叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「バイト出身は出世できない?」

現職はバイトからのスタート。最初のうちこそ憧れの業界で働けることに喜びを感じていましたが、この頃、同世代の新卒入社組が上役につくことも多く、どうせなら私もと、出世したい欲が出てきました。いまの職場では、バイトからデスクや編集長まで上り詰めた例はないらしく、思い切って職場を変えるのもアリかなあ、なんて思っていますが、他の職場でもバイト出身の経歴で出世は難しいでしょうか?(編集・28歳)

嫌なら辞めちゃえ。
今週の叱り役

作家
重松清

information
『最後の言葉 戦場に残された二十四万字の残された手紙』(講談社)
妻に、子供に、恋人に宛てた愛の手記。60年の時を越えて、日本軍将兵の膨大な言葉が発見された。NHKハイビジョンスペシャル『最後の言葉の作家・重松清が見つめた戦争』で話題を呼んだ、感動ドキュメンタリー。
1963年、岡山県生まれ。早稲田大学教育学部を卒業後、出版社を経てフリーライターとして独立。あらゆるジャンルの雑誌で膨大な数の原稿を執筆。91年より作家活動も始め、99年『ナイフ』で坪田穣治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞を受賞。01年『ビタミンF』で直木賞を受賞し、作家の地位を不動のものに。ルポルタージュには『隣人』『ニッポンの課長』などがある。

バイトと新卒社員の違いを知る

明らかに「バイトでは出世できない会社だ」という現実と、あなたに「出世したい欲がある」というのなら、もう答えははっきりしてるじゃない。28歳で編集のスキルがあるわけだし、転職するのは大いにアリだと思うよ。

ただ、他の職場ではどうかってことを質問してくるのは頂けないな。だって、気になることの情報を集めたり調べたりすることこそ編集者の仕事だよね。編集職で上役を目指してる人が、こんなことを自分で調べずに聞いてくるのは、ちょっと心配だぞ。

あなたの会社では正社員組とバイト組とに分かれてるようだけど、なぜバイトが出世しないかはわかるかな?会社がバイトを雇うのは、格好良く言えば「即戦力」を求めて、「この仕事の対価としてこれだけ支払う」という発想。つまり、悪い言葉で表現すれば「使い捨て」ってことも言える。それに対して、新卒社員は採用から研修に至るまで非常にコストをかける。長い目で見て育て、数年後にペイするという捉え方で採用してるからなんだ。

そう考えると、今のような会社でずっとバイトのままでいることは、あなたの志向と合わないかもしれない。一度、他社でも新入社員を雇い入れるためにどれだけ人的、経済的なコストをかけているかを調べてみるといいよ。そうすれば、バイトを雇う時と力の入れ方が違うことがよくわかるはずだから。

中途半端なスキルを捨てる謙虚さも必要

編集長クラスになる人がどんなタイプかって言うと、僕から見て共通してるのは、人とうまくやっていくことが得意なこと。そして、特集でインタビューを予定してた有名人に断られたり、屋外の撮影が雨で中止になった時でも、代案として第一希望のラインに匹敵するいいアイデアをたくさん出すことができて、電話一本でお願いできる人やフォローするセンス、能力を持っていること。「第二志望の得意な人」と僕は呼んでるんだけどね。そういう人が向いてると感じるよ。

実はつい先日、あなたと同じ28歳の女性編集者を、怒って泣かせたばかりなんだけどさ。僕も20歳からこの仕事を続けてきて、いろいろと見えてくることもあるから、若い編集者をいっぱい叱ってるんだよ(笑)。28歳って微妙な年齢かもしれない。もしかしたら一度プライドを捨てないとダメかも。

つまり、思い込みの中途半端なスキルを捨てて、一からやってみる謙虚さも必要じゃないかってことを言いたいんだ。確かにスキルは必要だけど、プライドはいらないし、知ったふり、わかったふりもやめた方がいい。たとえ同じ出版社でも、雑誌によって使う用語も違うし、それぞれの文化やしきたりがあるんだよね。あなたも転職しようと思うなら、「今まではこうでしたから」ではいけないんだ。そういう部分は武器にしないほうがいい。

それから、パソコン雑誌だったら同じパソコン雑誌に移るとか、今までのスキルや経験、人脈を活かすことも考えたらいいだろうね。流動化が激しいジャンルの雑誌だと、スタッフは若いし、経験もないのにある程度年齢が行ってから初めてトライするのは厳しくなる。流動的でない、たとえば百科事典を編集したいというのなら、まだ転職の時期を待ってもいいと思うけどさ。そういうことも考慮しないとね。

もうひとつ、自分のいる業界のすき間をよく見たほうがいい。出版社やマスコミ関係は人材の流動が激しいから、いくらでもすき間があるんだ。そのかわり、自分より年下の編集長なんかもいる。すき間があるってことは、下から上がっていくのには好都合だけど、上がったからと言って安心できない。落ちていく可能性だって高いんだよ。

EDIT
マインドシェア
WRITING
羽塚順子
PHOTO
刑部友康

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