英語が公用語の会社でなくても、突然英語の電話がかかってくることがあります。それも聞き取りやすい、きれいな発音の人ばかりではありません。企業のコールセンターが置かれているアジア諸国からなまりの強い英語の電話がかかってくることもあります。そんな電話を受けてアタフタする姿を見られたら恥ずかしいですし、無言で切って周りには「間違い電話でした」とウソをついてしまうと、後で問題化するおそれがあります。では、英語の電話を受けた時、英語が苦手な人はどうすればいいのでしょうか?簡単なフレーズと対応策を紹介します。
目次
Lesson1 これで十分!英語が超苦手な人のための「最低限のフレーズ」
英語の電話が難しいのは、相手の表情が見えないからです。多少英語が話せる人でも、電話英会話に苦手意識を持っている人は大勢います。もともと英語が苦手な人ならなおさらでしょう。Lesson1では、英語が超苦手な人向けの対処法を用意しました。
まずは英語のできる人に代わる
とにかく英語が話せる人にバトンタッチしましょう。その際、相手に失礼にならないよう、このフレーズだけは覚えておきましょう。
Hold on ,please.
(そのままお待ちください)
Could you wait a moment.
(少々お待ちください)
I’ll get an English speaker.
(英語のできる者に代わります)
There is no English speaker here.
(いま英語のできる人がいません)
【ポイント】
これくらいは丸暗記しておきましょう。しかし、無理に英語で対応しようとすると、深みにはまる可能性があります。背伸びせず、英語が話せる人に電話を代わるようにします。
その際、気をつけるのは発音です。英語を話すのが恥ずかしいからといって、日本語そのままの発音で英語を話すと、相手が聞き取れず、感情を害することがあります。できる範囲で英語っぽく話すようにしてください。
Lesson2 かろうじて英語ができる人向け「初級フレーズ」
多少英語ができるからといって話し続けていると、相手がスケジュールや予算といった数字を会話に織り交ぜてくることがあります。この数字の聞き取りがまた難しいのです。コツはやはりここでも英語ができる担当者につなぐこと。Lesson2では、少し英語が話せる人を対象に、英語ができる人へ電話を代わるフレーズを中心に取り上げます。
《最初に電話を受けたときのフレーズ》
Good morning, ○○○、how may I help you ?
(おはようございます、○○○社です)
May I have your name,please ?
(お名前を教えて頂けますか?)
Could you speak more slowly ?
(もう少しゆっくり話してください)
Could you speak up a little ?
(もう少し大きな声で話していただけますか?)
I think we have a bad connection.
(電波の調子が悪いようなのですが)
I’m sorry but I can’t hear you.
(すみません、ちょっと聞き取りにくいのですが)※回線が不調の時
Can you hear me ?
(聞こえてますでしょうか?)
《他者あての電話を受けたときのフレーズ》
I’ll connect you to the person in charge.
(担当の者に代わります)
He/She is on another line right now.
(ただ今、別の電話に出ております)
He/She is not at his/her desk right now.
(ただ今、席を外しております)
He is not with us anymore.
(彼は退職いたしました)
I’ll put you through to Mr/Ms. ○○.
(○○に、転送いたします)
Could you call back in 3 hours ?
(3時間後にまたかけ直していただいてもよろしいでしょうか?)
He/She is off today.
(今日は、お休みを頂いております)
He/She’ll be back in the office on Monday.
(月曜日には、戻ります)
Would you like to leave a message ?
(伝言をうけたまわります)
May I have your number ?
(電話番号を教えていただけますか?)
Thank you for calling.
(お電話ありがとうございました)
【ポイント】
通常の英会話は「よどみなくスピーディーに話すこと」が重要だとされますが、英語の苦手な人が電話でこれをすると、相手は英語が通じるものだと思って、さらにペラペラ話されるという事態になります。そうならないためには、落ち着いてゆっくり話すことと、聞き取れないのにわかったふりをしないこと。遠慮なく上記のフレーズを使い、英語が話せる人に電話を代わるようにしてください。
Lesson3 知っていると役に立つ!電話英語の豆知識
会話は生き物ですから、何が起こるかはわかりません。Lesson3は、英語が苦手な人のために「不測の事態で役立つ豆知識」を紹介します。
何と言って電話を切ればいいか分からない!
日本語の会話では、「よろしくお願いいたします。失礼いたします」と言いながら電話を切ることが多いと思います。英語には「失礼します」に直接当てはまる言葉がないので、通常は「Bye」または「Good bye」で終わります。相手がクライアントでも上司でも関係ありません。「Bye」でOKです。
また、電話を受けた場合は、「Bye」の前に「Thank you for calling.」をつけ、「Thank you for calling. Bye」と言います。
日本の会社だと思って電話をかけたら外国人が出た!
最近は外国人社員も増えてきました。日本の会社だと思っていたら、「Hello」と明らかにネイティブな発音の人が電話に出た時はどうすればいいのでしょうか?次のようなフレーズを使ってみましょう。
Hello. May I speak to ○○, please ?
(こんにちは。○○さんはいらっしゃいますか?
I’m sorry but I don’t speak English. Is there anyone who speaks Japanese ?
(すみません、英語は話せません。日本語ができる人はいますか?)
間違い電話がかかってきた
ドメスティックな会社なのに、英語で電話がかかってきた。四苦八苦して聞いていると、どうも間違い電話のようだ――こんなケースもあるでしょう。そういう場合は、こう言います。
I’m sorry. I think you have the wrong number.
(お電話をお間違えのようです)
定型フレーズを丸暗記して何度も練習を
電話の応対で必要になる英語のフレーズは、ある程度決まっています。上に挙げたフレーズを見ても、「なんだ、簡単じゃん」「知ってるフレーズばかり。これで大丈夫なの?」と思った人もいるでしょう。でも、英語の電話がかかってきた時、本当にアタフタせず、これらのフレーズがスラスラ言えますか?そのためには丸暗記して、いつでも対応できるよう準備しておきましょう。上のフレーズだけでも、英語が話せる担当者に代わるまでの急場しのぎになります。一度スムーズに運べば、英語に興味が出てきて、「本格的に勉強してみようかな」という気になるかもしれませんよ。