今回のナビゲーター、Ｔｅｃｈ総研編集部の高橋マサシです。このレポートは、アンケートを元に、私の独断で作りました。私の一存で嫌いな仕事の具体例を選び、今までの取材経験をベースにしてコメントを載せました。なぜって、そのほうが面白いからです。
　アンケートに協力していただいたエンジニアの方は、25〜39歳までの500人。ソフト系、電気・電子・機械系、化学・バイオ系、営業・サービス系と、幅広い職種の方にお願いしました。質問内容は、「嫌いな仕事の具体例」「その理由」「全業務時間の中でのその仕事の割合」「嫌いな曜日・時間帯」「やりたい仕事」などです。皆さん、どうもありがとう！！

　アンケートでは、エンジニアの志向性についても尋ねました。職種によって微妙に違いますが、本当は経理とか営業とか、別の仕事と比較したほうが面白いかもしれません。でも、それってあまり興味がないでしょ。

エンジニアって、身勝手だけどマジ真面目です

　この7つの質問への回答から浮かび上がる、私が勝手に想像したエンジニア像を以下に述べます。
「創造性に富んだ仕事を好み、そのためには周囲の環境を変えても、もっと大きい変化を起こしても構わない。複雑な課題にもチャレンジする。ただ、その成果物はどちらかというと自分のものだし、必ずしも社会的な影響度が強くなくてもよい。独力とチーム協力を使い分ける、臨機応変さは持ち合わせている」

　真面目ですよね。もっといえば正直です。これは、これまでの取材で出会った多くの方々に共通していますが、勉強家で向上心が強く、プライドも人一倍高い。でも、その正直さゆえに、コネやネゴやウソや策略が不得意みたいです。職種で差はありますが、全体的な人物像は同じく感じます。
　このままではマズい、などとは思いませんよ。だって、これを読んでいる人は社会人でしょ。もう性格を変えるなどできません。このままいくしかないんです。

　最後の質問で、「あなたがしたい仕事は何ですか？」と聞いてみました。大きく4つに別れましたが、「大まかな願望」とは、「世界平和」「楽して稼げる仕事」「会社の仕組みを変えたい」など、職種を絞り込めないものです。なるほど、そんな答え方もありますね。

SEの仕事にもかかわらず、業務そのものの立ち上げ（SE：28歳）

１つの製品の責任者として商品企画から市場出荷までを担当（マイコン開発：32歳）

会社に縛られない、自分のやりたい研究開発をする（ハード研究：36歳）

研究。お金にならない純粋理論などの探求（社内情報システム：35歳）

自社にノウハウがない制御機器の設計（回路設計：33歳）

陳腐化した今のコンピュータシステムの修正に専念（SE：38歳）

　SEの方は、「本来の開発に専念したい」「一から仕事をしたい」「すべての工程に携わりたい」「自分の感性を出したい」など、涙をそそるコメントが多い！　これは、ほかの職種にはほとんど見られない傾向です。
　一方、回路設計や機械設計の方は、「商品」にこだわりあり。「世界初」「世の中のためになる」「微細加工」などが並びました。何だかんだいって、みんな自分の仕事が好きなんでしょ。

「特になし」が少ないのには驚きました。嫌いな仕事のことを根掘り葉掘り聞かれて、最後に「それじゃ、何がしたいの？」と聞かれたら、普通は答えられませんよ。常に何らかの形で、仕事に向き合っているんですね。私なら適当に、「好きなアイドルの豪華装丁本が作りたい」くらいかな。
　あなたの「やりたいこと」は見えてきましたか？　何の話かって？　サブタイトルにあるでしょ。「あなたのやりたいが逆説的に見えてくる」。見えてきたら私もうれしいです。見えてこない場合は、知りません。