「全員が同じテンションで仕事をしているとは限らない」
私はデスクワークの経験はありませんが、ドラマや映画の仕事をしていて、同じような状況に陥ることはときどきあります。
本番前って、ものすごく集中力を必要とするんです。必死に集中力を高めて、最高の力を出せるような状態に自分を持っていく。でも、残念ながら仕事に対するテンションは、現場にいるスタッフ全員が全員、同じくらい高いとは限らない。ときには照明の準備ができていなかったりなど、俳優たちの演技の問題ではなく、技術的な理由でNGが出ることもあります。すると、それまで高めていた集中力が、一気にダウンしてしまう。私は器用じゃないから、二度と最高の演技はできないんですね。
そんな場合、私はどうするか。多くは何も言わず、2度目、3度目でも最高の演技に近いものができるように、自分を言い聞かせて努力します。でも、ときには「こうしてほしい」「こんな風に注意してほしい」など、スタッフに対して主張することもあるのです。
「こだわり」の差でハッキリ言うかどうか決める
主張するときとしないときの差は、私の仕事に対する「こだわり」の差。自分が人生を賭けて取り組みたい仕事、自分にとって重要な作品であれば、やっぱり「最高中の最高」の状態で臨みたいですよね。でも、常にそんな状態を要求したら、やっぱり仕事は集団で作り上げるものですから、周りが疲れてしまいますし、単なる「ワガママ」ともとられかねません。だから、自分の中で妥協点を見つけているんです。
この方の場合は、どうなんでしょうか? 今取り組んでいる仕事は、ご自身にとって、とても重要な仕事なんでしょうか? それだったら、「どう思われるか」なんてことは気にせず、「私にとって大切な仕事をしているんです。だから、静かにしていただけると嬉しいのですが」と、ハッキリ言うことも大切です。そうでなければ、気にしないこと。「順応すること」もときには大切です。
でも実際には、独り言に本人は気付いていないかも。ときどき返事をしてあげると、独り言を言っていたことに気がついて、少し減るかもしれませんよ(笑)。