衣替えは、四季の変化を肌で感じながら、衣類の整理整頓、持ち方を見直すいい機会でもあります。一年の中で気温の高低差がある日本では、衣替えをしないと、通勤時や仕事中などに不快な思いをすることもあります。とはいえ、忙しいとつい後回しになりがちな衣替え。いつ行えばいいのか、何に気を付けると良いか、参考になる情報を紹介します。
目次
衣替えの成り立ち
衣替えは、もともと中国宮廷の習慣が平安時代に日本に伝わり、その後室町時代から江戸時代に、四季に合わせて、式服を変える習慣として根付いていったと言われています。元々は夏・冬装束の年2回でしたが、武家社会以降は動きやすさなどを加味し、年4回に変化しました。この習慣が次第に一般の人にも定着し、現代の衣替えとして定着していったとされています。
衣替えで気にしておきたい「気温」。長袖は20℃以下、半袖は25℃以上を目安に
衣替えを考えるタイミングとして参考にしたいのは気温です。
気温が20℃以下になると長袖が適しているといわれています。21~24℃は人により長袖、半袖のどちらにするかが異なります。気温25℃を超える日があれば、半袖がおおむね快適に過ごせるでしょう。
毎日の天気予報をチェックするのは当然ですが、日本気象協会では「服装指数」を更新しており、その日のコーディネートを考える時に役立ちます。
衣替えを考えるタイミングは6月1日、10月1日
学校や官公庁、一部の会社では衣替えの期間が設定されています。夏服は6月1日から9月30日の間、冬服は10月1日から5月31日の間です。これらを参考にして、その年の気候や気温によって衣替えの時期を決めていくとよいでしょう。
衣替えをする際に気を付けておきたいのは「一気に衣替えしない」こと。年によって、春が短く、5月に急に猛暑になることもありますし、秋のような陽気が長く続き冬服にはまだ早いと感じることもあります。また、オフィスでは、クールビズで室温を28℃に保っているところが多いですが、人やデスクの場所によって感じ方が違います。
衣替えは、3ステップに分けて行うと温度変化にも対応でき、おすすめです。
(例)秋の衣替えの3ステップ
1.秋色の夏物以外しまう、真夏用の物もしまう、朝晩の気温の変化に対応できる織物を出す、ストールやスカーフ類も出す
2.残っている夏物をしまう、薄手のニット類を出す
3.厚手のニット類、防寒具を出す
洋服はどうしまえばいい?虫食いにならないためには?
次のシーズンの服を出す頃になったら、それまで着ていた服を大切にしまいましょう。ポイントは下記の3つです。
1、必ず洗濯かクリーニングを行う
皮脂などの汚れが残ると、虫食いの原因となります。自宅で洗えないものは、クリーニングに出してからしまいましょう。掛け布団なども取り替える時期と重なりますので、一緒にクリーニングに出すと効率的です。
2、しっかり乾いた状態でしまうこと。衣替えは晴れた日に
衣替えは湿気が少ない晴れた日に行いましょう。雨の日等天気が悪い日に衣替えをすると、衣類に湿気を含むため、虫食いの原因になりかねません。生乾きの状態も厳禁です。
3、防虫剤や乾燥剤を入れることも忘れずに
洋服をしまう際は、防虫剤や乾燥剤を入れましょう。こうすることで、翌年もきれいな状態を期待できます。
スーツも季節に合わせて衣替え!季節ごとに適したスーツの素材
ビジネスシーンで日常的に着用することも多いのが「スーツ」。スーツには春夏服、秋冬服、オールシーズン用があります。衣替えの準備をするには、それぞれのスーツの素材の特徴を知っておくとよいでしょう。
・春夏服
4月1日から9月30日の期間に着用し、クールビズも始まってきた頃が衣替えに適しているといえます。春夏服のスーツはとても軽く、薄い素材が使われています。通気性をよくするために織り方も粗いのが特徴です。生地は涼しく着られるように工夫がされていて、サマーウールやリネン(麻)、コットン(綿)、モヘヤなどが代表的な素材です。裏地が一部にしかない背抜きは夏向きです。
・秋冬服
10月1日から5月31日くらいが目安。その時期に入ってきたら少しずつ切り替えていくことをおすすめします。秋冬服のスーツの特徴として、春夏服よりも重く、生地が厚く、外気を遮断し、防寒着としての機能を求められるため、きめ細かく織られていることが理由です。ウールやツイードなどが代表的な素材です。全てに裏地がある総裏は冬向きとされています。
衣替えは、いらない洋服を整理する絶好のタイミング
衣替えは洋服の見直しをするにはとてもよいタイミングです。季節ごとに収納場所を分けておくなどの工夫をしておくと、衣替えのタイミングがくるたびにあわてて季節ごとに洋服を分類しなくて済みます。
スーツなどを改めて見直すと、肘や膝などに光沢ができていたり、汚れや穴が空いてしまっていることがあります。体型の変化でパンツが入らなくなった、ということもあり得ます。そういった洋服類は思い切って手放すのも手です。季節に合わせて洋服を新調することで、新たな気分で新しい季節を迎えられるかもしれません。
・着なかった綺麗なままの洋服は、思い切って売るか譲る
時には気に入って買った高いスーツなのに、なんとなく体にフィットしなくて着心地が悪いため、ほとんど着なかったということもあります。そんな時はリサイクルショップやオークションなどを利用して、まとめて処分してみるのも良いでしょう。ちょっとしたお小遣いになるかもしれません。必要な方に譲るのもよい方法です。
いかがでしたでしょうか?
人によって体感温度は異なる上、外回りが多いか、デスクワークがメインかで暑さ・寒さに差があることももちろんあります。衣替えをうまく行い、気持ちよく日常を過ごしたいものです。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
監修者:宮崎 佐智子(整理収納アドバイザー)/ライフスタイルコーディネート ソートフル 代表
アパレル業界に10年間携わり、接客を通して人との関わりの中から喜びを得る。結婚後は夫の会社の経理・総務などを担当。人の役に立てることはないかと考えていたときにハウスキーピングの仕事と出会い「片付けのプロ」を目指す。経験を積むなかで、各種資格を取得し起業。お掃除・片づけ・家事全般のサポートをしながら、各種認定講座・セミナーを開催。
「40代から始める人生の棚卸し」を訴え、セカンドライフをより充実した人生を送っていただくためのサポートに力を入れ、活動中。片付けと心思考の部分は連携していることから、アドラー心理学を取り入れた、「アドラー式片付け」を実際に作業を通して、また講座を通して広げている。自分らしい人生・暮らし作りのサポーターとして、自分整理塾の開講展開中。
【保有資格】整理収納アドバイザー1級、アドラー心理学カウンセラー養成講座終了、アドラー心理学スマイルリーダー・ELM勇気づけトレーナー、一般社団法人遺品整理士認定協会遺品整理士・エンディングコンサルタント、一般社団法人日本睡眠改善協議会睡眠改善インストラクター、骨格診断ファッションアナリスト・リフォームスタイリスト1級、アドバンプロカラーセラピストティーチャー、米国NLPマスタープラクティショナー・効き脳フェロー診断認定、ほめ達検定2級、アンガーマネジメントキッズインストラクター、アロマライフコーディネーター
文:リクナビネクストジャーナル編集部