に独立し、代表取締役社長に就任。現在社員は8人。
誘われた人 久保勝彦さん(仮名 ・34歳)
久保勝彦さん
1994年に大手OA機器メーカー入社。主に生産部門のスタッフとして活躍。友人と2人で始めた勉強会で玉田氏と出会い、親交を深める。2003年7月、玉田氏が経営するソフトウェア会社に転職。現在に至る。
久保氏の転職までの履歴
1999年12月
自ら主宰する勉強会で、友人を介して玉田氏と出会う。
2000年8月
SCMに関するビジネスの検討を始め、玉田氏からもアドバイスを受ける。
2003年4月
メーカーを退社。玉田氏が経営するソフトウェア会社への転職を決意。
7月
玉田氏の会社に入社。現在は自らもち込んだビジネスの成功に向け、ソリューション事業部の部長として奮闘中。
Q.知り合ったきっかけは?
(久保)メーカーにいたころ、仕事とは別に友人と時事問題などをテーマにした勉強会を開いていたんです。玉田さんとは共通の友人の紹介で勉強会に来てもらったのが始まりです。

(玉田)つき合い始めたころは一緒に酒を飲んだり、ゴルフをしたりして、彼の人柄や考え方を知っていきました。勉強会を主宰するだけあって、リーダー的なオーラや熱さは感じていましたね。

Q.その後のつき合いは?
(久保)2000年の夏ごろから、「SCM(サプライ・チェーン・マネジメント)をベースにビジネスをやれないか」と考え始めたんです。生産戦略や情報システム系の仕事にかかわっていたこともあり、SCMについては自分なりの考えがありました。
そのときに玉田さんが自らSCMについて勉強されたうえで、鋭い指摘をしてくれたり、実際に企業でSCMに携わっている人を紹介してくれたんです。

(玉田)当時は一緒にやるとか、ウチに呼ぶという意識はなくて、純粋に彼の背中を押してあげようというスタンスでした。だから、ビジネスに乗せるためにはここが足りないといった、かなり厳しい話もしましたね。

(久保)おかげさまでビジネスプランも徐々に固まってきたのですが、自分で会社を立ち上げるのかどうかも、かなり悩みました。メーカーでは担当した仕事が中途半端に終わってしまうケースが多くて「今度こそ」という思いの連続でしたが、このビジネスだけは絶対に成し遂げたかったので、会社を辞めるしかないなとは考えていました。

Q.久保さんを誘った経緯は?
(玉田)ウチの会社はゲームソフトの開発がメイン。それなりにリスクを伴うビジネスなので、ヘッジとしての事業をもちたいとも思っていました。

久保と話しているうちに、これを第二の事業として、ウチでやってもいいんじゃないかと思うようになって。彼のやりたいことやビジョンは十分にわかっていたし、そのためのステージを提供したいとも思ったんです。そしたら彼が「会社を辞めることにしました」と言うので、「じゃあ一緒にやろうか」と(笑)。

(久保)ビジネスプランごと受け入れてもらったかたちですから、仕事に対する責任感、モチベーションはメーカーにいたころとは比べものになりません。

今はひとりだけの事業部なので、つらいこともありますが、業務コンサルティングからシステム開発まで、やりたいことを思う存分やらせてもらっています。会社の運転資金くらいは私の事業でまかなえるようにするのが当面の目標ですね。
【PART3】引き抜きオファーを増やすには?

今回の取材でわかったのは、ヘッドハンターからのオファーであれ、人づてのスカウトであれ、これだ!
というものをもっている人材は、知らないうちに「狙われている」ということ。
ヘッドハンターは言うに及ばず、企業の人事担当者も常日ごろ「欲しい人材」を水面下でマークしている。
今回の例のように、ヘッドハンティング会社へ「どこの会社の○○さん」という名指し依頼ができる人事担当者は珍しくはないらしい。こういった、企業から欲しい人材にピンポイントでアプローチする「攻めの採用」は今後ますます増えていくだろう。

また、狙われる人材は、ごく当然のこととして豊富なキャリア、幅広い人脈、課題に対して旗振りできる
行動力をもち併せている。もちろん、経験分野の深掘りやスキルの向上、資格取得など、
日ごろから自分を高める努力が必要なことはいうまでもない。

もしあなたが「いつかは転職」を考えているならば、人脈やキャリアなどから、何がアピールできるだろうか。
その「何か」こそが、引き抜きオファーを増やす武器となるはずだ。
さらにその何かをより多くの企業に発見してもらう仕掛けとして、リクナビNEXTスカウトや
人材紹介会社に登録するのも有効だろう。
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荻野ケンヂ(総研スタッフ)からのメッセージ
私自身、ヘッドハンティングという世界に暗かったので、北田氏の取材は非常に刺激的でした。企業が抱える人材ニーズの中でも、ヘッドハンティングによって調達する人材は必殺仕事人レベルだということ。引き抜かれた方は転職してからのプレッシャーも相当あるはずですが、それを跳ね返してキャリアを上積みした方は、さらに狙われるという循環になるはずです。

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