これって電話マナー違反!?間違えやすい敬語や言葉遣い

 「電話口『何様ですか?』と聞く新人」

 これは2013年に実施された「私が選ぶサラ川ベスト10」で第2位に選ばれた川柳です(注:サラ川=サラリーマン川柳)。2位に選ばれているということは、多くの方が「ありえる!」と共感したということです。しかし、他人事だと捉え笑っている人も、ひょっとしたらありがちな電話マナー違反をしているかもしれません。ありがちな間違いについてご紹介しますので、ご自身の電話対応における言葉遣いが大丈夫かどうかをチェックしてみてください。

これって電話マナー違反!?間違えやすい敬語や言葉遣い

「お名前頂戴できますか?」、「○○様でございますね」は誤った言葉遣い!何がダメ?

 会社にはさまざまな人がさまざまな用件で電話をかけてきます。お客様相談室など直接消費者とやり取りをする部署ならなおさら、電話をかけた相手が最初に名乗るとは限りません。その場合でも、今後の無用なトラブルを避けるため、必ず相手のお名前を確認しなければなりません。このため、相手が用件を話し始めていても、まずは「失礼ですが、お名前をうかがってもよろしいでしょうか」と相手の名前を聞きましょう。

 このとき、「お名前頂戴できますか」と聞く方がいますが、これは間違いです。名前は相手のものであって、教えてもらっても自分のものになるわけではありません。名前を聞くときには、「頂戴する」ではなく「うかがう」、「お聞かせいただく」という表現を使ってください。

 相手の名前を聞いたなら、間違えていないか復唱しましょう。「山田です」と名乗られたら、あなたならどのように復唱しますか?普段「山田様でございますね」と言っている方は要注意です。「ございます」は「ある」の丁寧語であって、尊敬語ではありません。丁寧語は「自分を下げることで相手を立てるための言葉」なので、相手の名前を聞いた場合には相手を直接高め、敬意を示す尊敬語を使用した方がいいのです。また、「ございます」は通常自分のことや自分の物に関し使う表現なので、相手の名前の後に続ける表現として不適切といえます。このため、相手の名前を復唱する際には、「山田様でいらっしゃいますね」と言うようにしましょう。

 日曜日の夕方、「サザエでございまーす」というセリフが聞こえてくるのを聞いた方も多いですよね。彼女は、自分の名前に「ございます」をつけています。もし「いらっしゃいます」と「ございます」の違いがよく分からなくなったら、このセリフを思い出してみるといいかもしれません。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

意外と難しい!取り次ぎ時の伝言の受け方

 名指し人がすぐ電話に出ることが難しい場合、伝言を頼みたいのか、改めて向こうから電話してもらえるのか、あるいは、こちらから電話することを希望するのかについて、相手が希望する対応を確認しましょう。

 もし電話の相手から伝言を頼まれた場合には、伝言の内容について1つ1つ復唱しながら書き取ります。このとき内容を正確に聞き取ることも大切ですが、”敬語・謙譲語への言い換え”を適切に行うように意識してください。

 たとえば「明後日の午後3時にそちらに伺うことになっていたのですが、時間の都合がどうしてもつかないので、日程を変更させてほしい、とお伝えください」と言われたなら、復唱する際には「明後日の午後3時にこちらにお越しいただくご予定でしたが、お時間のご都合から日程を変更されたいとのことでよろしいでしょうか?」等と言い換えてください。復唱といってもそのまま復唱してしまうとマナー違反となりますので、注意してください。

 また、伝言を確認する際、「かしこまりました。山田部長に申し上げておきます」と言ってはいけません。自分の上司であっても、社内の人間である以上、呼び捨てにして伝えるのがマナーです。ただし、「部長の山田」と伝えるのであれば問題ありません。さらに先ほどの例にはもう1点誤りがあります。「申し上げる」はこの場合部長を敬う言葉なので使ってはいけません。この場合の正解は「かしこまりました。山田に申し伝えておきます」です。

 そして最後にはもう1度、自分の名前を名乗ります。自分の名前の後に続ける表現なので、「ございます」を使います。

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誰だってはじめは初心者!焦らないことが大切

 取り次ぐ場合には、スピーディーに対応するように意識してください。相手の名前を確認したら保留ボタンを押して、名指し人に電話があったことを伝えます。保留で相手を待たせておく時間は1分以内にしてください。もしそれ以上かかりそうなら、「改めてこちらからかけなおします」と伝えるのも1つの方法です。すぐに名指し人が電話に出られるのであれば取り次ぎます。そして、取り次いだことを確認してから、静かに受話器を置きます。

 もし名指し人が電話に出られないのであれば、「申し訳ありません」と謝罪したうえで、いつ頃なら電話が可能なのかを伝え、相手の意向(折り返し電話が必要か否か、伝言を希望するか否か)を確認してください。

 電話対応は覚えることが多く、また、迅速な対応が求められるので、簡単ではありません。しかし、今は完璧にこなしている上司や先輩も電話対応に不慣れな時期がありました。あなたも焦らず場数をこなしていけば、いつかは後輩から憧れられる電話対応ができるようになるはずです。

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