後輩の失敗を一度はかぶってみる
「習うより慣れろ」の考えは僕も大賛成です。だけどね、昔の徒弟制度のように、何も教えず「技を盗め」と言われても、マニュアルで育った世代の若い人たちにとっては「できるわけがない」となってしまうのでしょう。こういう人たちは、携帯でもパソコンでも、マニュアルを読めばすぐ操作できるようになるタイプだよね。与えられたことはできるんですよ。
ならば、まずは教えてあげようじゃないか。そして、「オレを信じてやってみろ」「失敗したらオレがかぶってやるから大丈夫」ぐらいのことを言って、あなたがリーダーシップを取る。そして、一度くらいは失敗をかぶるんです。後輩だって、自分のせいで先輩にとばっちりがいったら、「申し訳ないことをした」と思うでしょう。そこから信頼関係も生まれてくるし、後輩のモチベーションだって上がってくるはずです。
モチベーションを上げる技も必要
上司になったら、後輩や部下が挑戦しようとするモチベーションづくりが重要になってきます。たとえ百も承知のことを部下に言われたとしても「ほお、そうだったのか、初めて知ったよ」なんて言えるくらいのテクニックだって大切。
後輩は「失敗したら査定に響く」なんて、スケールの小さいことを言ってるけど、もしかしたら、あなただって「後輩をマネジメントできずに査定に響かないか」とか、「部下に嫌われるのがコワイ」なんて、同様にスケールの小さいことを考えてはいないだろうか。
失敗を恐れていては、創造的な仕事はできない。会社にとっての大きな利益も生まれてはこない。何事も挑戦することが大事なんです。もしも僕が上司だったら、挑戦することをいちばん高く評価したい。クリエイティブなことは、仮説を立てては失敗を繰り返していくという作業の中からしか、生まれてこないもの。もっとスケールを大きくいこうよ。