尊敬する人は簡単にできるものじゃない
面接の時にもっと機転を利かせろよ。「これから御社で尊敬できる人に出会いたいと思います」くらい、気の利いたことを言えばよかったのに。もう26歳なんだから、しっかりしろ。
実際に尊敬する人は、そりゃあ、いるに越したことはないけど、なにがなんでも必要じゃない。無理につくろうとして、できるものじゃないからな。尊敬する人が大事かっていうと、尊敬する人がいたら、変われる可能性があるとは言えるけどな。
人は変わることができる
俺はガキの頃、ぜん息持ちで病弱だった。それが強烈なコンプレックスになっていたんだ。小学校時代は、剣道をやっていたけど勝てなかったし、友達と野球する時だって、ボールが飛んでこないポジション。体力に限っては、今の俺から想像できないほど、至ってマイナス思考だった。
それが、中学生の時、アントニオ猪木さんの本と出会って一変。それまで、まともに本を読んだこともなかった俺が、同じ本を事あるごとに繰り返し、20回以上は読んでるな。あの猪木さんでさえ、力道山道場に入ってすぐは、他のレスラーのようにできなかった。それがくやしくて、猛烈に練習したってくだりは、特にインパクトがあった。「人間、少しずつでも強くなれるんだ!」と、初めて心から信じることができたんだ。
それから俺は、がぜん目覚めたんだよ。体力をつけることにさ。高校時代はラグビー部で身体を鍛えて、卒業前にはプロレスの入門テストをクリアできるレベルに。すごい変わり様だろう?俺にとっては、尊敬できる人と出会えたことで変われた、そう思ってる。
その後は、手が届かないと思っていた猪木さんと同じ世界に入って、話もさせてもらえるようになった。そして今は俺自身が、若いレスラーから追い落としてやろうと思われるような対象になった。
尊敬できる人をつくれとは言わない。すべてをひっくるめて尊敬できるような人と出会うのは簡単じゃないよ。ただし、「自分もあの人に追いつきたい」というターゲットくらいはいたほうがいい。パワーが欲しければな。
















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