あなたは親離れできている!? いつまでも親から自立できない人の原因と対策

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 日本では民法の規定で20歳から「成人」と決まっています。しかし、就職先を決めるのも親のアドバイスなら、入社式には親が付き添い、社会人になってからも親元に住み続け、家にお金を入れるどころか、困ったことがあると資金援助を受け、結婚や転職といった人生設計まで親のアドバイスに頼り続ける人がいます。このように、親離れできない社会人が生まれる原因のひとつには、子離れできない親の存在があるようです。

 親離れできない人の特徴と、その改善方法を紹介します。

親離れ・子離れとは?

 子どもは思春期を迎えると、親の干渉を嫌がってプライベートな時間や空間を持ちたがります。その過程で個性を確立させたり、親元から離れて自立しようと考えます。これが「親離れ」です。

 それに対して、それまで子どもを大切に育て、面倒を見ていた親が、その手を離して、子どもを社会へ送り出すことを「子離れ」と言います。親子関係では、まず子どもから離れようとするのが一般的です。こうして子どもはひとりの社会人として巣立っていくわけですが、なかにはそれがうまくできない家族がいます。

なぜ「親離れ」「子離れ」がうまくいかないのか?

 原因はそれぞれの家族によって違いますし、複雑な要素が絡んでいてひとつだけに絞ることはできません。ただ、有力な原因のひとつとして考えられるのは、親の「過干渉」です。過干渉は「過保護」とは違います。過保護は、子どもを甘やかしすぎて好き放題させることです。その結果、子どもの自信や自己愛が肥大化し、いじめをしたり、不良行為を働くようになったり、DVやパワハラを行うような大人に育つおそれが指摘されています。

 一方、過干渉な親は、子どもが望む前に手伝ったり、失敗しそうなことを先回りして回避させることで、自我の発達の芽を摘み、自主性を否定して、親のロボットのように子どもをコントロールしてしまいます。こうした親は過干渉を指摘されても、「親が子どもの心配をして何が悪い」と開き直る傾向が見られます。親は、いつまでも子どもに干渉し続け、子どもの意見を否定し、アドバイスに従わせ続けることで、「この子は私がいないとダメだ」と無意識に思い込んでしまいます。その結果、20歳を過ぎても親離れできない子どもと、子離れできない親ができてしまうのです。

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あなたは自立できている?「親離れ」できない人とは?

あなたは親離れできていますか?親離れできない人の具体的な特徴を見てみましょう。

●親離れできない人とは?

 親離れができていない人に多く見られる特徴は、一般的に「親の希望した職場・仕事に就いている」「親と同居していて、母親が外で働いていない」「部屋に学習机やぬいぐるみが置いてあり、小さいころのまま」「母親が買ってくる服を着ている」「母親といつも買い物や旅行にいく」などが挙げられます。また、親と友達のような関係というのも、よく見られる特徴です。微笑ましい親子に見えるかもしれませんが、こういうケースでは親が干渉しすぎていて、子どもが成人しても自分の意思で物事を決定できないということが往々にして見られます。

●親に甘えたままの社会人はどうなるの?

 親に依存したままでいると、さまざまな問題が起こります。親が子どもの結婚相手にまで口出しするというのはよくあるケースです。また、結婚後も親と同居して、伴侶より親の意見を優先したり、独立してもすぐ実家に帰るという人もいます。

 親もいつまでも若くないのです。30歳を過ぎてから、親が「そろそろ自立しないと」と子どもに促しても、手遅れの可能性があります。

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親離れできていない人はどうすればいいのか?

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 介護など特別な事情がある場合を除き、まず実家を出て一人暮らしをしてみると変化が訪れます。次に、何でも親に聞くのではなく、自分の意思で物事を決定し行動する機会を意識的に増やすことが大切です。初めは難しいかもしれませんが、自分の人生です。親がいつまでも面倒を見てくれるわけではありません。最初は反対を受けるかもしれませんが、親離れのためと思い、押し切る勇気を持ちましょう。自立するためには、拒否することも必要です。それは自分のため、ひいては親のためにもなります。以下に親から自立すべき3つのポイントをまとめます。

●精神的自立

 大人になれば、親は対等な存在です。今までは親の意見に従っていれば何とかなったし、それが楽だったかもしれませんが、それではいつまでたっても自立できません。同じ目線で、相手を尊重しながらも、しっかりと自分の意思を持って関わりましょう。

●物理的な自立

 両親の生活と、自分の生活を分けましょう。たとえ実家暮らしだとしても、自分だけのテリトリーをつくることが大切です。そうすることで、「自分の人生は自分で決めなければならない」という自覚が芽生えてきます。

●経済的自立

 親に頼らないと、家賃などの経済的負担が非常に大きくなります。お金に対して、常にシビアな考えを持たなくてはなりません。しかし、それが大事なのです。誰にも管理されなくなることで、「自分でどうにかしなければいけない」という意識が高まります。経済的な自立をすることで、精神的にも物理的にも自立することができます。

主体性のない社会人にならないために

 社会人になっても親から自立できていない人は、主体性に欠け、「誰かが何とかしてくれる」と考える傾向が多いようです。これが親子関係のみに作用するならまだいいのですが、ビジネスの現場ではそのまま「自分で判断ができない」「責任感がない」といったマイナス面につながります。親を敬い、良好な親子関係を築くことはもちろん大切ですが、いつまでも親に依存していては自分が成長できません。もしあなたが「親離れできていないかも…」と感じたら、勇気を出して新たな一歩を踏み出してみませんか。

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