ビール好きに愛される球場はこうして生まれた–埼玉西武ライオンズがアメリカの“球場体験”を取り入れたワケ

2016シーズンから西武プリンスドームに導入された海外クラフトビール。日本初となるこの試みには「ワールドビアエンターテイメント」という当社の理念が込められています。参入障壁が高いとされる球場への海外クラフトビール導入は、いかにして実現されたのか。その裏側には、当社(モルソン・クアーズ社)、そして埼玉西武ライオンズの熱い想いがありました。

※本記事は、「PR Table」より転載・改編したものです。

「ビールの新しい楽しみ方を提案したい」 共通の想いが引き起こした化学反応

f:id:kashiemi:20171115100242j:plain

「ワールドビアエンターテイメント」という理念を掲げ、日本に海外ビールなどを輸入・販売しているモルソン・クアーズ・ジャパン(以下、MCJ)。日本ではZIMAやCoors Lightが知られていますが、モルソン・クアーズ社を語るにあたって、“野球”の2文字を外すことはできません。

なぜなら、コロラド・ロッキーズの本拠地として知られるクアーズ・フィールドの球場名は、モルソン・クアーズによるもの。昔からモルソン・クアーズにはベースボールとの深い関わりがあったのです。同社でクラフトビール「Blue Moon」のブランドマネージャーを勤める小林弘樹は、以前よりこの関係性を大切にしていました。

小林「“野球”はアメリカ本社との共通言語。ベースボールスタジアムで新しいことがやりたいと提案すると、グローバル全体でバックアップしてくれますし、MCJらしいエンターテイメントを提供できると思っていました」

小林が埼玉西武ライオンズと初めて出会ったのは2015年10月のこと。同社が青山にオープンしたポップアップバルにライオンズのSV(スーパーバイザー)と共に加藤大作さん、荒木浩基さんが訪れ、Blue Moonを体験します。

ちょうどその頃、荒木さんは観客のサービス向上のためにできることはないかと施策を考えていたそうです。

荒木「球場で販売しているビールは国内メーカーのものが主流です。しかし、観客の満足度を考えると、もっといろいろな種類のビールが楽しめる環境があってもいいんじゃないでしょうか

日本の野球場にビールの新しい楽しみ方を提案したいーー。そんな共通の想いによってつながったMCJと埼玉西武ライオンズ。その出会いが契機となり、MCJの小林と佐々木英俊、埼玉西武ライオンズの加藤さん、荒木さん主導のもと、日本初となる球場への海外クラフトビール導入プロジェクトが始動します。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

観客の満足度向上のために何ができる? アメリカの球場視察で見えたコト

f:id:kashiemi:20171115100303j:plain

そもそもクラフトビールとは、その名の通り、小規模な醸造所でビール職人が精魂込めて造っているビールのこと。職人が造り出す高品質なビールを「手工芸品」にたとえて、クラフトビールと呼びます。

味わいは素晴らしいが、とても繊細なクラフトビール。それを国内球場にレギュラー導入した事例は過去にありません。さらにすでに参入しているメーカーとの密接な関係も配慮する必要があり、一見して非常に参入障壁が高いように思われました。

しかし、プロ野球全体のビジネスモデルの変遷により、そうとも言っていられない状況になっていました。球団自体できちんと収益を上げられるよう、顧客の満足度向上のためにさまざまな施策を考え、実践する必要性が出てきていたのです。

加藤さんは2010年から営業企画を担当するマネージャーとして、シーズンシートオーナー向けのサービス向上や球場の改修に着手してきました。しかし2015シーズン終了時に考えていたのは、いかに「ボールパークエクスペリエンス(試合以外の楽しみ、思い出)」を向上させることができるか、ということ。

これまでと違った野球の楽しみ方を見つけるために、加藤さんは実際にアメリカを調査訪問。4~5つの球場を回り、現地に行かなければわからない、国内球場との違いを痛感することになります。

加藤「球場内でのビールの楽しみ方が、アメリカと日本では大きく違うことがわかりました。アメリカの人たちは試合をスタンドにずっと座って観戦しているわけではなく、ときには外周通路のビアバーでビール片手に仲間と談笑しながらもっと気楽にベースボールを楽しんでいる。その光景を日本にも持って帰りたいと思ったんです」

そんな思いを抱えて、帰国したときに出会ったのがMCJの小林と佐々木。2人から提案されたのは「“液体”ではなく“体験”を提供しよう」という想いがこもった企画でした。

佐々木「『こういったものを売らせていただきます』ではなく、『僕たちが提供できるエンターテイメントはこれです』という提案にしました。ビールという“液体”を売るためにどうするかではなくて、お客様を喜ばすエンターテイメントとして、こんな“体験”が必要なはずだと」

小林と佐々木が提案したのが、「海外クラフトビールを楽しめるバー、そして本場MLBの球場の周りにある名物スポーツバーを西武プリンスドームに!」というコンセプトでた。

この提案を埼玉西武ライオンズ側が快諾。最高のエンターテイメントを提供するために、世界観をどうするか……など緻密な打ち合わせを重ね、2016年3月末の開幕に向けて猛スピードでボールパークエクスベリエンスを体験できる店舗の立ち上げに動いていきます。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

ついに迎えたプロ野球開幕!想定以上の行列に「感無量」

f:id:kashiemi:20171115100329j:plain

半年間という限られた時間の中、ビールの提供方法、メニュー、空間のすべてを究極までこだわり抜いた両社。たとえば、Blue Moonが導入されている新店舗「L’s CRAFT」には芝生エリアが設置されるなど、実現したい世界観への徹底的なこだわりがあります。

また、「L’s CRAFT」「L’s SPORTS BAR BRICKS」のカップだけ、球場内で使用されているビール用カップとは異なります。特にBlue Moonの最大の特徴は、その色。一般的なビールとは違い、オレンジがかった色合いを最大限楽しんでもらうために、L’s CRAFTで提供されるBlue Moonは透明のカップに注がれます。

このように、観客に最高の“体験”を提供するために、両社とも妥協することなく細かい部分にまで強いこだわりを見せました。

そしてもう1社、これら新店舗の空間づくりの裏には欠かせなかった、株式会社ヒーロー。
国内でBBQといったら右に出る者はいないオペレーション・ノウハウを持っている彼らも、私たちと同様に「エンターテイメント性」を何よりも大事に、コストではなく、お客様を楽しませることを第一に考えてくれました。

荒木「普通であれば、ピザは焼いたものを置いておくだけで終わりですけど、彼らは見せることの楽しさがお客さまへのアピールになると知っていました。だから『焼いているシーンが見えるように、ピザ釜をいれましょう』と提案してくれたんです」

エンターテイメント性を何よりも重んじる3社が手をとって、立ち上げた日本初の海外クラフトビールを導入した新店舗。2016年3月25日のパ・リーグ開幕と同時に、ついにお披露目されることになります。

佐々木「「開幕前日はドキドキでしたね。本当にお客さんは来てくれるのだろうか、そんな思いばかりが頭の中にあったのですが、蓋を開けてみれば初日は超満員。観客がお店の前に行列を作っている光景を見て、まさに感無量でした」

しかし、喜びも束の間。想像を超える行列ができた一方で、すぐに課題点も見つかります。

小林「窯焼きピザということで、提供にどうしても時間がかかってしまう。だからお客様を待たせないように、フードコートなどにある料理が出来あがったらピピっと鳴るセンサーを導入してもらいました。今では行列を作らず、料理が出来るまで試合を観ながら待ってもらえています」

こうした改善案に対し、埼玉西武ライオンズ側も柔軟に、かつ早急に対応してくれています。だからこそ、より良い「ボールパークエクスペリエンス」の提供を実現できているのです。

クラフトビールをもっと身近にする「スポーツ×ビール」の可能性

f:id:kashiemi:20171115100346j:plain

こうした努力が身を結び、新たにオープンした両店舗は昨年比170%以上の売り上げを実現しています(2016年6月現在)。

日本にはなかった「ボールパークエクスペリエンス」を本場アメリカから持ち込もうと考えた埼玉西武ライオンズ 加藤さん。その最初の試みは、ライオンズのファンに受け入れられました。

そして、まだ表面化はしていなくても、観客が求めている“体験”はまだまだ存在します。MCJの小林は、西武プリンスドームに実際に足を運ぶことで、それを確信しています。

小林「スタートは成功していますが、実際に現場に出ることで気づく発見もあります。これまで使われていなかったテーブルの高さを20cm変えてみたら使われるようになったり、試合が5~6イニングに進むとビールを飲む観客が少なくなっているように見える。そこに対して、何か新しい“体験”を提供できると思うんです」

半年という限られた準備期間ではじまったプロジェクト、改善点はあって当然です。より優れたお店づくりに向けて埼玉西武ライオンズ、そしてヒーローと協議し、日々新しいアイデアが生まれています。

これまで日本の球場にはなかった、Blue Moonなどクラフトビールを球場内に導入した今回の試み。まさにモルソン・クアーズ・ジャパンが掲げる「ワールドビアエンターテイメント」 という理念を体現したものです。

しかし、このプロジェクトのゴールはまだまだ先。「スポーツ×ビール」のように、アメリカ、そして海外にはもっと多様なビールの楽しみ方があり、多様なエンターテイメントがあります。それを発信していくことで、クラフトビールという選択肢を、日本の大人に届けるのが私たちのミッションです

“液体”ではなく、“エンターテイメント”を提供するーーその想いはブラさず、西武プリンスドームからはじまったこの動きが、日本全体に浸透していく未来を創っていきます。

会社説明会では語られない“ストーリー“が集まる場所「PR Table

PC_goodpoint_banner2

Pagetop