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ターミナル駅なのに西武新宿駅が「微妙な場所」にある理由

「都心のターミナル駅」と聞いて、どんな駅を思い浮かべますか?

東京駅や大阪駅、名古屋駅や新宿駅など都心の中心地に立地し、JR/民鉄/地下鉄含め各路線が多数乗り入れている駅をイメージするのではないでしょうか。

しかし、中には“少しずれた場所”に立地するターミナル駅も。思わず「なぜこんなところに?」と思うその疑問を解き明かしていきたいと思います。

今回クローズアップするターミナル駅は「西武新宿駅」。

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西武新宿線のターミナル駅である「西武新宿駅」とは?

通常、「新宿駅」というとJR東日本を中心に小田急・京王・東京メトロ丸の内線・都営地下鉄新宿線や大江戸線が乗り入れ、1日の平均乗降客数が約342万人(2015年)と世界一を誇る巨大ターミナルを指します。

さらに昨年、駅南口の甲州街道沿いに、国内最大級のバスターミナルである「バスタ新宿」がオープンするなど、ますますターミナル駅としてスケールアップを続けています。

その新宿駅から北へ400~700mほど離れたところにあるのが、今回クローズアップする「西武新宿駅」。

大手私鉄の1社である西武鉄道の基幹路線である新宿線(西武新宿駅~本川越駅)の、都心側のターミナル駅で毎日、多くの通勤電車をはじめ特急「小江戸」も、同駅から発着しています。

…といっても実はこの西武新宿駅が「西武鉄道の中で最大のターミナル駅」というわけではなく、1日の平均乗降客数が約18万人弱と、同じく西武鉄道の基幹路線である池袋線のターミナル駅「池袋駅」はもとより、西武新宿駅の隣にある「高田馬場駅」よりも少ないのです。

 

その理由は、やはり立地環境。

お隣の高田馬場駅がJR山手線と東京メトロ東西線の2路線に対してスムーズに乗り換えられる利便性が、通勤客を中心に広く支持されています。

それに対して西武新宿駅の場合、他の路線に乗り換えようにも最低10分程度は徒歩で移動する必要があるため、都心のターミナル駅であるにもかかわらず、どこか「長閑な雰囲気」を駅全体が醸し出しているのも、この駅の大きな特徴かもしれません。

本当は新宿駅に乗り入れる予定だった?西武新宿駅の謎

そろそろ話の本題に入ります。

なぜ巨大ターミナル駅「新宿駅」から離れた場所に「西武新宿駅」があるのか? その理由で現在、最も有力な説は「当初目指していた新宿駅乗り入れが、諸事情により中止となり、現在の場所に駅が固定化された」というもの。

今の場所に駅が設置されたのは、65年前の1952年。

当時、高田馬場駅から新宿駅に延伸・乗り入れを目指していましたが、新宿駅の区画整理事業や駅ビル開発などが予定されていたため、「仮駅」として開業しました。

そして時は流れて、東京オリンピックが開催された1964年、新宿駅東口に新たな駅ビルが完成(現在の「ルミネエスト」)した際、その2階部分に西武線のホームを設置して、本格的に乗り入れる予定でした。

しかしビルの制約上、狭いホームしか設置できず(島式ホーム2線で6両編成対応分※ちなみに現在の西武新宿駅はホーム2面3線で10両編成に対応できる長さ)、高度成長期で乗客数が急増していた当時、将来を見据えた時にこのホームでは乗客を適正にさばくことができないことから、乗り入れを断念。

結果的に仮駅として開業した今の場所が、西武新宿駅として正式なターミナル拠点となったのです。

もし仮に新宿駅東口ビル2階に乗り入れていたら、西武鉄道にとって新宿駅は名実ともに“真のターミナル駅”となっていたことでしょう。

 

WRITING:山田モーキン イラスト:海月あいる