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2003年、現場を知らない上司に捧げる!エンジニアの壮絶☆修羅場総決算 2003年、現場を知らない上司に捧げる!エンジニアの壮絶☆修羅場総決算 2003年、現場を知らない上司に捧げる!エンジニアの壮絶☆修羅場総決算
2003年、現場を知らない上司に捧げる!エンジニアの壮絶☆修羅場総決算
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2003年、現場を知らない上司に捧げる!エンジニアの壮絶☆修羅場総決算

短期開発、人員短縮、開発費削減……。そのためにたとえ連日徹夜しようが、相次ぐ仕様変更をこなそうが、会社は「できて当たり前」と、結果のみを評価する。そんな過酷な環境の中で、今年エンジニアはどんな壮絶でスリリングな修羅場をくぐり抜けてきたのでしょうか。
(取材・文/総研スタッフ 宮みゆき イラスト/kucci(クッチー)) 作成日:03.12.24
Part1 エンジニア500人が「2003年、最大の修羅場シーン」激白!
 Tech総研編集部では、25〜39歳までのソフト系、電気・電子・機械系、化学・バイオ系、サービス系のエンジニア500人を対象に、2003年の「最大の修羅場」体験のアンケートを実施。そのときの業務状況から周囲の評価、自己分析も合わせて、修羅場シーンを振り返ってもらった。
Scene1 「納期」という名の修羅場 編
「あと何日徹夜すればいいの!?」
 回答者の6割以上が徹夜、休日出勤、深夜残業でのぞむ「納期」という修羅場。どんなにムリして寝ずに頑張ったとしても、「遅れりゃ地獄」の構図は、かなりシビアなものだった。

「地獄」が待ってた納期遅れの結末
汎用機のオープン化失敗で、去年9月スタート予定が移行できず、毎日徹夜状態で体も心もボロボロ。結局、SE一人クビ、役職は20%ボーナスカット。
(システム開発・32歳)
納期当日2時必着の商品が2時間前に完成。新宿発あずさ号で上諏訪まで持っていったが、納品先には4時間かかり、結局赤字。二度と経験したくない!
(品質管理・35歳)
納期前日に重大な欠陥が見つかり、隠蔽工作が大変だった。結局、クライアントに理解を求め、納期を1週間延ばしてもらったが、上司がクビになった。
(システム開発・30歳)
納期セーフでどうにか「天国」
納期に確実に間に合わせるため、先輩たちと1週間徹夜で製品を完成させたところ、相手側の営業に大変感謝されてシュークリームの差し入れをいただいた。
(生産技術・31歳)
大手自動車部品メーカーに、新車発表用の専用工具を短納期で頼まれ、特急で納入。が、先方の確認ミスで納入後に返品。製造と一緒に深夜残業で作図、超特急製作した。先方ミスのため、超特急製作料金をもらえた。さらに、どうにか間に合わせたので、次からの仕事も増えた。
(セールスエンジニア・32歳)
「この人数でこのスケジュールはムリ!?」


 納期遅れの背景には、短期開発やメンバー短縮などの厳しい条件がぎっしり。当然、そのシワ寄せは製品やサービスのトラブルを引き起こし、さらに眠れない日々が続く……。

短期開発のせいでバグ頻発!
1億弱の社内システム構築を実現した。しかし、情報システム部のメンバーは、私を含めて2人。導入直前では、環境構築、データ移行など徹夜続きの毎日。バグの出現が頻発し、サービス導入停止の直前までいった。
(社内情報システム・31歳)
現在、8人でソフトウェア開発をしている状態。受注物件だけが多く、粗利益が伴っていない。開発期間が短縮されるため、100%の状態で納品することができない。納品後もさらにぎりぎり状態での開発が続く。
(システム開発・29歳)

メンバー削減で眠れない夜が続く
30人/月かかるシステムを、現在5人で開発している。単純計算で納期に間に合わせるには通常の6倍働かなければならない。さらに2人をほかの部署に異動させろという命令も。理由もむちゃくちゃなうえ、仕事の量と質は変えるなというわけのわからないことが……。睡眠時間を削れというのか?
(システム開発・36歳)
職場が変わり、責任範囲が極端に増えたにもかかわらず、部下はほとんどいない状態。見たこともない設備をいくつか導入するのに、すべて自分でやらなくてはならない日が続く。特に8月からは、大きなプロジェクトが5つ重なり、土日もなく働いている。
(生産技術・29歳)
Scene2 ドロドロ「人間関係」の修羅場 編
「頼りない上司とワガママ顧客に振り回されて」
 ただでさえ激しい開発環境変化が修羅場をつくり出す今日このごろ。それに輪をかけて修羅場を複雑化するのが、ワガママ顧客と頼りない上司だったりする。


責任とるのは上司の役目……だよね!?
Webシステムを開発、納品、立ち上げまで実施する中、バグ、要望などが300以上におよんだ。結局、カットオーバーに間に合わず、上司に相談したが『おまえが責任をとれ』と全く助けがなかった。
(システム開発・31歳)
外注したシステム検証が完全でないまま、客先に次々と納品。その不具合の対応に追われ、最終的にはすべてのシステム入替を行った。上司の承認で行っていたのに、上司はこれらシステムの全責任はおまえだと逃亡。初期開発に携わっていたわけではないのに、結局は私が悪者になり担当を下ろされた。
(生産管理・31歳)

そんなに仕様変更されたら……
ある会社の生産管理システムを担当することになったが、先方の担当者はかなりのつわもの。途中から営業が不在になり、追加仕様、追加仕様の連続。別料金になる旨を説明しても受け付けてくれない。結局1000万円ほどの開発を100万円程度でやらされた。納期もなく毎日徹夜で、かなりウツになった。
(システム開発・29歳)
プロマネとしてユーザーシステムの構築に取り組んだが、納入時のユーザー要望追加が5回繰り返され、完全な赤字事業に。本番稼働2週間前なのに、仕様もテスト確認方法も確定せず、徹夜が続いた。
(コンサルタント・34歳)
Scene3 「突発トラブル&失敗」 編
「それは忘れたころにやってくる」
 予期せぬトラブルは開発にはつきもの。自らのウッカリミスから、他人の失敗、天候だって影響してくることもある。でも、失敗は成功の糧っていうじゃないですか!(涙)


人間は必ずミスをする
某大手携帯電話事業者のネットワーク上の1基地局を、約6時間にわたって無通話状態(回線はつながり、課金はされるが、音声通信が上り下りともにできない状態)にさせた。
(サービスエンジニア・29歳)
OS・アプリケーションのセキュリティホールを探し出す途中、本当にクリティカルなセキュリティホールを突いてしまい、システムはダウン。通常であればバックアップからシステムを戻せばすむ話だが、そのバックアップメディアが損傷。結局1週間で今まで1年かけて作り上げてきたシステムを再構築。
(システム開発・27歳)

トラブルは突然訪れる
システム開発のプロマネとして、既に納品済みのシステムに対して追加機能開発を行っていた。あるとき、ユーザーの履歴表示画面に他ユーザーの履歴の一部が混入するという事件が発生。問題切り分けと並行して、影響範囲の調査を5人のメンバーで行い、会社に5連泊する羽目に。結局パッケージソフトのバグだった。
(システム開発・30歳)
医療系システム開発で、PG開発を中国企業に外注。しかし、上がってきたPGの品質が非常に悪かったため、希望納期までの検証が非常に困難となった。他チームも借りて連日の検証作業を行ったが、そのバグ件数の多さに今度は、検証作業と修正PGの突き合わせが複雑になり、検証が非常に遅れてしまった。とりあえず、人海戦術で乗り切った。
(システム開発・34歳)



自然には逆らえません……
客先工場の装置入れ替えで、月曜日の休み明けには元どおりに稼働しなければいけないのに、大雪で部品が来ず、どうすることもできなくなった。急きょ、部品をその場で考え、回路をつくりそれを代用として使用し乗り切った。その後、運送業者はもとより、担当者の私も厳しく叱責された。数カ月前からすべての事項の確認は完璧だったが、上司はこの日に大雪が降ることを予想できなかったことで、私を厳しく怒った。しかし、そこは福岡県であり、大雪が降ることは天気予報士でも的中不可能である。
(サービスエンジニア・35歳)

カラダで覚えた顧客対応

ルールは守られないもの
約10,000台納めた製品の寿命トラブルの原因調査と約8カ月の顧客フォロー。一時期は損害賠償11億円という数字さえ上がったが、中心メンバー5人、関係者数十人で対応し最終的な和解までこぎ着けた。賠償請求も事実上なくなり評価は上がった上に、豪勢な慰労会があった。
(生産管理・39歳)
Bulaster対応。外部からは侵入できないが、会社のパソコンを持ち帰り、自宅で感染したものを会社に接続したことで感染。1台ずつ全部対応し、システム復帰まで3日間泊り込んだ。勝手に持ち帰って感染した当人が一番うるさかった。
(システム開発・32歳)

2003年、多かった「修羅場」の主な原因
圧倒的に多かったのが、トラブルが引き起こした「修羅場」。そして、意外に多かったのが「修羅場はなかった」という10%の回答者。やはりもの足りないと感じているのか、「達成感は薄い1年だった」「評価も高くならなかった」という答えが目立っていた。
2003年、多かった「修羅場」の主な原因
Part2 修羅場経験は価値ある貴重なキャリア
「最大の修羅場」を乗り切ったその後、周囲の評価・反応に対する自己評価を聞いたところ、約60%のエンジニアは、何かしらの評価を得たと回答している。修羅場を乗り切ったことから得たことはどのようなものだったのだろうか。
修羅場、そのときあなたの自己評価は?
今どきの「修羅場」キャリアの価値は高いのか!?
「机上の論理」より「現実の修羅場」を積み重ねることが、エンジニアとしての付加価値を上げる。さらにその経験を生かすことが、周囲の評価につながっていく。このように実践の蓄積で得られた経験こそが、リスクを最小化し、リターンを最大化する武器となるのは周知の事実。あとはそれをどう自分のキャリアとして評価させるかが大きな鍵となる。

 将来を見通すことのできる時代は終わり、先が読みにくいこの不確実なこの時代。人的確保で解決できないそれらの修羅場にこたえられる対応力・コーディネート力が求められている。変化に備え、社内外の状況に対応できるようなフレキシブルさがより必要とされる今こそ、修羅場経験が大いに活用できる最大のチャンス。あとは、これらの失敗、修羅場をどう楽しむか。「こんな修羅場じゃまだまだ甘い」というあなたにこそ、2004年はチャンスなのかもしれない。
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宮みゆき(総研スタッフ)からのメッセージ
皆さんは今年どんな修羅場を体験しましたか? その貴重な経験・キャリアを転職活動で高く売り込むために、転職ノウハウレポート「修羅場経験を逆手にPRする職務経歴書」もご用意しました。ぜひお見逃しなく!

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