大丈夫。親は最後に一番の味方になってくれる
怪しいと思われるのは大いに結構。僕も最初はウォーキングを仕事にする人なんていなかったから、さんざん怪しまれた。でも、周りがすぐ理解できるような仕事は、誰もが思いつく仕事なんだから、怪しいほうが、チャンスはある。親なんて後からわかってもらったらええの。今わかってくれなくても、最後は一番味方になってくれるから。いろんな人を敵に回して追求しなさい。僕なんか未だに怪しいからね(笑)。
僕は昔、ある先輩から「お前は怪しいのが取り柄や。今は目立たなくても、5年、10年経ったらスゴくなると思う。誰も気づかなかったことに気づいてる。ええ仕事してる。だから、怪しい部分をなくすな」って言われて、安心した。だけどね、怪しいからこそ、徹底的に理論はきちんと突き詰めて勉強しなさい。白衣を着たお医者さんが同じことを言っても当たり前。怪しい格好をした僕が、裏付けのある理論を言うから聞いてくれる。僕はそう自分をとらえてる。
実は、モナコに引っ越したのも僕のハッタリ。日本人はヨーロッパ人より歩くの下手やし、モナコから「ウォーキングはええぞ」って発信すれば、耳を傾けてくれると思ったから、戦略的にモナコに行った。今でこそ、みんなが「ようやった」って言うてくれるけど、ここまでくるのに15年かかったわ。苦労して「なんでわかってくれへんのや」って思いながらも、ずっと続けたからこそ今がある。だから、あなたも本気で覚悟を決めたのなら、めげたらあかんよ。
交通費がなくて教室まで5時間かけて歩いた
昔は、財布に500円しかない、なんてときもあってね、ウォーキングを教えに行く教室までの往復の交通費570円が出せんかった。嫁さんに言えば貸してくれるけど、嫁さんと子どもに絶対苦労はさせないっていう思いが、ずっと僕の基本にあるわけ。だから、そのときは教室まで5時間かけて歩いて行った。やっとの思いで着いて、500円でスモークチーズを買って食べたら、めちゃくちゃうまくて感激した。そこでまた「歩くのはこんなに健康的なことなんや」って、確信した。
それから、ウォーキングだけでメシが食えなかったころ、夜中にバイトをしようとサウナの面接にも行ったことがある。そこで店長に「よう使わんわ。あんた、普通の人と違うやろ。掃除なんかさせられへん」って言われて、腹をくくった。頭を打たれたからって、それをマイナスに考えないことやね。「俺は人に使われたらあかんのや。それやったら、徹底してウォーキングのために頭も下げたろ」と思えた。それまで僕は、人に使われて頭を下げることが大嫌いやったけど、ウォーキングの仕事のためなら頭を下げるように変わった。それから次々仕事が取れるようになったんです。
あなたも、自分のことがかわいかったら、意固地になったらいけないよ。いつでも「こんなことやってます」って素直に言えるように。そうすればいつかは認められて、きっとうまくいくから。