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ORACLE MASTER、シスコ技術者認定、MCP… 転職市場における人気IT資格のRCI
 
「資格より実務経験でしょ」──。でもやっぱり他人が取得すると、気になるIT資格。特に人気資格取得の有無は、転職の際にどう評価されるのか気になるところ。そこで転職市場におけるIT資格の投資対効果について検証したい。
(総研スタッフ/関洋子)作成日04.02.04
 
 
 右の表を見てほしい。
 これはTech総研がIT資格を取得している300人のITエンジニアにアンケート調査を行い、「取得しているIT資格の中で、最も市場価値を高めるのに役立っていると思われる資格を教えてください」という質問に対する回答をまとめたものだ。
 
 

ソフトウェア
開発技術者試験

シスコ技術者
認定

テクニカル
エンジニア
(ネットワーク)

MCP

ORACLE MASTER
コンサルタント、アナリスト、
プリセールス
6.0%
10.4%
13.0%
14.3%
14.3%
ソフト開発
53.6%
3.4%
26.0%
14.3%
14.3%
組み込みソフト開発
17.9%
0.0%
4.3%
9.5%
9.5%
ネットワーク構築、運用・保守
14.3%
82.8%
47.9%
47.6%
47.6%
社内情報システム、MIS
8.2%
3.4%
8.8%
14.3%
14.3%

 最も市場価値を高めるのに役立っている資格の第1位に挙げられたのが、なんと国家資格の「ソフトウェア開発技術者(旧第1種情報処理技術者取得者含む)だった。以下、シスコ技術者認定、テクニカルエンジニア(ネットワーク)、MCP、ORACLE MASTERと、IT資格の定番とも思われる資格が並ぶ。

 しかしこれらのいわゆる定番資格は、取得者人数も多い。つまり、取得者数が多ければ多いほど、資格の価値は下がっていくと考えられる。では、本当にここに挙げられたIT資格は、どんな価値をもっているといえるのだろうか。

 

人気IT
 
 ここでは以下の人気資格の転職市場価値と取得に費やした時間、自己負担金額、得られた効果・効用などについて、アンケート調査とリクルートエイブリックのキャリアアドバイザー・吉田智春氏の取材から探っていこう。

 
 
1 ソフトウェア開発技術者
転職市場での価値
「プロジェクトの内容がまだまだ薄い20代エンジニアの場合は、転職市場では有利に働く」と吉田氏。国内大手SIerや外資系企業でも、ITの基本を理解していることを証明するためにも、お勧め資格だ(30代になると、取得時期がポイントに。なるべく早い段階で取得するのが得策)。

得られた効果・効用
報奨金をもらったり、給与が数万円アップしたりというのが、現実的な効果というところ。転職の際に有利になったというコメントも。

合格までの勉強量・時間
1カ月から半年ぐらいの勉強量で取得している人が多い。

投資金額
自腹で投資した金額はほぼ1万円以内が半数を占めた。約8割の取得者が5万円以内なので、過去の問題集を買って勉強することがほとんど。

取得に費やした時間
資格の概要
国家試験。情報システム開発プロジェクトにおいて、外部仕様に基づきソフトウェアを開発する人が対象。ネットワーク、データベース、システム構成などのITに関する全般的な知識、論理的思考、プログラム設計書作成に関する知識が問われる。
 
 
転職市場での価値
「資格のレベルと取得時期、実際の業務の内容などによって評価が分かれますね」と吉田氏。例えば業務系のアプリケーション開発エンジニアであれば、CCNAレベルの取得でも「インフラのこともベース知識は抑えている」という評価につながる。もちろん、エキスパートレベルの資格を取得すれば、転職市場でも価値は高くなるが、自らのキャリアと兼ね合わせた取得を。

得られた効果・効用
報奨金はもらえるが、取得しても手当がつく場合は少ないようだ。また、転職の際、意外にセールスポイントとなったと答えた人も多かった。

合格までの勉強量・時間
約3カ月間、勉強すれば取得できるようだ。しかしレベルが上になればなるほど、半年以上の期間はかかる傾向がみられた。

投資金額
約8割の人が5万円未満の投資という結果が出た。

取得に費やした時間
資格の概要
ネットワークベンダー・シスコシステムズの認定資格。ネットワークサポート、ネットワークデザイン、コミュニケーション&サービス、ネットワークセキュリティなどの4つの分野に分かれ、それぞれアソシエイト(CCNA、CCDA)、プロフェッショナル(CCNP、CCDP、CCIP、CCSP)、エキスパート(CCIE)という3つのレベルが用意されている。
 
 
3 テクニカルエンジニア(ネットワーク)
転職市場での価値
「国家資格なので、国内SIerには、評価されるでしょう。しかし、これもキャリアとのバランス。例えばあまり業務ではネットワークの知識が身につかない。だから自分で勉強した、というような場合は転職の際のアピールポイントとなるでしょう」(吉田氏)
ネットワークエンジニアならそれほど評価の対象とはならないが、上流工程の業務が多いSE、業務系アプリケーション開発のエンジニアには価値が高い。

得られた効果・効用
報奨金や給与アップという実利より、知識が幅広くついたというように、自身のスキルアップに役立ったという効果を挙げるコメントが以外に多く見られた。

合格までの勉強量・時間
過半数以上の人が1カ月〜3カ月間未満で取得している。

投資金額
半数の人が1万円未満、5万円未満までで9割を占めた。

取得に費やした時間
資格の概要
国家試験。ネットワークの専門家として開発・導入を支援する人が対象。ネットワーク技術・制度の動向を見通し、目的に応じて適切な技術の選択、ネットワーク要求仕様書の作成から設計技法、プロトコル技術、セキュリティー技術などの最適な論理・物理設計、ネットワークの効率的な構築・運用に関する知識が問われる。
 
 
4 MCP
転職市場での価値
「数年前、一気に攻略本が出回り、取得者数が急増しました。それ以来、企業も取得しやすい資格として、それほど評価をしなくなりましたね」と吉田氏。
しかし、MCP資格も概要で説明したとおり多様化している。MCAD、Windows Server2003関連の試験が新たに提供されるなど、進化している。いち早く、新しい資格を取得すれば、認知度の高い資格だけに、企業側も評価しやすい。特に若手エンジニアにお勧め。

得られた効果・効用
ほかのベンダー資格でも同様だが、名刺に資格取得のマークが入るため、顧客の信頼が得られるなどの効果が。自己のスキルを確認できたなど、特に変わらないという回答も多かった。

合格までの勉強量・時間
MCPのみだとほぼ1週間から1カ月以内という意見も多かったが、MCSEなどになると、科目数も増えるため、半年ぐらいの勉強期間が必要。

投資金額
約8割の人が5万円未満の投資という結果が出た。

取得に費やした時間
資格の概要
マイクロソフト製品の技術的知識に関する世界共通の認定資格制度。MCP資格はマイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)、システムアドミニストレーター(MCSA)、システムエンジニア(MCSE)、データベースアドミニストレータ(MCDBA)、アプリケーションデベロッパー(MCAD)、ソリューションデベロッパー(MCSD)、トレーナー(MCT)などに分かれる。
 
 
5 ORACLE MASTER
転職市場での価値
「ORACLE MASTERシルバーは取得者数も多く、英検3級ぐらいの評価。今となっては特に転職市場で価値があるとは感じられません。プラチナを取得していると、価値はあります」と吉田氏。
今また、プラチナより上級の資格を作ろうとする動きがあるともいう。そういう資格をいち早く取得すれば、特に若手エンジニアの場合は、転職市場では有利に働くことも。

得られた効果・効用
報奨金、手当以外には、上級資格取得により、顧客からの指名が増えた、仕事の効率がよくなったなどの効果が得られたという回答が。転職の際に有利になったという回答はなかった。

合格までの勉強量・時間
実務のみで取得したという人もいたが、1カ月以上3カ月以内の勉強期間が必要という結果が得られた。

投資金額
約9割の人が5万円未満の自費投資を行ったという結果が得られた。

取得に費やした時間
資格の概要
日本オラクルがオラクル製品に関する技術者を認定する制度。昨年度より「Oracle Certification Program(OCP)」に対応、グローバルに通用する資格となった。ORACLE MASTERは「データベース運用/管理」「データベース管理(Linux)」「アプリケーション開発」「アプリケーション・サーバー運用/管理」の4つのトラックに分かれ、さらにプラチナ、ゴールド、シルバーという3レベルがある。
 
高いROIに期待したい!これから取得するなら「この資格」
 
「ITSSでどう変わる?ITエンジニアの損得勘定」というレポートの中でも紹介したが、今後、ITSSが普及すると、資格取得はスキルレベルを診断する際の加点要素。しかも若手エンジニアほど、その占める割合が多くなる。
「20代のうちにできるだけ、自費だとしてもテクニカルな資格は取得しておいたほうがいいですね。転職の選択肢が広くなりますから」と前出の吉田氏も語る。

 ではどんな資格を取得すれば転職市場で効果的なのか。
「とりあえずは英語。TOEICを730点取れれば、転職市場でかなり有利になります。次に注目すべきは中国語。昨年度の夏より中国とのジョイントベンチャーやオフショア開発が盛んになってきたことから、中国語ができる人を求める案件が、コンサルファームや大手SIerからも出てきました。これからもっと増えるでしょうね」(吉田氏)

 
 
 IT業界の中で今、最も足りないといわれるプロジェクトマネジャー(PM)。その資格PMPやプロジェクトマネージャ試験については
「PMクラスの人を採用する場合は、資格よりも実務経験を見ます。したがって、プロジェクトの内容、担当フェーズ、担当分野、役割を見ることで、スキルを判断することができるのです。また、現在、取得している人が少ないため、それをどう評価していいかわからないというのが本音ではないでしょうか」(吉田氏)

 今後はテクニカルな資格だけではなく、語学がITエンジニアの転職市場価値を左右する時代になっていくのだろうか……。
今後、取得したい資格ベスト5

「自腹」で資格取得するための支援制度
 今の会社では、資格取得の支援もないし、研修もない。自腹で講習会に参加か──。そんなことで嘆く前に、教育訓練給付制度を活用しよう。雇用保険を3年以上支払った在職者、また離職後受講開始までが1年以内でかつ3年以上雇用保険を支払った離職者に関しては、教育訓練施設に支払った経費の40%に相当する額が、20万円を超える場合の支給額は20万円が支給される。
 
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関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ 関洋子(総研スタッフ)からのメッセージ
 IT資格って本当、いっぱいあります。国家資格、ベンダー資格からベンダーニュートラルな資格まで。今回、人気IT資格に挙がったのは、定番中の定番なもの。でも数年後、この資格の順位も大きく変動しているのでしょうね。。

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