叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「転職しようか続けようか迷っています…」

残業や徹夜続きでもう体も心もボロボロです。転職しようとも考えるのですが、今の職場は半年間も転職活動をしてようやく入れた会社なので、できれば辞めたくはないのです。辞めてしまって、またお金のない生活に戻るのが怖いのです。辞める、辞めない、どちらに進んでも苦しいのは明白です。どうしたらいいのでしょう。自分では選べません。(出版・28歳)

カン違いしてるひまないよ!
今週の叱り役

女優
加賀まりこ

東京都生まれ。62年に松竹『涙を、獅子のたて髪に』で映画に初出演。その後、数々のドラマ、映画に出演。代表作に『乾いた花』(63年)、『月曜日のユカ』(64年)、『泥の河』(81年)、『きらきらひかる』(92年)など。

選べないのは、自分の判断基準がないから

あなたの悩みは何? 辞めない理由を私に探してほしいように見えるわね。

「自分では選べない」なんて、じゃあ誰かに選んでもらうのかしら。私の判断基準は、「いい」か「悪い」ではなく、「好き」か「嫌い」か。誰かに対して優等生であろうとは思いません。私がそうしたいのか、したくないのか明確だから、迷うことなんてないわ。

周りの若い人を見ていると、自分の判断基準がはっきりしていない人が多いのに驚くこともあるわね。自分で人生を選んでこなかったの? 自分で選んだ結果、いい方向に行くことも悪い方向に行くこともある。たとえ傷ついても自分の責任で、なんとかしようと努力する。その繰り返しで、自分の判断基準がわかるようになるんじゃないの。

もし私が、仕事が忙しすぎて体力的にキツイと思うことがあったら、そのときは「トレーニングが足りない」と自ら反省するだけ。今の状況を作ったのは誰のせいでもない、自分のせいということを覚えておいて。

花吹雪はいつまでも吹いていない

私から見ると、あなたはカン違いしているようにしか思えない。つらいことから逃げて、自分の思い通りにしようとしたって、そうはいかないわよ。

若いうちは、周りもちやほやしてくれることも多いし、何でもうまく行きそうな気がするんでしょう。でも、花吹雪はいつまでも吹いてくれない。あっという間に通り過ぎてしまうんだから、努力して、魅力的でありつづけなければ、見向きもされなくなってしまうのよ。

カッコ悪いことでも、キツイ仕事でも、継続すればそれが力になる。何より、目の前の仕事を愛せなければ、何も達成できるわけがないじゃない。カン違いして、メソメソ悩んでいるヒマなんてないのよ。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
ITコア
PHOTO
岡本寛

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