親しい担当者のいる会社に行きましょう
答えは一つです。取引先の親しい担当者の誘いをありがたく受けて、そこへ転職すべきでしょう。取引先へ移ることで、今の会社に裏切ったと思われるというのは、あなたが勝手にそう思い込んでいるだけで、そんな些細なことにとらわれる必要はありません。万が一、あなたが心配するように悪く言われたとしても、元の従業員の悪口を言いふらす会社なんてろくな会社ではないし、そんな話を聞かされる取引先だって嫌な気分になりますよね。かえってあなたに「あんな会社でよく我慢していたね、大変だったでしょう」と、同情するんじゃないでしょうか。
しかもあなたは、ずっと「家族経営の保守的な会社」に不満を募らせていたのですよね。そんな体質の会社は、将来の先行きだって明るいはずがない。もし、その業界内で幅を利かせているような会社だったとしても、あなたは別のマーケットを新しく開拓していくくらいの気概を持って、そのことを転職する会社にアピールすべきだと思いますよ。
「狭い業界内」だという話にこだわらず、もっと視野を大きく持ちましょう。自分の仕事というものを、もっと大きな視点から見るようにしなければ、大きな仕事もできないし、あなた自身が成長できませんよ。今のあなたは、半径5m程度でしか物事を捉えていないんです。半径300kmくらいのでかい視点で、そこから自分のいる業界を俯瞰するくらいの気持ちでやってみること。それができたら、今あなたの気にしていることが、いかに小さいかわかると思います。
転職とは自分がどのリスクを取るか決めること
あなたを誘ってくれる取引先とは、すでに人間関係が構築できていて、担当者との信頼関係もある。その上で積極的に誘ってもらえるなんて、そうそうあることではないと思います。人を一人雇うというのは、会社にとっても経営に関わることだから簡単にはできません。「俺、こんないい条件で誘われたよ」くらいに自分をもっと高く評価して、プラスに考えてみましょう。非常にあなたにとって有利な条件が揃っていると思うんです。もちろんリスクはありますが、転職というのは自分がどのリスクを取るかを決めることですからね。
もし、内定をもらったという会社に転職したとしても、新しい環境で一からコミュニティをつくりあげるのだから、そこでまた大きなエネルギーを消耗します。そこまでしても、あなたにとって満足いく会社かどうかはわかりません。やっとこれからというころに「やっぱり違う」と思うかもしれない。それなら、縁がある取引先に行ったほうがいい。僕も依頼を受けた仕事は、縁があるのだと判断して、選ばず順番に受けることに決めています。漫画の場合は、一度連載を引き受けると、連載が終わるまでずっと仕事が継続することになるけどね。縁は大切にしましょう。