給料泥棒になるくらいのゆとりを持とう
君にはまず、「辞めなくていいんだよ」と言ってあげたい。なぜなら、会社には君を育てる義務があるのだから。仕事ができなくても会社は解雇できないのだから、遊んで舌を出しながら給料泥棒になってごらんなさい。開拓営業は外回りが多いでしょう。1時間喫茶店に居て、「やったぞ、1時間給料得した」くらいのゆとりを持って次の仕事を探せばいい。それくらいのゆとりがあれば、開拓営業も成功してるかもしれないけどね。今の君にはそのゆとりがないんです。「やめなきゃ」ってせっぱ詰まった暗い雰囲気のままで仕事を探そうとしても、絶対にいい仕事は見つからないよ。だから、給料をもらいながら、アフターファイブにいろんな人と会っていろんな体験をしてごらん。そこから違う明日が見えてきたら、乗り換えればいいんだから。出会いは人ばかりじゃなく、物でも自然でも外に向かっていくなら何でもいいんです。今は意識が外に向いていないから、どんどんじり貧に自分を潰しているんだよ。
ゆとりも趣味もないから、こんな気持ちになってしまうのでしょう。今はすべて「ダメだよ」の社会ですよね。だから僕の「いいんだよ」という言葉が響くのでしょう。「僕にも言ってください、私にも言ってください」ってたくさんの反響が来ます。社会に求められている言葉なのだと思います。僕は夜回りばかりしてると思われてるようだけど、多趣味ですよ(笑)。登山やクルマ、ギター、ジャズバンドのサックスもやってる。始めると中途半端がイヤで止まらなくなるんです。そんな風にいろんなことをやってみるのも大事だし、「これだ」と思ったことは「だらだら」やってみるといい。その中でも学んでいくことはできるし、人を見る目も養える。社会では「一を見て十を知る人」が優秀だと言うけれど、一を見てヨミ間違えることだってあるから危険なんです。かたや「十を見て一しかわからない人」もいる。一から知った十は架空でも、十の中から学んだ一を十回繰り返して十にしたなら、それは体験から生まれている。だから「だらだら」であっても強いんですよ。
いじめられたら周囲に優しさを配ってみる
バブルがはじけたとは言え、日本は豊かな国。その中でだらだらとゆとりを持って磨けばいい。自分に才能がないと感じても、時間と身体はあるでしょ。24時間、365日働いているわけじゃなく、サラリーマンなら週に1〜2日は休みがあるから、そこでいろんなことができる。アフターファイブと休日をうまく使って、次につながるもの、生き抜けるものを見つけていくんです。生きていくには何かを売らなきゃいけないわけで、頭脳や技術であったり、肉体労働として売る人もいる。君のような人は、親の紹介や縁故で就職すると、それが負い目になって苦しくなるから、自分の力で売れるもののある世界に飛び込んでみることです。暗くせずにニコニコしながらね。
恐らく君は人間関係が下手なんでしょう。でもね、僕がいじめにあった生徒に言うのは「周りに優しさを配ってごらん」ってこと。その優しさがプラスに働いて雰囲気を変えてくれるんですよ。毎朝みんなの机を拭くのだっていい。営業成績がたとえ悪くても、「今日はダメでしたが、明日は頑張ります! でも、どこが悪いか教えてもらえますか」って明るく聞いてもいい。そのことで気持ちが前向きになっていく。会社では営業だけではない、何か“前向きにできること”をやってみるんだよ。