「かしこい」と言われる人は“ゲーム感覚”を取り入れる

「資格の大原」でおなじみ、大原学園で講師を務めた経験をお持ちで、『30代で人生を逆転させる1日30分勉強法』著者でもある石川和男さんに、前々回の「時間をムダにしない人は『30分の使い方』が違う」と前回の「『かしこい』と言われる人の、時間をムダにしない勉強法とは?」に続き、「時間をムダにしない人が実践しているモチベーションを上げる勉強法」について教えていただきます。仕事にも勉強にもすぐに実践できるテクニックなので、取り入れてみてはいかがでしょうか。

 f:id:fujimine:20170901111941j:plain

ゲーム感覚で賞罰を与える

「心的飽和」という心理学用語があります。何度も何度も同じ作業を繰り返すことで飽きがくる現象を言います。最悪その作業をやめてしまう場合もあります。
勉強は新しい知識の吸収だけではありません。2割新しいことを行うなら8割は復習という割合です。前回お話したように、人間は忘れる動物です。繰り返し復習しなければ忘れてしまいます。何度も何度も復習を繰り返すことで飽きがきます。最悪、勉強をやめてしまう場合もあります。
では飽きが来たとき、どうするか?

自分にご褒美を与えるのです。ゲーム感覚で楽しく勉強をすることで心的飽和を解消します。

例えば、復習が終わったらケーキを食べよう。模擬試験が80点以上ならマンガを読もう。この試験に合格したら楽しみにしていた映画を観に行こう。負荷の割合に応じてご褒美も豪華にしていく。
もちろん仕事にも応用がききます。ここまで出来たら一品余計に惣菜を買って帰ろう。難度の高い書類を作成したら、家族で外食をしよう。ご褒美は自分を鼓舞できることなら何でもいいのです。頑張った自分にご褒美を与えることで、楽しく勉強や仕事をする仕組みを作ってみて下さい。

ただし、ご褒美ばかりでは、それこそ飽きがきてしまいます。メリハリをつけるためにセットで罰も与えるようにしましょう。
例えば、完璧にできたらビール、手を付けないなら水で我慢など。
この手を付けないことへの罰が良いのです。なぜなら人は、難度が高いと思う問題に対して最初の一歩を踏み出すことに苦労をするからです。
そのため全くやらなかった場合は、自分にとって最高の罰(この場合はアルコールを飲めないで水を飲むという罰)を与えることで、とりあえず手を出すことになります。
あなたも経験があると思いますが、「大変だ、面倒だ」と思っていることも、やってみると意外と簡単だったり、ノリでできてしまう場合があるのです。

ゲーム感覚で、自分に賞罰を与えてみて下さい。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

誰かのために頑張ってみる

人は自分のために頑張れなくても誰かのためなら頑張れたりします。
子供のため、家族のため、親が喜ぶ姿を見たいため…。
スランプになり勉強がはかどらないときは、この資格を取ったら誰かが喜んでくれることを想像して頑張ってみましょう。

「よし、行政書士の試験に受かったら、仕事と勉強で家族との時間がとれなかった分、遊園地に連れて行こう」
 そんな労いも忘れずに。

 合格と不合格の差は、今日はここまでにしようか? もう少しやってから寝ようか?となったときに、後者を選ぶことの積み重ねが合格という道に近づくのです。そのためにも賞罰を与えて「もう少し頑張る仕組み」を作ってみて下さい。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

良い仲間と勉強する

 f:id:fujimine:20170824172016j:plain

人は自分と似ている者同士で集まる傾向にあります。

例えば資格の学校に通っている場合。
落ちる仲間は「よし景気づけに飲みに行こう!」と試験を受ける前に飲みに行きます。一方、受かる仲間は「よし試験が終わったら飲みに行こう!」と試験が終わってから飲みに行きます。
さらに試験が終わってすぐに飲みに行くのではなく、解き直しをして理解をしたら飲みに行こうとなるのです。
受かるグループは全力で勉強する仲間です。落ちるグループとは意識に差があります。
私は最初落ちるグループにいました。緊張感があまりないので、居心地がいいのです。このグループでトップクラスだから大丈夫だと意味のない自信さえ持ってしまいます。
しかし、これではいつまでたっても受かりません。
自分の意識が変わり、受かるグループに徐々にうつっていきました。挫けそうなときは励まし合い、疑問点があれば質問し合い、出題傾向を予想し合ったりしていました。普段は励まし合っていた仲間が、時にはライバルになって点数を競い合う。お互いを高め合う存在。それが良い仲間なのです。自分が変われば仲間も変わるということです。

良い仲間と出会うこと。それが自分を高みへと押し上げてくれる道なのです。
注意するのは、知り合いと仲間は違うということです。
政治家、医者、弁護士・・・自分の知り合いに社会的地位の高い人がいることが良い仲間では無いのです。むこうも営業です。名刺交換ぐらいはしてくれます。パーティーに出れば知り合いぐらいにはなれます。仲間になるためには、対等に付き合うだけのスキルを身に付けなければなりません。相手に必要だと思ってもらえるだけの武器を身に付けなければなりません。
確かに最初は知り合いからのスタートです。そこからお互いが必要だと思えるスキルがあるから仲間になれる。仲間の良いところに刺激を受けあえる。その仲間関係を維持するために自分も専門性を磨く。その努力の循環が良い仲間の連鎖になるのです。そして自分をさらなる高みへと押し上げてくれるのです。

合わせて読みたい

f:id:asukodaiary:20170309141602j:plain【プロフィール】石川和男(いしかわ・かずお)

建設会社総務部長、大学、専門学校講師、セミナー講師、税理士と、5つの仕事を掛け持ちするスーパーサラリーマン。大学卒業後、建設会社に入社。管理職就任時には、部下に仕事を任せられない、優先順位がつけられない、スケジュール管理ができない、ダメ上司。一念発起し、ビジネス書を年100冊読み、月1回セミナーを受講。良いコンテンツを取り入れ実践することで、リーダー論を確立し、同時に残業ゼロも実現。建設会社ではプレイングマネージャー、専門学校では年下の上司の下で働き、税理士業務では多くの経営者と仕事をし、セミナーでは「時間管理」や「リーダーシップ力」の講師をすることで、仕事が速いリーダーの研究を日々続けている。
『仕事が「速いリーダー」と「遅いリーダー」の習慣』(明日香出版社)は16刷中ほか、勉強法、時間術など3冊のビジネス書を出版している。
石川和男 公式サイト https://ishikawa-kazuo.com

PC_goodpoint_banner2

Pagetop