8時間15分働いたのですが、残業手当がつきません。違法では?
今の会社は基本的には残業はないのですが、先月一日だけ残業があり、その日は8時間15分働きました。しかし給与明細を見たところ、残業手当がついていません。これは違法ではないでしょうか?
(D・Aさん、ほかからの質問)
1カ月における時間外労働の合計時間に端数がある場合、30分未満の切り捨ては違法にはなりません。
労働基準法では、1日8時間、1週間40時間を超える労働をした場合には時間外勤務手当として、25%以上(*)増しのいわゆる「残業手当」を支払わなければならないことが定められています。また、この超えた時間について、1ヶ月60時間を超えた部分については、上記25%に加えて、さらに25%以上(*)増しの割増賃金を支払う必要があります。
*割増率は、法令では「25%以上」とあるため、具体的な率については、会社の就業規則(賃金規程)に定めがあります。
ただし、残業手当は、1カ月の時間外労働時間を合計して、それに対する手当を支給することが通常です。その1カ月の合計時間に1時間未満の端数が出た場合、30分未満を切り捨てることは違法にはならないとされています。ご質問のケースは、これに該当するのではないでしょうか。
ただし、30分未満の切り捨てはあくまでも1カ月における合計時間の端数に対するものであり、1日単位で端数を切り捨てることは違法になります。また、このような運用をする企業では、同時に30分以上1時間未満の合計時間の端数は1時間に切り上げすることになっています。
この内容は、2023/02/01時点での情報です。
(文責:編集部、アドバイザー:松尾友子、冨塚祥子)
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