【防災の日】職場でも備えておきたい!防災の日について徹底解説

いつ災害が起こるかわからないなかで、防災に対する意識を高めておくことはとても大切です。日本では、毎年9月1日を防災の日と定めています。防災について考える日であり、万が一に備えることの大切さを知る良い機会です。ここでは、防災の日の成り立ちや職場・家など日常生活で備えておきたい防災対策についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

【防災の日】職場でも備えておきたい!防災の日について徹底解説

防災の日とは

2017年の防災の日は、9月1日金曜日です。防災の日の由来は、1923(大正12)年に起こった関東大地震が大きく関わっています。地震が原因となって多くの人々がつらい体験をした関東大震災を忘れないために、1960(昭和35)年6月11日に制定されました。

また、二百十日の厄日という言葉があるように、立春から210日目は台風の来襲が多いこともあって防災を意識する日として知られています。1959(昭和34)年に東海地方を中心に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風も9月のことでした。「Disaster Drill Day (防災訓練の日)」と英語表記されることもあり、行政・企業・学校など全国各地で防災訓練が実施されます。学校によっては献立が変わったり特別授業を行ったりするところも少なくありません。9月1日を含む1週間を防災週間として、避難や初期対応の訓練を行う企業や施設も多く見られます。避難方法や応急処置について学ぶことで地震などの災害時にも知識や経験を活かすことができるので、積極的に参加してみましょう。

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職場で行いたい防災対策

2013年、東京都が「東京都帰宅困難者対策条例」を施行し、企業の物資・食料備蓄が努力義務として課されるようになりました。その後、他の自治体でも同様の動きが進み、備蓄をする企業や団体も増えています。しかし、いざという時のために、ご自身でも対策を行っておくことをおすすめします。下記の3つは、すぐにできる防災対策です。

・スニーカーなど、歩きやすい靴を用意する

災害が起きると、急いでその場所を離れなければならないケースや避難場所・家に歩いて向かうことなどが想定されます。また、場合によっては足場の悪い場所を通る可能性も。3.11以降に「置き靴」の認識が広まりましたが、ロッカーがある場合は、スニーカーなど歩きやすい靴をしまっておくと良いでしょう。

・水・食料をロッカーや引き出しに

災害の種類によって、支援活動が本格化するまでは数日かかるとも言われています。500mlペットボトルの水や長期保存できる軽食を引き出しやロッカーにしまっておくと良いでしょう。数日分は無理でも、緊急の場合に備えておくと安心です。

・最低限の日用品を用意する

地震が起きた場合などは、物流が止まる可能性があります。それにともない、食料はもちろん、日用品も品薄になることが想定されます。例えば、割り箸、ウェットティッシュなど、用意できる最低限の範囲で、食事をするときや衛生的な環境を保つものを用意しておくと良いでしょう。

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家で行いたい防災対策

家で行いたい防災対策

次は、家で行っておきたい防災対策です。

・家具・家電類は転倒防止のストッパーを。窓ガラスは飛散防止シートなどの対策を

地震に備えるには、なによりも自宅の耐震化を行い、大地震の揺れで建物が倒壊しないようにすることが重要です。揺れによって家具が倒れてしまうと逃げ道をふさいでしまう恐れがあるので、金具で直接壁に固定するか、ストッパーを活用してタンスや冷蔵庫などの転倒を防ぎましょう。窓ガラスが割れてしまうと逃げる際にケガの原因となってしまうため、飛散防止フィルムを貼るなどの対策を講じたうえで、さらに枕元に靴やスリッパを準備するとよいでしょう。

・支援活動までの期間に備え、水・食料・生活日用品の準備を

支援活動が本格化するまでの期間に備えて、非常用トイレの他、食料や生活日用品を最低でも3日分、大津波や大規模火災など甚大な被害が想定される地域については1週間分を確保しておく必要があります。食料の備蓄には、水や乾パンなど長期保存ができるものはもちろんカロリーが高い板チョコなどもおすすめですが、できるだけ普段食べている食事に近いものとして、インスタント食品、レトルト食品、缶詰など、賞味期限が長い食べ物を準備し、日常で消費し食べたら買い足すようにしましょう。

また、電気やガスなどのライフラインが途絶えることを想定して、LEDランタンやカセットコンロの他、乾電池やカセットガスボンベも多めに準備し、普段から消費して入れ替えると役立ちます。他にも、トイレットペーパー・ティッシュペーパー・ラップ・ガムテープなどの生活必要品を準備しておくと安心です。なお照明器具としては、火災の原因となるためロウソクとマッチではなくLEDライトと電池を準備してください。日用品類は家族の年齢や持病の有無などによって必要となるものが異なるので、あらかじめ想定して準備しておく必要があります。赤ちゃんがいる家庭では紙おむつや粉ミルク、女性の場合は生理用品などそれぞれの必需品を確認しておきましょう。

・家族・友人との連絡手段を確認しておく

地震が起こったときに心配になるのが家族の安否です。地震が起こったときにどうするかを家族の間で話し合い、さらにLINEやSNSのメッセンジャーアプリなど災害時でもつながりやすいインターネット経由の連絡手段を交換しあっておけば、避難がスムーズになったり安否確認がしやすくなったりするので、普段から災害に対する意識づけを大切にしましょう。

・いざという時に!非常用持ち出しバッグを用意しよう

前述の防災備蓄品は災害時に役立つものですが、火災・津波・土砂災害など「避難しなければ命が危ない」災害が迫っている場合、全てを持ち出すことは困難です。そこで、走って逃げるために必要な道具だけをまとめた非常用持出リュックを備蓄品とは別に準備し、玄関などすぐに取り出せる場所に、靴・軍手・ヘルメット・ヘッドライトなど避難時に身につけたい道具とあわせて保管するようにしましょう。

非常用持出リュックは安全を確保しながら素早く移動するために必要なセットになるため、水や食料は多くとも1日分とし、雨具・ラジオ・ハザードマップ・応急手当セット・最小限の着替え・メガネや持病の薬の予備などを入れておきます。家を出る際に貴重品を放り込めるスペースも空けておきましょう。なお重さは背負った際に楽に行動できる程度にしてください。

非常用トイレや大量の水・食料・毛布などは、自宅が無事であれば持ち運びは不要ですのでそのまま使用し、避難所へ移動する必要がある場合は、目の前の危険を避けてからゆっくり持ち運ぶようにしてください。命を守るための避難用道具と、生活をするための避難用セットは別にしておくことが重要です。

防災の日と関連日について

地震や災害への意識を高める防災に関連する日としては、11月9日の119番の日や11月5日の津波防災の日/世界津波の日などがあります。消防庁が1987(昭和62)年に制定した119番の日は、住民の防災意識の向上やスムーズな119番通報ができるように正しい知識を持ってもらうことを目的としているのが特徴です。この日から1週間は、秋の全国火災予防運動週間として各地でキャンペーンやイベントが行われています。津波防災の日/世界津波の日は、2011年3月の東日本大震災後、津波対策に関する法律が制定されたのをきっかけに、1854(安政元)年安政南海地震の発災日にちなんで設けられました。他にも、1月17日が「防災とボランティアの日」として定められるなど、地震や災害に対する取り組みを意識することを目的とした記念日がたくさんあります。

家族で参加しておきたい!全国各地で行われる防災訓練(イベント)

全国各地で行われる防災訓練(イベント)

全国各地で行われている防災訓練やイベントは多く、子どもから高齢者まで幅広い世代が参加しているのが特徴です。

これまでに防災の日に行われた大規模訓練には、災害によって交通機関がまひした想定で行われた2011年の「東京都内100か所で交通規制」や2013年の「都内幹線道路120カ所で交通規制」があります。震度6弱以上の地震が起こった場合に緊急自動車専用路として利用され一般車両の通行が規制される国道4号では、2016年に「国道4号10キロ通行止め大規模訓練」が実施されました。

車両に関する訓練以外にも、全国各地で防災意識を高めるイベントが行われているので、必要な知識を得たいと考えている人におすすめです。

例えば、関東地方で行われたイベントには、「2017防災産業展 in 東京」「横浜市総務局 横浜防災フェア 2016」「千葉 いちかわ環境防災フェア2017」などがあります。また、京都や札幌などでも防災を身近に感じるための取り組みが行われています。

ご家族で防災に対する意識を高めたい場合は、消防庁などが運営している防災館に行くのも良いかもしれません。

→東京消防庁 本所防災館( http://www.tfd.metro.tokyo.jp/hp-hjbskan/

監修者:高荷 智也(備え・防災アドバイザー)

高荷 智也(備え・防災アドバイザー)

「備え・防災は日本のライフスタイル」をテーマに、個人に対しては”自分と家族が死なないための防災対策”のノウハウを、企業に対しては”経営改善にもつながる緊急時に役立つBCP”の作成手順を、自身が運営する防災Webサイト、各種メディアやセミナーを通じて解説するフリーのアドバイザー。徹底した現場視点で構築された分かりやすく実践的なアドバイスには定評があり、テレビ・新聞・雑誌などへの出演も多い。

文:リクナビネクストジャーナル編集部

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