リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

「嫁ブロック」を発動する妻は、良妻か?悪妻か?

f:id:k_kushida:20161226205343j:plain

こんにちは。川崎貴子です。再びこちらで連載させていただくことになり、ただいま戻りました!という感じですが、改めまして自己紹介を。1997年に女性に特化した人材コンサルティング会社を立ち上げ、近年はコラムを書いたり婚活勉強会を主宰したり、昨年末には働く女性の婚活情報サイト「キャリ婚」をスタートさせたり…と、既に何屋さんか説明しづらい今日この頃ですが、仕事上見聞きし考えてきた事を赤裸々に、キャリアや恋や結婚生活に効くコラムをご提供できれば幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。

 

「嫁ブロック」をめぐる夫婦の大きな“すれ違い”

さてさて、「嫁ブロック」です。

木村拓哉のスマップ解散報道の際に、工藤静香の「嫁ブロック」が影響したのでは?なんてニュースで取り上げられるほど市民権を得た単語ですね。昔はありませんでしたが、私のような零細企業の経営者も、コンサル先や友人のベンチャー経営者達も、今で言う「嫁ブロック」によって、過去何度か優秀な人材が自分達から離れて行くのを見送るしか無かった経験を持ちます。当然説得しましたが、嫁強し。本人だけなら未だしも、彼の向こうにいる嫁とは人間関係もありませんから、どんなに志高い理念を持った経営者も、詐欺師のように口の上手い経営者も「嫁ブロック」を前に玉砕してきた近代史がございます。

 

ですから、私は本来、「嫁ブロック、はんたあああああーい!」と、旗でも掲げて国会会期中にデモでも起こしたい側の人間なんですね。自分の会社の売り上げの少なさや不安定さをまるっと棚上げして。

 

でも、それが例え一時的なものとは言え、「嫁ブロック」によって一番ダメージを受けてるのは夫本人だったり致します。先日もあるブログで、転職を反対する妻に「私は〇〇会社のあなたと結婚したのに!」と詰められ、意気消沈しているというものを読みました。また、嫁ブロックにより、1年以上準備していた起業を断念した後輩はかつて、「結婚したら、男は一切のチャレンジができなくなるってことなんですかね…。」と、酒に飲まれて悲しくリフレインしていたものです。

 

何が悲しいって、嫁ブロックの際に突き付けられるセリフの多くに、「俺自身じゃなくて俺の肩書が好きだったの?金だったの?」と、夫をへコマセる要素が過分に含まれてしまうところ。嫁としては、パートナーである夫に、「現実を見て欲しい。」という意図で言っていたとしても、受け取り側は残念ながらそこじゃないところ、「愛情がないからなんだ。」に勝手に着地して拗ねてしまいがち。

 

このすれ違いは、一時的にはしのげても、長期的な「夫婦の信頼関係」において大きなマイナスになります。

 

どんな時に「嫁ブロック」は発動されるのか?

では、どのようなシチュエーションや夫の生活習慣が「嫁ブロック」に合いやすいかを先ずは挙げてみましょう。

 

●日頃から仕事や職場の話を妻に相談していない

「妻に仕事の事はわからないから。」「変に心配させたくないから。」と、現状を把握してもらうコミュニケーションをさぼってきたのに、突然「俺、転職するわ!」と告げるタイプ。結果、不安に駆られた妻より「嫁ブロック」発動。

 

●夫に、「夫婦は家庭の共同経営者」という自覚が無い

「俺の転職によって収入は下がるけど、やりくりするように!」というワンマン経営者タイプ。結果、「ふざけるな!」「私は部下か!」と「嫁ブロック」発動。

 

●妻が専業主婦

夫が大手企業で、安定収入だから仕事を辞めて専業主婦になったのに、「会社は小さいけど俺にとってはやりがいがあるんだ!」と、勝手に転職を決めるタイプ。結果、「話が違うぞ!」「仕事辞めなきゃよかった!」と「嫁ブロック」発動。

 

●妻が仕事を持っていて、育児に大変な時

家事と育児を分業していたのに、相談も無く突然、「ベンチャーの役員にヘッドハントされたからチャレンジしたい」と。「平日は終電だから、その分休みの日に子育て手伝うよ。」などと勝手にシフトを決めるタイプ。結果、「平日どうすんだ!」と「手伝うってなんだ!」と嫁ブロック発動。

 

考え方やシチュエーションの差こそあれ、これらは全て、「愛」の問題じゃなく、ただの夫のプレゼン不足、夫婦の日頃のコミュニケーション不足と言えるでしょう。

 

え、コミュニケーション日頃から取ってたのに、「どうしても〇〇会社のあなたじゃなきゃ嫌だ!」と言ってる?それはそれで、「本性見たり!」「我が妻の素顔」ですね。ご愁傷様です。

 

本当に夫を理解しているからこその「嫁ブロック」

でも、本性と言えばですね、夫の本性を知っているのも実は妻だったりするんですよ。

仕事の詳細は解らなくても、「うちの夫はチャンスがあるとプレッシャーに負けて、目の前の事から逃げる傾向がある。」とか、「うちの夫は0から1を生み出すよりも、多くのリソースを使って回していく方が向いている。」など、長所も短所も解っているのが妻であり、夫婦という運命共同体だからこそ体を張ってブロックするのが妻であったりするのです。

 

他人なんて適当ですから、「起業?向いてるよ!やるべきだ!応援するよ!」なんて言われ、ほんとに起業したらほんとに声援だけだった、なんて当たり前のお話です。

 

つきあっていた頃は、自分の仕事やプライベートの夢を、互いに語ったりするものですが、結婚生活が長くなるとデイリーな業務連絡で会話が埋まってしまいがちです。ですから、「嫁ブロック」が発動した時は、夫婦が今一度向き合う大きなチャンスかもしれません。

社会に出て、家庭を持ってみて、独身の頃とは違うビジョンや希望を、お互いに持ち合わせている筈。それをすり合わせることで、夫婦が再びがっちりと絆を構築し、同じ夢に向かっていけたら、こんなにも心強い味方は世間にいないのですから。

 

著者:川崎貴子

川崎貴子

1972年生まれ。埼玉県出身。1997年に働く女性をサポートするための人材コンサルティング会社(株)ジョヤンテを設立。女性に特化した人材紹介業、教育事業、女性活用コンサルティング事業を展開。女性誌での執筆活動や講演多数。著書に「結婚したい女子のためのハンティング・レッスン」「私たちが仕事を辞めてはいけない57の理由」「愛は技術 何度失敗しても女は幸せになれる。」「上司の頭はまる見え。」がある。2014年より株式会社ninoya取締役を兼任し、ブログ「酒と泪と女と女」を執筆。婚活結社「魔女のサバト」主宰。女性の裏と表を知り尽くし、フォローしてきた女性は1万人以上。「女性マネージメントのプロ」「黒魔女」の異名を取る。10歳と3歳の娘を持つワーキングマザーでもある。 Facebookはこちら