叱ってちょーだい

毎回著名人にあなたの悩みをぶつけていただく、このコーナー。熱く、愛を持ってお答えします。
悩
「マナーや敬語を身につけたいのですが」

以前の会社では、研修もないまま、家族的な雰囲気の中で過ごしてきました。転職先で上司が言葉遣いやマナーに厳しく、「社会人として当たり前のことができていない」と、いつも怒られます。上司の顔色ばかり気にして、仕事もはかどりません。敬語やマナーの本も読むのですが、上手くできず、わからないことがあっても今さら人に聞けません。どうすれば身につけられますか?(事務職 27歳 女性)

吾以外皆吾師
今週の叱り役

昭和女子大学学長/『女性の品格』著者
坂東眞理子

information
● 『愛の歌 恋の歌』
万葉の女流歌人額田女王(ぬかたのおおきみ)らの女歌をとおして日本女性の心の軌跡をたどる、坂東さんの新刊。関東図書発行、1619円。
1946年、富山県生まれ。東京大学卒業後、総理府入省。内閣広報室参事官、埼玉県副知事などを経て、98年、女性初の総領事に。01年、内閣府初代男女共同参画局長、04年より昭和女子大学教授、副学長、女性文化研究所長を経て、07年、同大学学長に。著書『女性の品格』は、07年に250万部を売り上げ、年間ベストセラー1位となった。

今さら人に聞けないと思い込まないで

あなたと同じように、「敬語やマナーがわからない」と感じている人は、30、40歳になってもたくさんいると思います。ですから、若いあなたが「今さら人に聞けない」などと思い込まないで、わからなければ人に聞くようにしてみることです。相手は同僚でも後輩でもかまいません。「これは、どうすればいいのかしら?」って、いろんな人たちに素直に聞いてみる。それが、あらゆるマナーを身につける、一番の近道です。

20代の頃は、私も上司に「そんなことも知らないのか」とか、「東大を出て、そんな言葉遣いをしてるのか」なんて、よく嫌味を言われたものです。でも、当時は本当にどうすればよいのかわかりませんでしたから、「知らないんです、教えてください」と、頭を下げることしかできませんでした。そうやって、ひたすら教えてもらいながら、社会人として必要なことを身につけていったのです。

叱ってくれる上司を持てたのはありがたいこと

ところが、いざ、自分が上の立場に立つようになると、部下に対して「もっとちゃんとやってほしい」と思うことがあっても、目の前のやるべき自分の仕事で、いつも手一杯。直属の部下を叱って育てるという余裕がなかった、というのが正直なところです。部下を叱るのにも、エネルギーが必要なんですね。それが私には不足していたのだと反省しています。部下を持つ私の知り合いの人たちも「いちいち叱るのが面倒になってしまう」と、嘆いているのを耳にしますから、あなたをいつも叱ってくれるという上司は、エネルギーがある立派な方だと思いますよ。

そういう上司を持てたことは、ありがたいこと。授業料を払ってマナー教室にかよわなくても、職場で教えてくれるのですもの。上司に「叱ってくださって、ありがとうございます」という気持ちを持ちましょう。毎日厳しく言われてしまうと、あなたのことをすべて否定されているように感じてしまうのでしょうが、そうではないんですよ。上司はマナーや言葉遣いの部分についてだけ、叱っているのですから、その部分だけを直していけばいいのです。あなたには、ほかに必ずいいところがあります。それを伸び伸びと発揮しましょう。今のように萎縮してしまっては、あなたのいいところまで、すべてがしぼんでしまいます。

周囲のいろんな人に聞いていくうち、どの人が親切で教え上手かもわかってくるでしょう。そういう人たちに助けてもらいつつ、今度は、あなたが「自分にできることは、いつでも力になって助けよう」という姿勢でいればいいのです。誰でも、一人で何もかも完璧にこなすことは、できないのですから。

EDIT・WRITING
羽塚順子
DESIGN
ITコア
PHOTO
鈴木慶子

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