「ないものねだり」は幸せになれない
人が聞いたら、うらやましい話だと思うよね。奥さんが高収入で、そのうえ「マスオさん」だから、住宅ローンなんて無縁でしょう。きっと、車もいい車乗ってたりするんでしょ。住宅ローンかかえて、奥さんや子どもを必死に養っている人から考えれば、「いいなあ」って環境。この環境をすばらしいと感じることができれば、楽しい人生だよね。
でも、あなたにとっては決して楽しくない。「立場がない」ということがつらいという。「あるもの」に目を向けず、「ないもの」ばかりが見えてしまう。こういう考え方を変えない限り、決してハッピーにはなれないんです。「見返す」って言葉、使っているでしょ。「負」のエネルギーが大きくなってるんだよね。
明日ユートピアに到着しようと思うな
「年収をアップさせれば立場がよくなる」って考えて、転職を目指すのもとても短絡的。「まだ見ぬユートピア」を永遠に探しつづけるタイプかもしれません。例えば「上司が嫌い」とか不満があって、それを解消しようとして転職する人がいますよね。でも、気に入らない上司がいない会社なんて、絶対ない。もしあったとしても、もともとマイナス要素に目を向けるクセがあるから、「残業が多い」とか「仕事にやりがいがない」とか、結局何かマイナス要素を見つけて、転職を繰り返すようになってしまう。
「負」のエネルギーが多いとき、つまり、自分が負けているときに、一気に流れを変えようと思っても無理なんだよ。僕もAV事業を始めたときに、警察にあれこれ言われたり、つらい時期がありました。反発したいと思ったけど、そこで何を言っても仕方がない。社会的認知の低い状態でしたから、収益を上げ「いい会社」にして、いつか認めさせてやろうと頑張ったんです。
状況を変えたいとき、みんな、明日すぐにユートピアに到着しようとして、安易な方法を選ぼうとする。そうではなく、まずは目標をしっかり決めて、そのために何をしなければならないか考える。一歩一歩、目標に向けて頑張って、「負け」から「勝ち」に流れを変える。今、転職したところで、年収ばかりにとらわれて、いい会社を選ぶ冷静な判断ができないはず。逆に自分が「勝ち」の状態にあるときは、何をやってもうまくいくものです。そんなときこそ、転職にチャレンジするいいタイミングなんだと思います。