プレゼンテーションは次郎さんから学びました

こんにちは、Omsubi(オムスビ)のハブチンです。

プレゼンテーションの勉強をしたことがある人なら、きっと一度は参考にしたこがあるだろう、スティーブ・ジョブズのプレゼンテーション。まだ観たことない方がいたらぜひ観てほしいのが、2007年に行われたiPhoneの発表です。

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神妙な面持ちでスクリーンにゆっくり近づき、ちょっとためてつぶやく。

「2年半、この日を待ち続けていた。」

その瞬間、僕はスティーブジョブズに引き込まれていく。
『な、なにを待ち続けていたんだ!(ゴクッ)』

「数年に一度、すべて変えてしまう新製品があらわれる。アップルは、Mac、iPodという革命的な製品を世に送り出してきた。そして、本日、革命的な新製品を3つ発表する」

まだまだタメていく。スティーブジョブズはジラシも天才だ。じらさまくって聴衆のテンションは最高潮。このあとの展開は詳しくは動画をご覧いただきたいが、私は思った。

『こんな感じでプレゼンテーションしたら気持ちいいだろうなぁ!!』

惜しみのないドヤ顔と拍手。舞台袖に戻って思わずガッツポーズして、今夜は美味い酒が呑めるぞなんか言ったりして。妄想は膨らむばかり。

その後もスティーブ師匠のプレゼンテーションを見よう見真似で覚えて、とうとう自分のプレゼンテーションの機会がやってきた。

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タメにタメまくって、惜しみのないドヤ顔を決める。
しかし聴衆はノーリアクション。あれ?シュミレーションと違う。想定外のトラブルに汗がダラダラ吹き出て、伝わらないから補足しようと言葉に言葉をかさねてよくわからなくなっていく。プレゼン途中で、終了の合図。

ご静聴申し訳ございませんでした!

その時、悟りました。あっ自分は「スティーブ・ジョブズ」ではなかったと。電話もなにも再発明しておりませんでした。意気消沈な帰り道、電車のなかでSNSで友達がシェアしていたYoutubeの動画をひらく。

『千葉次郎の挑戦』千葉二郎さん?名前も知らないまま動画が始まる。

www.youtube.com

電車のなかで号泣。
もしこれが女性だったら心配して声をかける男性もひとりやふたりいるかもしれないが、どこぞのわからない兄ちゃんが泣いているときは、どうかそっとしてあげてほしい。

千葉次郎さん(以下次郎さん)に感動した。しかしサックスで福山雅治の「家族になろうよ」を演奏するのだが、しょっぱなから音を外している。このままでは家族になれないはずなのに、どうしてこんなにも心を動かされるのだろうか。

(以下、動画をご覧いただいた後でお読みいただけると幸いです)

想いやストーリーがある

お父さんが結婚式で「ふたりを驚かせたくて」新郎新婦に秘密で音楽教室に通いサックスを習う。習いたてのサックスを一生懸命演奏するお父さん。たとえ音を外していたとしても、サックスを短期間で学んだことがすごいし、最後までやり抜く姿に心をうつ。誰かのため何かをする、それが特定の誰かであればあるほど伝わっていく。

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「俺の演奏を聴いてほしくて」というスナックのカラオケではない。でも自分のプレゼンテーションは「俺の話を聴いてほしくて」になっていた。誰のためにプレゼンテーションしていたのだろう、改めて考えるようになった。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

言葉で説明ではなく体験で表現する

動画の中で次郎さんは一言も言葉を発しない。演奏するだけ。演奏という体験だけで表現する。たとえ音を外していても、想いやメッセージは伝わる。料理は食べてみてはじめてわかる、レシピをどれだけ眺めても美味しいかどうかわからない。

でも自分のプレゼンテーションは、きっとレシピを説明しようとしていた。新しいアイデアであればあるほどイメージをしてもらうのは難しい。最低限でもいいから、体験できるもので語るということを意識にするようになった。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

自分以外の誰かが語ってくれる

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動画で新婦さんが涙ぐんだとき、一番ジーンとしてしまった。全く知らない商品を、営業マンの説明をいくら聞いても欲しくないけど、友人が推薦されたら買ってしまうのと同じかもしれない。

でも自分のプレゼンテーションは、営業マンのセールスだった。説明に説明を重ねれば重ねるほど、嘘くさくなっていく。プレゼンテーションは一方的に発信するものではなく、聞き手や顧客と対話しながら作られていくものと思った。

次郎さんの動画はプレゼンテーションのノウハウについての動画ではないけど、プレゼンテーションにとって大切なことを教えられた気がした。

想いやストーリーがある。
言葉で説明ではなく体験で表現する。
自分以外の誰かが語ってくれてる。

あとでスティーブ・ジョブズの動画を見返したら全部やっていた。

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【筆者プロフィール】羽渕 彰博(ハブチン)
1986年、大阪府生まれ。2008年パソナキャリア入社。転職者のキャリア支援業務、自社の新卒採用業務、新規事業立ち上げに従事し、ファシリテーターとしてIT、テレビ、新聞、音楽、家電、自動車など様々な業界のアイデア創出や人材育成に従事。2016年4月独立。

編集:鈴木健介
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