基本のわからない人に効く言葉はなし
こういう人は、本来ならクビ。まともな仕事をしないのに、給料を払う必要はないでしょう。働くことの基本がわかってない、勉強する気のないヤツに話をしても無駄ですよ。この人に効く言葉はないでしょうね。
今まで、あなたから何か言ったことはあるのかい?そんなに具合が悪いならついてってやろう、とか。部下がダメなのは、あなたに上司としての資格がないってことじゃあないの。まあ、この人に何を言ってもしょうがないだろうけどな(笑)。恐らく、世間一般の不正を百も承知でしょう。自分もズルをしていると自覚してるから、いろいろと休む理由をくっつけてるわけだ。
サボるくらいが人間的でちょうどいい
でもね、こういうズル休みするヤツに合わせるくらいが、本当は人間的なんですよ。なぜなら、文明というのは、現代の最新のことを言うのであって、その最新とは、より多くをより早くこなしていくこと。その回転の速さについていけるのが、現代人であり文化人というわけだ。このスピードについていくために自己の才能をフルに出していくと、いろいろと支障が起きてくる。その最たるものがうつ病です。
つまり、この人は、会社より己を大事にして、現代文明の中で上手に生きようとしてる、意外とまともなヤツかもしれない。落語なんかは、それを肯定してる稼業で、特に私は、すべてを「生産」に結びつけることに疑問を持ってますからね。そんなことじゃ、日本の経済がダメになるって言うんだろうけど、こうやってサボるくらいがちょうどいい。こういう人間を困ったヤツと言う、あなたたちの方が、危ない状況でもあるんです。
人間、何かをしていないともたないから、すべてにおいて、やることが前提となっている。でも、何もせずに済むなら、それでいいわけです。責任ってのは、より多く強い責任を取った方が良しとされるだけで、誰でもどこかでは、少なからず取っているもの。この人も会社では責任を取っていないだけで、私生活のどこかで取っているんでしょう。友達とか彼女とかに「俺がごちそうしてやる」なんて言うのも、責任の形かもしれない。
ともあれ、目の前の人間が何を憂い、何を喜ぶのかが状況判断できないのは、よろしくないな。上司を喜ばせるくらいでなけりゃ。それが結局は自分を快適にする手段なんですからね。この人は、状況判断ができないから適切な処理もできない。だったら「何もさせない」か「賃金カット」のどちらかしか手の施し用はないでしょう。仕事なんか与えずに、1カ月くらい放っぽらかしてごらん。そうしたら、「何か仕事下さい」って 、言ってくるんじゃないかな。
私も弟子たちに「仕事しろ」なんてことは言いません。私たちの仕事は、共同作業じゃなくて個人芸。だから、たとえアドバイスしたことで、その通りにして売れたとしても、自分で気がつかなきゃあ意味がないし、結局は離れて行っちまう。ごくたまに「あいつは化けるよ」って言う、突然上手くなるヤツもいるけど、それは素質があってのこと。だから、何も言わないほうがいい。ダメなヤツは放っておきなさい。