迷うくらいなら、本物じゃない
簡単なことなんやけどなあ。「頑張り続けたければ続ける」「続けたくなければ辞める」。それがどうして決められんのだろうか。
コーヒーを飲みたいと思ったら、喫茶店に行って飲むやろ。そのとき「豆が今ありません」と言われたら、どうしても飲みたければ他の喫茶店を探すだろうし、それほどでもなければ「ま、いいか」と思って諦める。これと一緒や。
諦めようかどうしようか迷う程度のことであれば、多分、自分が思っているほどミュージシャンとして生きていくことに情熱を持っていないんやと思う。
よく「昔、ミュージシャンを目指していたんだけど、食えずに止めました」という人がいる。こういう人は、実は本気でミュージシャンでやっていこうなんて思っていなかったはず。金を言い訳にしているだけで、それほど音楽に執着していなかったんや。
やりたいという心を持ち続ければその通りになる
この悩みは、18歳ならわかるけど、25歳だったら幼いな。本当に情熱があれば、25歳という年齢なら一生懸命練習して、なんとか音楽業界で生きる道を模索している盛りのころ。業界で頑張っているヤツらは、CDが出せない、金がまわらない、仲間が見つからない……そんな状況でも、腹くくって必死でやってる。
もともと、夢を持ち続けるということと、「金」「親の手前」「将来の安定」なんてものと天秤にかけるものやない。そんなことで悩むんなら、本物じゃないし、人生に「安定」を求めるとすれば、ミュージシャンという仕事も理解できていないんちゃう?
100人に1人、芽が出てビッグになれるかどうかという業界。みんな我こそその1人になろうとひたすら頑張る。ヤワな気持ちだったら、その中を勝ち抜けるわけがない。
人は、やりたいという心を持ちつづければ、その通りになる。執着が持続すれば、自分の生きたい通りの人生を過ごせる。「将来」とか「親」とか、いろいろ言い訳を捨てて、自分が頑張り続けたいのか、もう一度考えるといいと思う。