ひるむことも人と比べる必要もないですよ!
私もこう見えて人見知りなので、気持ちはよくわかります。初対面の人と話すのも苦手だし、芸能界って華やかなパーティなんかがよくあるんだけど、知らない人がたくさん集まるから私はほとんど参加しないんですよ。仕事のときになると、そういう普段の自分からスイッチが切り替わるみたいで、声のトーンが高くなります(笑)。
スイッチが入った私は、メジャーリーガーのバリー・ボンズに突撃取材をしたりと、体当たりで挑みます。でもそれは、野球大好きな私が、メジャーリーガーの選手のことを「もっと知りたい、話してみたい」って思っているから。なので、英語はあまり得意じゃないんだけど、通訳なしで「ハーイ!私、あなたの話が聞きたいの」って直接行くんです。通訳の人が間に入って「今からSHEILAさんが取材をします」ってあいさつしてからだと相手もかまえちゃうでしょ。それより、つたない英語でも私自身の言葉で一生懸命になって話すほうが、相手だってちゃんと聴き取ろうとしてくれるし、こちらの気持ちもリアルに伝わると思うから。
あなたの営業も同じじゃないかな。初対面の人と話せるようになりたいと一歩を踏み出しているのだから、もう人見知りじゃないんですよ。その次は、営業先の相手にあなたが興味を持って一生懸命に話を聞いてあげることで、相手にもあなたに興味を持ってもらう。あとは売りたい商品について愛情を込めて話してみる。それだけでいいと思うんです。あなたより経験を積んでいる先輩のトークが上手いのはあたりまえ。ひるむことも比べることも全然必要ありませんよ。
無理な体当たりはへこむだけだからね!
でも体当たりすればいいって言う上司のアドバイスもそこまで聞かなくていいと思うの。だって、体当たりでがむしゃらに売るより、“癒しキャラ”だとか“かわいがられキャラ”で、たくさん売っちゃう営業の人もいるんだから。みんなで元気な体当たり営業をしようとしても、できない人は空回りしてへこんじゃいます。私もバラエティ番組に出演した最初のころ、ベテラン芸人さんたちのトーク回しの上手さにひるんじゃったんです。でも、そこで無理に付いていこうと体当たりしても、トークの流れがつかめていないから空回りしちゃって「この雰囲気は何?全然ダメだ、私」って、かなりへこむわけです(笑)。
だから、「体当たりしなくちゃ」なんて思うのはやめて、まずはベテランの先輩と一緒に営業するとき、よく観察してみることじゃないかな。「入口からは必ずこうやって入って行くんだな」とか「こういう世間話から始めるんだな」「話し終わった後の笑顔がいいな」とか、そういう先輩のいいところのポイントを見つけて盗む。自分らしさは見失わずに、でもいいと思うところは盗んで自分のものにするといいと思います!
そうやって、一緒に営業に行ってくれる先輩やアドバイスしてくれる上司がいるから、いいなと思いますよ。私は外資系企業に4年近く勤めていましたが、もう最初の1年は怒濤の日々。前の人からの引き継ぎがほとんどないまま、経理兼秘書の私だけ女性で、あとは男性。自分で仕事を覚えていくしかなくて、海外のメーカーと日本のクライアントとに挟まれながら、深夜まで残業していました。おかげですごく鍛えられて、ブラインドタッチは1週間でできるようになって、WindowsのオフィスもMacの使い方も貿易の流れもみんな覚えたんだけどね。努力が嫌いな私でさえ、必要に迫られたらできるようになるんだもん。あなたも一人で営業に出るようになったらきっとできる。何より自分らしさは絶対大切にしてね。