どれが最後の仕事かなんて、わからないよ
20 代のうちは何が自分にぴったりなのか、わからなくて当たり前。長続きしないで辞めちゃうのは、飽きっぽいからじゃなくて、その会社がつまんないんだよね。仕事が面白くて、そこそこの給料もらっていたら辞める気にならないでしょ。人間っていい時は動こうとしないものだからさ。
人生ってもともとが不幸なんだって考えておけば、その中にいくらか幸せなことがあれば倍以上に幸福を感じるでしょ。逆に幸せだと思ってると、不幸を大きく感じちゃうからさ。物事には何でもバランスがあって、競馬で当たると帰りの車もぶつかっちゃうとか(笑)。これもバランス。土木関係の仕事なら、体力があるんだろう? 健康一番。健康すぎると他にうまくいかないこともあるわけさ。
僕もすぐに流されちゃって、ずっと人生失敗してきたからね。まあ、芸能界に入ったのも失敗だし、こんだけ年取っちゃったのも失敗だし(笑)。高校受験も大学受験も就職もずーっと失敗してきてるから、少しでもいいことがあると、相当いいと考えるようにしてるんだけどね。そんな僕が答えるのもおこがましいし、国王でもないからさ。ぴったりの仕事なんて、第三者が言えることじゃないから、自分で決めるしかないわけだ。
とりあえずは、ひとつ目標を決めてみればいいんじゃない?
もう10回も転職したんだったら、そのキャラクターのまま突き進んじゃって、50回でも100回でも転職しちゃったらどうかな。下手な鉄砲数打ちゃ当たるってね。そのうち何かはきっとわかるからさ。意外に「あの3回目の仕事は良かったな」とか気づくこともあるかもしれないよ。今は中途半端に食べていけるからよくないってこともあるんじゃないかな。
僕なんかもそうだけど、目標がないと流されちゃうよね。とりあえずは目標を決めればいいんじゃない? 何か資格を取るとか、ある程度お金を貯めるとか、職場で友達を作るとか、なんでもいいからひとつ目標を決めると長続きするんじゃないかな。僕もちょうどあなたの年の頃、とりあえず国家試験か何か取ろうと思ってね。宝石鑑定士になったけど、別に国家試験でもなんでもなかったね。とんだ大間違いしちゃった(笑)。
何か目標をたててやってみる。それでもダメだったら部屋で寝ていればいいし。それで1ヵ月か2ヵ月だらだらして「このままじゃ食えない」って思ったら何か考えるよね。必ず行動を起こすはずだから。