叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「配属の希望を聞き入れてくれません…」

入社して7年になります。もともと商品開発がやりたくて入社したのですが、相変わらず店長として現場に立たされています。何度も商品開発がやりたいと願い出ているのですが、上司からは「もっと現場を知っていないと通用しない」の一点張り。この会社ではもうチャンスがないと考え、見切ってしまったほうがよいのでしょうか。(サービス業・30歳)

自己宣伝を大切に
今週の叱り役

漫画家
弘兼憲史

information
『取締役島耕作4』
(モーニングKC・講談社発行)

サラリーマンのバイブルとして絶大な支持を受けた課長シリーズから、部長、取締役となった「取締役島耕作」シリーズの第4弾。今回は中国市場に挑む島耕作の奮闘を描く。
1947年、山口県岩国市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、松下電器産業に入社。3年で退社した翌年、小学館ビッグコミック賞で佳作入選。「風薫る」でデビュー。 83年よりスタートした「課長島耕作」が大ヒットとなり93年まで連載。代表作は「人間交差点」など。「黄昏流星群」(ビッグコミックオリジナル)ほか連載中。

やりたいことは形にしてアピールする

言葉で「やりたい」と言うだけではなく、実際に自分で商品開発をしてみればいい。お客さんから要望があったものや、「これなら売れるだろう」とあなたが思う商品についての企画書を書いてみるんですよ。もちろん、店長としての仕事もちゃんとしながら、休みの日を利用して。そして、その企画書を持って、上司に話をしてみる。もし、直属の上司が取り合ってくれなかったら、もっと上の上司の元に直訴に行く。たとえ仕事ができて、いいアイデアを持っていたとしても、自分を上手くアピールできなければ、やりたい仕事も出世もできませんよ。会社とはそういう所です。

同期の900人から2人に選ばれた理由

僕が松下電器産業という会社に新卒で入社した時、同期が900人いたんです。広告宣伝をする部署を希望していたけれど、そこはいちばん人気のある部署。配属が決まる半年後までの研修期間、いかに自己PRできるかが勝負だと思ってね、知恵を絞りましたよ。

まず、自分は漫画が描けるとか、こんなことができると会社の人たちに言葉でアピールしたけれど、それだけではインパクトがなさそうだった。そこで、社員寮のビアパーティーがあると知って、僕はその宣伝用に巨大なマリリン・モンローのポスターをつくったんです。通勤電車からもよく見える寮の壁面につけたら、案の定「あれは誰がつくったんだ?」と社内で評判になり、当然、僕のことも話題になった。

それだけじゃない。販売店研修といって、系列店での実習に行ったときのこと。通常、研修生は配送や販売・修理をさせられるのだけど、僕は「ポップが得意なんです」と言って、プライスカードを1枚書かせてもらった。それを店長が見て「上手いじゃないか、全部書いてくれ」と言ってくれた。ついにはキャンペーン用の立て看板やのぼりの文字まで書かせてもらったんです。営業所の地区担当の人が店に来てそれを見たとき、すべて研修生が書いたと知って驚いていた。

僕はそんなふうにして、あれこれと自己宣伝をする工夫をしました。それが、どう人事に伝わったかはわからないけれど、新人900人中、2人だけ配属になった希望部署に行くことができた。そこまでして、たった3年で辞めてしまったけれどね(笑)。常にアピールする機会をうかがって自分で動いていかないと、チャンスは巡ってきませんよ。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
ITコア
PHOTO
岡本寛

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