叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「異端児扱いをどうにかしたい」

自分は思ったことを言わないと気がすまない性格で、たびたび職場の人とぶつかってしまい、そのために3回転職をしています。先日もプロジェクトチームのリーダーと口論になり、「おまえがいなければチームはうまくいく。おまえだけ異端児だ」と言われ、もう限界だと思ってしまいました。異端児はどこへ行ってもうまくやれないのでしょうか。(ゲーム会社・制作 30歳 男性)

原点を忘れず器も大きく
今週の叱り役

柔道家
古賀稔彦

1967年、佐賀県生まれ。日本体育大学卒業。大学時代より “平成の三四郎”の異名をとり、89・91年世界選手権連覇。92年バルセロナ五輪では大会直前に大ケガを負いながらも金メダル獲得。96年アトランタ五輪で銀メダル獲得。2000年に現役引退後は全日本女子柔道チーム強化コーチを務めるかたわら、町道場「古賀塾」も開塾。

意見を聞いてほしければ、まず相手の話を聞く

まず、「異端児だ」と決めつけていることが、いつも自分を孤立させてしまうひとつの原因だと思います。もちろん、自分の意見や考え方をしっかり持ってていい。でも、チームの仲間と仕事をしていくわけですから、そこで孤立しているという考え方をなくさなければ、うまくはいきません。

もうひとつの原因は、自分の意見ばかりを言いたい、通したいと、最初から戦闘モードで入ってしまっていることです。だから、意見が通らない相手に怒りをぶつけてしまったり、周りからも「人の話を聞かないやつだ」と思われてしまう。自分の意見を聞いてほしいのであれば、まずは相手の話を聞いて、受け入れるという“心の器”を持つことが必要です。小さな器は水がすぐ溢れてしまうけど、意識して器を大きくしようとすれば、多くを受け入れることができるようになる。

誰でも自分の意見を聞いてもらえると、その人の意見も聞こうとするものです。そこから信頼関係ができて、お互いを理解し合い、助け合って、チームメートとしてひとつの夢に向かって歩いていくことができる。しかも、人の意見を聞くことで、今持ってる自分の意見や考えよりも、必ずもっといいアイディアって出てくるものです。

意見をひとつ吸収すれば、一歩夢に近づく

かつて僕も、メダルを期待されて結果を出せなかったソウルオリンピックの後、非難の声に耳をふさいで、「もう何も聞きたくない」と、孤立してしまったことがあるんですね。でも、「俺は柔道でどうなりたかったのか」って原点に返って考えてみると、「チャンピオンになりたくて続けてきたんだ」ということを思い出した。じゃあ、今の自分がチャンピオンになるにはどうすればいいかと考えると、嫌なこともみんな含めて、人が言うことをまずは聞いてみようと、聞く耳を持つことができるようになったんです。

それまでは10言われたうち、ひとつでも嫌なことがあったら、すべて聞かなくなるという態度だったけど、「自分がチャンピオンになるためには、聞かなきゃならない状況を乗り越える必要があるんだ」と気持ちを切り替えて、周囲の人たちからの意見を聞くようになりました。すると10言われたうち、ひとつやふたつは「なるほど」と思うことがあるんですね。そのひとつを自分の中に吸収していくことによって、確実に一歩自分の夢に近づいていくことになるわけです。

あなたにも、きっとこの仕事を始めた原点があったはずです。その原点である初心を思い出して、自分の心の器を大きく持ち、人の意見を聞いて、自分の意見とミックスさせて、よりよい方向に進めてみることです。

EDIT
マインドシェア
WRITING
羽塚順子
PHOTO
加納拓也

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