騒ぎ立てては逆効果
自分のことを悪く言う人が職場にいるような場合、誰でもそれは大きなストレスになるものです。あなたも、きっと先輩の言動ひとつひとつに対して敏感になり、自分を敵視しているように見えたり、後輩の言うことが頭の中でいっぱいになったりしてしまうのでしょう。感情的にかき立てられ、相当なストレスになっているはず。胃腸炎になってしまったほどですものね。
とりあえずは、あまり騒ぎ立てないことが大切です。こういう状況になると、気持ちが動揺して、教えてくれた後輩に、つい先輩の悪口を言ってしまいがち。でも、それを聞いた後輩が今度は先輩にあなたのことを「あんなことを言ってましたよ」と報告してしまう可能性もあるわけです。そうすると、ますます事態は混乱してしまう。
まして敵と味方のように「先輩がどう言ってるか探ってきて」なんてことはしないほうがいい。あなたが間接的に騒ぎ立てても、尾ひれがついて伝わるばかりで、後輩がうまく取りなしてくれるとは考えられません。このような間接的コミュニケーションは、いい方向にはいかないものです。
客観的に事の信ぴょう性を見てみる
そんな時こそ大切なのが、事態を客観視して状況を正しく把握すること。難しいとは思うけれど、後輩の言葉を真に受けるのではなく、先輩は本当に自分を敵視しているのか、それともただ納期に追われてそうなっているのか、といったことを見極めましょう。
今まで「信頼できるいい先輩」だった人が、あなたの中で「饒舌でイヤな先輩」に歪んでしまっているということは、すでに事態を客観視できなくなっています。どうも後輩に言われたことをまともに受け止め、「実力をつけなくちゃ」と、かなり真剣に思いつめているようだけど、まずは、事の信ぴょう性を冷静に見てみましょう。
もし職場の中に、後輩ではなく、第三者的な立場で事態を広い視野で客観視できる人がいるのなら、その人に相談できるといいですね。その場合も、感情的になって「先輩がこんなひどいことを言うんです」と訴えるのではなく、「こういった噂を耳にはさんだのですが、事実としてあると思いますか?」と、事実確認の態度で臨むことです。
それから、カウンセラーなどの専門家をうまく利用して、話を聞いてもらううち、だんだん冷静になれることもあるんですよ。カウンセリングに行きにくければ、職場以外の人に聞いてもらう手もありますが、神経科受診やカウンセリングは、今や若い人にとってもポピュラーになってきていて、決して特別な事ではありません。もちろん、その人がおかしいわけでもない。誰が正しいとか間違ってるという話は抜きに、ストレスにさらされ、心身が弱っていることに対するケアが必要な時はあります。だって、あなた一人が寝込んでしまうなんて、あまりに損じゃありませんか。