ケース別の始末書の書き方と注意点とは(飲酒の失敗・物損・紛失)

 オフィスや飲み会など、会社に関わる様々な場面で、思わぬトラブルが生じる場合があります。会社や周囲の社員からの信頼を回復するには、適切な始末書を提出し、反省や謝罪、今後の対策を明示することが重要です。社内トラブルのうち、飲酒での失敗、備品の物損と紛失に関する始末書の書き方や注意点をご紹介します。

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飲酒で失敗した時の始末書の基本構成と注意点

 お酒は適度な量であれば、周囲の人々と一緒に楽しめ、コミュニケーションも円滑に進みます。しかし飲み過ぎると対人関係や業務に悪影響を及ぼすかもしれません。飲酒に関わるトラブルとしては、飲酒時の不適切な行動、飲酒の強制、酒気帯び運転などが挙げられます。

 飲酒に関する始末書を書く際は、まず基本事項として、冒頭に提出日の日付、提出先の役職者名、そして自身の部署と氏名を記載しましょう。本文では、事実関係の説明と謝罪、そして今後の対策を簡潔に書いていきます。事実関係の部分では、飲み会での粗相であれば「私○○は、某月某日の部内忘年会におきまして、出席された皆様に対し粗相をはたらき不快な思いをおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。当日は忘年会ということで気が緩み、大量の飲酒により酩酊してしまいました。」酒気帯び運転であれば「私○○は、某月某日に自宅付近の路上にて飲酒検問を受け、酒気帯び運転により検挙されました。結果として、某月某日より何日間の免許停止と罰金☓☓円が科されました。当日は友人との食事会に自家用車で出かけ、盛り上がって飲酒をした後、代行運転やタクシーを依頼すべきところを、独断で自家用車を運転してしまいました」などと、トラブルに至った理由を分かりやすく示しましょう。

 続いて今後の対策を、実行可能だと判断できる内容で書いていきます。例えば「今後は節度ある飲酒を心がけ、皆様にご迷惑をおかけしないことを固く誓います」「酒気帯び運転は社会人として、してはならない行為であることを肝に銘じ、二度と間違いを犯しません」などです。

 注意点としては、長々と言い訳を書かないことです。飲酒中は意識が朦朧としたり記憶がなくなったりしてしまう場合もありますが、迷惑を被った相手にしてみれば、そのような事情は関係ありません。簡潔に自らの非を認め、対策を提示しましょう。

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会社の備品を壊してしまった時の始末書の基本構成と注意点

 社内備品を破損してしまうと、修理や買い替え、場合によっては業務の一時的な停止など、会社に対して多大な迷惑をかけかねません。文具などの小さなものなら始末書には至りませんが、OA機器や携帯電話などの高価な備品では、始末書の提出を指示されることがあります。指示を受けたら迅速に書いて提出することが、信頼回復ための第一歩です。

 備品損壊の始末書では、本文において破損した物品と破損の経緯、損害額を簡潔にまとめ、謝罪と今後の対策を示しましょう。例えばノートパソコンを壊してしまった場合は、「私○○は、某月某日会議室において、業務用に支給されているノートパソコンを落下させ、破損させてしまいました。パソコンが起動しなくなったため、すぐコールセンターに問い合わせたところ、修理対応にあたり☓☓円の費用が発生するという結果になりました。私の不始末が招いた損害であり、深く反省し心よりお詫び申し上げます」などです。そして対応策として「以後会社の貸与品は、細心の注意を払って取り扱うよう、気を引き締めて参ります」などと書き、今後同じミスを繰り返さない決意を伝えましょう。

 備品損壊に関しても、注意点としては言い訳を書かないことが挙げられます。また損害額が大きくなってしまっても、すべて正確に記載しましょう。気後れから故意に金額をごまかすと、後々の不信感につながってしまいます。

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社員証や会社の備品を紛失した時の始末書の基本構成と注意点

 社員証や携帯電話、ノートパソコン、鍵などの備品は、自社や取引先の情報漏えいにもつながりかねない重大な過失です。警察に届け出る等の適切な対応を行った後、指示に従い速やかに始末書を提出しましょう。

 備品紛失の場合、本文では備品損壊と同様に、対象物品やその紛失の経緯を記載します。携帯電話やノートパソコンなどの情報端末を紛失した場合は、さらに顧客情報の有無なども併せて記載しましょう。例えば「私○○は、某月某日☓☓駅〜☆☆駅間において、会社支給の携帯電話を紛失致しました。取引先との電話後、ポケットに収めていたところ、電車の混雑に紛れて紛失してしまったと思われます。すぐ駅員に知らせましたが、結果的に発見できませんでした。電話帳登録には、弊社社員や取引先営業員の電話番号が登録してあり、指紋認証によるロックがかかっております。」続いて反省や謝罪の意を示し、今後の対策につなげます。対策としては備品損壊と同じく、自らの不注意を戒め、会社備品に対する意識を高め、慎重に取り扱う旨を書きましょう。例えば「重要な情報端末にも関わらず、軽率にポケットに入れ持ち歩いた点を猛省しております。今後はストラップで首から下げる、必ずカバンに収めるなどの対策をし、二度と同じことを起こさないよう誓います」などです。注意点としては、紛失の経緯を簡潔ながらも具体的に記載することです。自身の不注意による部分と、不可抗力による部分をしっかり示すことで、自身の公正性の確保にもつながります。長く勤める会社との信頼関係を維持するために、始末書はケースごとに適切な内容を選び、迅速に提出することが何より大切だといえます。

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