大事なことは会社の規模の大小ではない
成長するために転職を考えているようだけど、「会社が成長させてくれるもの」と思っているなら、随分と依存度が高いという気がします。このまま会社の規模の大小を転職先の判断基準にしようとしていると、転職を繰り返すほどチャンスを失い、仕事をする上で最も必要なスキルや人に信頼されることなど、何も獲得できないまま過ぎていってしまうのではないかな。
確かに大きい会社だと、部分的な仕事しか任されないというのはその通り。でも、仕事を任されるようになったあかつきには、規模の大きな仕事ができるというメリットがありますよね。逆に、小さい会社は何でもやれるけれど、自分の仕事の社会的影響が小さいままだと思う。主体的に仕事をしていく中で、今の職場で得られないチャンスの場を求めているならわかりますが、あなたは成長したいと言いながら、目先の明後日のことを気にしてるように見えます。
つまり、大事にしていることのウエイトづけが、会社の規模を見るというのでは、ずれているんです。だから、この質問をする前に、自分が成長しようと思うなら“個の独立”が先。自分がどうあるべきか、それに対して自分は今どのレベルなのかと、自分自身を眺めることを、まずおやりになった方がいい。自分が主体的にどう成長していこうとしているかを見つめ、それがかなう会社かという視点で探さなければ、何の正解にも近づけないと思います。
自力で山を登っていろんな目に遭おう
「自分を見つめてみよう」と言われても、10代の頃からちゃんと考える機会がないままで来たから、こうやって自分の満足や幸せも人がくれるものだと勘違いしてしまうのです。学生の時は、与えられたことを上手くこなすことばかり学んできた。だから、自分が努力して何かを得るのではなく、幸せは誰かがくれるもの、運が良ければ転がり込んでくるもの、もしくは、お金さえ儲ければ幸せも買えるものだと思うようになってしまう。それが正しいか間違っているかも考えない。そのこと自体が不幸なことなんです。
もし、あなたが毎日同じような時間の過ごし方をして、その中で「何かいいことないかな」なんて夢のようなことを考えているなら、何も変わりません。今の職場で、自分なりに日常の中から工夫してみたり、迷ったり、困ったり、がっかりしたりしながら、少しずつ成長していくしかないのです。そういった中で、いろんな状況に遭遇してみることです。
たとえば、山道を登っていくと、どっちに行けばいいか迷う分岐点にぶつかる。険しい登り道を避けて楽な方へ逃げようとすると、間違った道に行ってとんでもない目に遭うこともある。それで崖から落ちてしまったら困るけど、自分なりに自分の足で歩かないとわからないことがあるんです。自力で山を登ってみるといい。そして、自分のことに責任を取ってみるのです。