叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「会社の雰囲気に馴染めません…」

転職して2カ月、苦労してようやく採用された会社で頑張ろうと意気込んでいましたが、仕事にも、会社の人間関係、雰囲気にもなかなか馴染めません。会社では嫌な情報だけまともに受け止めてしまい、それで仕事にも興味がもてません。まだ2カ月、自分で決めて転職した会社で、誰かに相談するわけにもいかず悩んでいます。(機械・29歳)

“期待の新人”の幻想を捨てよ!
今週の叱り役

精神科医
香山リカ

information
「『心とおなか』の相談室」
(NHK出版・生活人新書)

食べる、作る、片付ける。身近すぎて誰もが見過ごしていた「食」にまつわる心理について、Q&Aでやさしく答える「相談室」と「解説」編とで丁寧に分析。幸福な食卓の方程式が見えてくる。
1960年、北海道札幌市生まれ。東京医科大学卒。専門は精神病理学。臨床経験を活かして現代人の“心の病”について洞察を続けている。神戸芸術工科大学視覚情報デザイン学科助教授。近著に「『心とおなか』の相談室」(NHK出版・生活人新書)、「『こころの時代』解体新書2」(創出版)、「サヨナラ、あきらめられない症候群」(大和書房)他多数。

自分と会社はイコールでない

仕事イコール人生のすべてではないですよね。会社は、自分を丸ごと出したり、それを受け止めてもらったりする場ではないはずです。

仕事が人生とイコールというのは、たとえばミュージカルスターや大リーガーなど、ごくごく一部の人のことであって、ほとんどの人は、まず“食べるために働く”ことから始まると思うんです。そして、その中で自分なりに工夫したり、人と接していくうちに少しずつ個性も生かされてくるものなのではないでしょうか。

あなたも、仕事の時間と切り分けてアフターファイブを楽しむとか、趣味をつくるといいと思いますよ。まずは、自分と会社とがイコールでないことを認識しましょう。

皆に受け入れられると思うのは甘え

今のあなたには、自分らしくやりたいとか、周囲の人と解り合いたいという真面目な思い入れがあって、それがうまくいかないから、すべてがネガティブに映ってしまう。

大学生たちと話していても、「本当の自分を出さなければならない」と思い込みすぎている人が多い。だけど、仕事なんだから、割り切って支障のない程度にうまくやっておくというのもアリなんです。

私は精神科医なのですが、実は私生活ではフレンドリーに話すのが得意ではありません。でも、白衣を着ると医者という仕事をする自分に切り替わりますよ。それは悪いことではないですよね。

それから、今の職場に対して、あなたの中に「自分を大事にしてくれてもいいのに」とか、「自分が馴染めるようにやってくれてもいいのに」って甘えもあるのじゃないかしら。転職すれば、みんなが温かく受け入れてくれると思っていたようだけど、それはあなたの勘違い。だって、誰でも松井選手のように、大いに期待されて入ったゴールデンボーイというわけではないですものね。

会社で過ごす時間が多ければ、確かに仕事そのものがどうしても合わないとか、みんなに拒絶されるというのは困るけど、仕事なのだから、すべてがぴったりくるなんてことは難しい。“自分らしく”の幻想は捨てて、いい意味で仕事は仕事としてもっと割り切ってしまえばいいと思うんですよ。転職してまだ2カ月なのだったら、仕事のことを一通り覚えるのが精一杯の段階でしょう。

EDIT
マインドシェア
WRITING
羽塚順子
PHOTO
加納拓也

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