ゴールを決めたらプロセスは委ねてみよう
大学時代からイメージしたとおり順調に進んで、MBAまで取得して素晴らしいじゃないですか。30歳までに独立すると決めていたようですが、実現する年齢はあまり気にしないことです。実は僕も、高校時代からイメージトレーニングをして「自分は何でもできる」と思っていた時期があったんですが、イメージしていた年齢より、格闘家としてのデビューは1年遅れたし、引退は3年遅れましたからね。
僕は、高校2年でプロの格闘家を志し、誰もやっていないことをしようとイメージしたんです。タトゥーを入れ、派手な入場パフォーマンスをして、トリッキーな動きで闘おうって。それと同時に、芸能活動をして本も書こうと決めていました。そうやって格闘家になった自分をイメージしていると、細胞が騒ぎ出してくるかのように体が熱くなるんですよ。そういう感覚をつかんで毎日トレーニングをしていると、ゴールさえ決めておけば、途中のプロセスは考えずに委ねたほうがうまく進んだり、10年かかると思っていたことが、5年でできたりするものです。
あなたも、一度「独立する」と決め、あとは社員を雇ってイキイキと満たされてるような独立後の具体的なイメージができていればいいんです。どんなイメージトレーニングをしてきたのかわかりませんが、もし、どうしてもうまくいかないようだったら、これまでのやり方を見直す必要もあるかもしれませんね。ただ、どんなやり方にしても、この世界をつくりあげる大きな構成要素は、量子物理学でも証明されているように人間の意識ですから、一日に何万回と意識の中で考えていることがエネルギーになっていることは間違いありません。幸せをイメージできると、そのバイブレーションが同じ幸せのバイブレーションを引き寄せるということです。
ピンチが何を意味しているのか考える
とはいうものの、イメージができていながら、独立資金がなくなったり、資格が活かせなかったりと、必ず壁にはぶつかるもの。そうやって、いろんな摩擦があるからこそエネルギーが大きくなるんですよ。空気抵抗があるから飛行機が飛べるように。摩擦がなければ力だって出てこないし、疑問を持たずに通り過ぎてしまいますよね。だから、明確なゴールが描けているのなら、「独立が遠のくばかり」なんてネガティブな言葉を使わず、「このピンチは何を意味しているのか」とポジティブに捉えてみることです。どんな出来事も自分がどうフォーカスするか、その姿勢が大事なんですから。
僕があなたと同じように「イメージ通りだったのに、なぜ?」という状況に陥ったのは、現役中にアメリカで交通事故に遭って、半年くらい格闘界を干されたとき。腐りそうな気分になったんですね。復帰後、アメリカでの試合中に顔の骨を折って判定負けをくらったときも、痛み止めが効かないまま帰国することになり、死ぬんじゃないかと思いました。その経験から、いくら自分のことだけイメージしても、それは小手先のテクニックで、失敗やピンチをとおし、あらゆるものへの愛や感謝の気持ちに深い部分で気づかなくてはうまくいかないということがわかったんですね。あの失敗があるからこそ今があると思えます。最大のピンチが訪れたときこそ最大のチャンス。ピンチを成長の糧にすることです。