意見を主張することが大切なのではありません
これはもう、デザイナーを辞めたほうがいい、というくらいの問題です。基本的にデザイナーの仕事というのは、自分のセンスなりアイディアをいろいろな商品の形にして、アウトプットすることですよね。100%表現することが、デザイナーとしての義務でしょう。
自分の意見をちゃんと主張しないということは、控えめでおとなしい性格のように聞こえますが、実はきちんと仕事をしていない、ベストを尽くしていない、ということなんですよ。だから、性格の問題として自信のあるなしで考えようとせず、今の仕事に対する熱意や義務の問題として、もっと深刻にとらえ直し、解決していくほうがいい。
ただ、あなたの職業がデザイナーなので、意見を主張することより、自分のセンスを磨き、アイディアにこだわりを持つべきではないでしょうか。もし、あなたが転職の面接を受ける場面があったとしましょう。そこであなたが「私は周囲に負けずに自分の意見を主張できます」ということをアピールできたとしても、それはデザイナーとして評価される材料にはなりませんよね。むしろマイナス評価される可能性もあります。あなたの相談は、そうなりたいと言っているようなものですよ。つまり、勝負しようとする場所を間違えているのです。
自分の価値を他人に言語化してもらおう
そうはいっても、10年もデザイナーとして食べて来たわけですから、あなたにはそれなりのセンスや才能がきっとあるのだと思います。その才能や価値の正体をあなた自身が理解していない、もしくは、自信を持ちすぎたり、なくしすぎてもこわいと感じているのかもしれないですが、要は直視できていないんです。
あなたの意見やセンスに価値があることを認識できていれば、自信のあるなしといったぶれは起きず、商品としてきちんとアウトプットするまで仕事は完結していないと思えるはずです。ただ、これを一人きりで解決するのは難しいので、まずはあなたの仕事をよく理解してくれている同業の先輩なり友人なりに相談してみることをお勧めします。
できれば2人か3人の意見を聞いてみましょう。あなたが仕事で貢献していることについて、他人に言語化してもらうことによって、漠然としていた自分の価値をしっかり認識できます。あとはそれをきちんと仕事に反映させていけばいいんです。そういう過程を経て、いい形でアウトプットすることに集中しましょう。意見は後から主張すればいいのです。