Webマーケティング入門者が押さえておくべき超基本用語34選

Webマーケティングの施策は多岐に渡り、初めて携わる人には聞きなれない用語がたくさん出てきます。今回は、「Webマーケティングを勉強したいけど、専門用語が多すぎて理解できない!」という人のためのWebマーケティングの基本のキとなる34単語を解説します。

f:id:careerca:20151023224539j:plain

1.SEM(Search Engine Marketing)

検索エンジンから自社Webサイトへの訪問者を増やすためのマーケティングの総称で、SEOや後述のLPO、リスティング広告など検索エンジンに対するマーケティング全般を指します。ただしSEOとの対比でSEMと呼ぶ場合など、狭義の「SEM」はリスティング広告のみを指すこともあります。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

2.SEO(Search Engine Optimization)

GoogleやYahoo! などの検索エンジンにおいて検索結果が上位になるよう自社Webサイトを構築する施策を指し、「検索エンジン最適化」とも呼ばれています。Webマーケティングの最も基本的な手法ですが、検索エンジンのアルゴリズムに合わせてSEOの施策を行うため、アルゴリズムが変更された際には対応が必要な場合があります。「検索」という能動的に情報を求めているユーザーを集める施策であり、リスティング広告と違いクリックに応じた課金などが発生しないため、他の集客手法と比べて費用対効果が高くなりやすい(外部コストが抑えやすい)施策とされています。

8,568通り、あなたはどのタイプ?

3.KPI(Key Performance Indicator)

「重要業績評価指標」と訳され、企業の目標達成の度合いを定義するための指標を指します。定量化することが難しい目標を達成するために、その中間地点において測定可能な指標をKPIとして設定します。例えばECサイトの年間売上高アップを目標とした場合、月間PV数をKPIのひとつとすることができます。

なお、KGI(Key Goal Indicator)という言葉がありますが、これは達成すべき目標そのものを指す指標で、先の例で言えばECサイトの年間売上目標がそれに当たります。

4.CV(Conversion)

Webサイトの閲覧者が商品購入や資料請求などの行動を起こしたことによって達成された成果を指します。

何をコンバージョンと定義するかはWebサイトによって異なりますが、見込み客が顧客へと「転換する」というニュアンスを具体的に示す言葉として頻繁に使用されます。一般的にWebマーケターが主要な成果指標として置いていることが多いです。

5.PV(Page View)

閲覧者のWebブラウザに「Webページが表示された回数」を表します。Webサイトのトラフィック(ユーザーの流通量)を計る指標としてよく利用されます。Webの黎明期から使用されてきた指標ですが、たとえば不自然にページを分割してPVを水増しすることができることや、1ページあたりの滞在時間が仮に1秒で、ほとんどコンテンツを閲覧していなくても1PVにカウントされてしまうことなどから、徐々にPVに変わる指標を用いるサイトが増えてきました。

6.セッション

ユーザーがWebサイトにアクセスし、他のWebサイトに移動(離脱)するまでの一連の流れを指します。主にアクセス解析で測定される数値です。

Webサイトから離脱する以外にも、30分以上行動がない場合には“セッションが切れた”と判断されます。セッション数とUU数の変化を比較することで、一度Webサイトに訪れたユーザーがどのくらい再訪しているのかを測ることができます。

7.UU(Unique User)

「特定のWebサイトに訪れた訪問者の数」を指します。

例えば、一人のユーザーがある企業のWebサイトで3つのページを閲覧すると、PVは3ですがUUは1となります。類似の指標として、ユーザーのブラウザ(閲覧ソフト)数を計測するUB(Unique Browser)があります。

8.imp(Impression)

「インプレッション」と呼ばれ、Web上で広告が表示された回数を指します。

ひとつのWebサイト内で表示される広告がランダムな場合など、PVとインプレッションが一致しないケースにおいて、広告がページ上に表示された回数を測るために使用されます。ただ、表示された=人の目に触れたかというと、必ずしもそうではありません。広告のある場所までスクロールせずに別のページに遷移した、なんていうことも当然発生します。そこで「スクリーン上で広告の半分以上が1秒以上表示された」ことを意味するviewable impressionといった指標も生まれています。

9.CTR(Click Through Rate)

クリック率とも呼ばれ、インプレッション数に対して広告がクリックされた割合を示します。配信期間内の広告のクリック数÷配信期間内の広告のインプレッション数で算出します。

CTRはクリエイティブ(広告の表現内容)や広告のサイズ・表示場所などに左右されるため、それぞれの広告パターンの効果を検証するための指標として用いることもあります。

10.CPC(Cost Per Click)

クリック単価とも呼ばれ、Web広告が1クリックされるたびに広告主が支払う料金を指します。

Web広告のそれぞれの施策のコストを検討する際に重要な指標です。

11.CVR(Conversion Rate)

WebサイトのPVやUUに対してコンバージョンが達成された割合を示します。一定期間内のCV数÷一定期間内のPV数(あるいはUU数)で算出することができ、広告効果の比較などで用いられる数値です。

CVRはユーザーの流入元とランディングページの整合性、ランディングページ上で伝える情報の順番や登録フォームへの動線などに左右されるため、たとえばボタンの色を変える、登録フォームで聞く内容や操作性を変える、といった施策を打った際の検証指標としても使われます。

12.CPA(Cost Per Action/Cost Per Acquisition)

顧客獲得単価とも呼ばれ、顧客を一人獲得するのにかかる費用を指します。広告費用÷CV数(売り上げ、資料請求件数など)で算出します。

Web広告の費用対効果を検討する際に重要な指標です。

13.ROAS(Return On Advertising Spend)

費用対効果とも呼ばれ、広告費1円に対する売上額を「売上÷広告掲載費用」で表します。広告の効率性を見るために使用される指標です。

また「売上÷広告掲載費用×100」とすることで、広告掲載費用に対して何パーセント売り上げることができたかを算出します。

広告の費用対効果をはかる指標としてはCPAよりも本質的で、ECサイトなど、コンバージョン数だけでなく成果ごとの売上まで計測できるビジネスにおいて使用します。

14.ROI(Return on Investment)

投資対効果とも呼ばれ、広告費1円に対する利益を「(CV数×平均利益単価−コスト)÷コスト」で表します。ROASの数値が高くてもROIが1未満となる場合は、利益的に赤字になるため、有効な施策であると言えません。

また「(CV数×平均利益単価−コスト)÷コスト×100%」とすることで、広告掲載費用に対する利益率を算出します。複数の集客手法があるなかで、どれにいくらの予算を投下するか、といったポートフォリオを組み立てる際に最重要指標として使われます。

15.テキスト広告

Web広告の形態のうち、文字のみで表現されているものを指します。

シンプルながらも比較的安価に出稿できることが多いのが特徴です。またPR表記は入るものの「広告らしくない」風にユーザーに映り、掲載場所によっては高いCTRが望める場合もあります。

16.ディスプレイ広告

画像やFlashなどを使用した広告をWebサイトの一部に表示するものを指します。

視覚的に表現できるのが特徴で、Webページの一部にリンクを設定した画像を埋め込む「バナー広告」がディスプレイ広告の代表的な例です。

現在(※)では一度サイトを訪問したユーザーに対して広告を配信するリターゲティング広告が主流になっています。

※2015年9月現在

17.リスティング広告

GoogleやYahoo! などの検索エンジンにおいて検索結果の画面に表示される広告を指します。

ユーザーの検索内容に連動した広告を表示できるため「検索連動型広告」とも呼ばれており、1クリックごとに広告主に料金が発生するPPC(Pay Per Click)型の形式をとっています。能動的に情報を検索しているユーザーに対して関連性の高い広告を表示できるため比較的獲得効率がよく、一般的にCV獲得を目的としたWeb広告の中では最も大きい広告予算を割り当てられることが多いです。

18.アフィリエイト広告

Webサイトやメールマガジンに広告を表示して、クリック数や商品購入数などに応じて広告主が料金を支払うPPA(Pay Per Action)型の広告を指します。

「成功報酬型広告」とも呼ばれており、広告を掲載すること自体には費用がかからないため、広告主にとってリスクの低いメニューといえます。

19.リワード広告

アフィリエイト広告のうち、ポイントサイトなどで広告のクリックやアプリのダウンロードを行ったユーザーに報酬を付与するものを指します。

その中でもアプリのダウンロード数を急上昇させてランク入りさせることを目的とした広告は「ブースト広告」という通称で呼ばれることもあります。

20.アドネットワーク広告

アドネットワーク事業者が構築した「広告配信ネットワーク」を利用することでWebサイトに表示される広告を指します。

広告主はアドネットワーク事業者に依頼するだけで、さまざまなWebサイトに広告を掲載することができます。近年ではブラウザが発行するIDのような役割をもつCookieを利用してユーザーを特定し、そのユーザーがどんなサイトを見ているのか、どんな情報に興味を持ちやすいのかといった傾向に合わせた広告を表示させることが主流となっています。

21.アドエクスチェンジ

複数のアドネットワークを束ね、需要と供給のバランスを図った広告をアドエクスチェンジと呼びます。RTB(Real Time Bidding)という方式を取り、広告枠が表示された瞬間に入札形式によって表示される広告が決まる仕組みを取っているケースが多く、その最適運用を自動化するツールをDSP(Demand-Side Platform)、媒体側の収益最大化の観点で最適化を行うツールをSSP(Supply-Side Platform)といいます。

22.アクセス解析

WebサイトのPV数やUU数、サイト閲覧者の利用環境や行動をWebサイト運営者が解析するために利用するツールを指します。

ユーザーの傾向を客観的に分析できるため、サイト改善やWebマーケティングに多く利用されています。

代表的なアクセス解析ツールにSiteCatalystやGoogle Analyticsがあります。

23.オーガニック検索(自然検索)

検索エンジンの検索結果のうち、リスティング広告などの有料広告枠をのぞいた部分を指します。アクセス解析を利用してオーガニック検索からのアクセス数を測定することができます。

オーガニック検索は、能動的に情報を検索しているユーザーに対する接点となるため、リスティング広告と同様に成果に繋がりやすいとされています。そのためオーガニック検索における表示順位を上げることがSEOの目的となります。

24.直帰率・離脱率

Webサイトにおいて、一番はじめにアクセスしたページのみを閲覧してそのサイトから立ち去ったユーザーの割合を「直帰率」と呼びます。

一方で特定のWebページにおいて、そのページを最後にサイトから離脱したユーザーの割合を「離脱率」と呼びます。

検索エンジン等から直接配下のページに訪問したユーザーは、求めている情報が載っていないと判断した場合、すぐに検索結果に戻っていきます。このように直帰率が高い場合には、ユーザーの求めるコンテンツが提供できていない可能性があります。一方で、サイトの動線がわかりづらいことが原因になることもあるため、デザイン改善などで直帰率・離脱率の抑制が図られることもあります。

25.LP(Landing Page)

ランディングページと呼ばれ、Web広告や検索エンジンからWebサイトに訪れたユーザーが、一番はじめに訪れるページを指します。

広告施策においてはCVRを高めるため、余計な回遊をせずスムーズにCVへ誘導できるよう、必要な情報と強いCV導線を設置したLP用のページ(=狭義のLP)を個別に作ることが一般的です。

26.LPO(Landing Page Optimization)

Web広告や検索エンジンからWebサイトに訪れたユーザーの離脱を防ぎ、コンバージョンに誘導させるために行う施策を指します。

主なLPOとして、検索内容や広告のクリエイティブに応じて違うランディングページを設置する施策が行われています。

27.EFO(Entry Form Optimization)

会員登録や資料請求、商品購入といった場面における入力フォームを最適化することで離脱を防ぎ、コンバージョンを向上させるために行う施策を指します。

例えば、住所入力フォームに郵便番号を入力するだけで都道府県から市区郡までを自動入力する機能はEFOの一例です。

28.CRM(Customer Relationship Management)

データベースにある顧客の情報を管理・利用しながら対応することで、顧客との間に信頼関係を築き、顧客満足度を向上させるための手法や戦略を指します。顧客情報を活用するため、CVが発生した後に実施する施策となります。

顧客の属性や購入履歴・Webサイトへの訪問履歴・問い合わせ内容などのデータを細かく分析して顧客を理解し、その顧客にあった適切なサービスを提供することで、コンバージョンだけでなく自社のイメージも向上させることができます。

29.DMP(Data Management Platform)

Web上のあらゆるデータを収集・分析し、マーケティングに活用するためのプラットフォームを指します。さまざまなWebサイトのデータを集めたクラウド型の「オープンDMP」と、自社サイトの購買データなどを収集した「プライベートDMP」の2種類が存在します。

CRMが顧客固有のデータを利用するのに対し、DMPは顧客のWeb上の行動データを利用してマーケティングを行うのが特徴です。

30.SMM(Social Media Marketing)

TwitterやFacebookなどのSNSを利用したマーケティング施策を指します。

宣伝を発信するだけでなく、ユーザーのコメントに返信を返したり、Twitter上で会話したりすることでユーザーと関係性を作り、長期的なマーケティング効果を狙う手法が注目されています。

31.モバイルフレンドリー

Webサイトの表示が、スマートフォンなどのモバイル端末での閲覧に最適化されている状態を指します。基本的には、スマートフォン向けサイトを導入することで、モバイルフレンドリーな状態にすることが可能です。近年よく耳にするレスポンシブデザイン(1つのソースコードで、パソコン・モバイル・タブレットのすべての端末で同じような表示となるデザイン)はスマートフォン向けサイトを作る際の手法のひとつです。

Googleの検索アルゴリズムが2015年4月にアップデートされ、モバイル検索においてモバイルフレンドリーが検索順位に影響するようになりました。

32.コンテンツマーケティング

企業がブログなどを利用して”ユーザーにとって読む価値のあるコンテンツ”を提供することによって、ユーザーの興味や関心を自社に向かせ、将来の顧客とすることを目的としたマーケティング施策です。

コンテンツマーケティングにおいては、企業に対する好意や信頼感を読者に与えることが重要であり、良質なコンテンツを定期的に更新することが求められます。

33.オウンドメディア

Webサイトやメールマガジン、カタログなど広告主企業が運営するメディアを総合した呼称です。現在では主に、コンテンツマーケティングにおいて企業が情報を発信するWebメディアを指します。

他にも費用を支払って宣伝するためのWeb広告をペイドメディア、ユーザーのファン化を促進するTwitterやFacebookなどのSNSをアーンドメディアと呼びます。

34.ネイティブアド

デザイン、内容、フォーマットが、媒体社が編集する記事・コンテンツの形式や提供するサービスの機能と同様でそれらと一体化しており、ユーザーの情報利用体験を妨げない広告コンテンツを指します。

コンテンツマーケティングの手法のひとつであり、多くの手間やコストを必要としますが、ユーザーの興味や関心を惹く内容にすることで継続的な広告効果を得ることができます。ただし、編集コンテンツと一体化しているだけにユーザーの誤解をまねく恐れがあるため、<PR>の文言を入れるといったルールが存在しています。

以上、34個のWebマーケティング用語をご紹介しました。

一度に覚えるのは少し大変かもしれませんが、実際にWebマーケティングを行う上で、用語のしっかりとした理解は重要となっていきます。ひとつずつ覚えながら使えるようにしていきましょう!

ライター:篠田 咲

PC_goodpoint_banner2

Pagetop