「アプリには詳しくなくて…」はもう通用しない!?アプリ後の世界に生まれたWebマーケ用語10選

スマートフォンの普及によってWebマーケティングの手法にも大きな変化がありましたが、中でもインパクトの大きな変化のひとつが「アプリ」の存在ではないでしょうか。PC主体のWebマーケティングの時代にはなかったこの「アプリ」という存在は、企業とユーザーのコミュニケーションに確実に変化をもたらしました。

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ただ「アプリ」のマーケティングにどれくらい力を注いでいるか、という点でいうと、業界や企業によって大きく異なるのが現状ではないでしょうか。アプリに力を入れなくてはいけないことはなんとなく分かりつつも、優先順位の問題もありなかなか手をつけられていない。その結果知識が追いつかなくなり、何か質問をされた際「アプリのことはよく分からないんだよね」と答えてしまう。そんなWebマーケターの方、いらっしゃいませんか?

そこで今回は、アプリの登場によって新たに生まれ、よく使われるようになったマーケティング用語について解説します。

CPI

Cost Per Installの略で、インストール1件あたりの費用を指します。従来のWebマーケティングでいうCPA(Cost Per Action)に該当する指標で、インストールを目的としたプロモーションにおいて費用対効果を図る非常に重要な要素となります。

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ARPU / ARPPU

ソーシャルゲームなどの課金モデルにおいて非常に重要となる指標です。前者はAverage Revenue Per User、後者はAverage Revenue Per Paid Userの略となり、どちらも「アープ」と読むことが多いです。わかりやすくいうと「客単価」を意味する言葉で、前者はユーザー1人あたりの平均売上額、後者は課金ユーザー1人あたりの平均売上額を意味し、対象となる分母が異なるものであると理解しましょう。

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LTV

Life Time Valueの略で、顧客生涯価値といった言葉で訳されます。この言葉自体はアプリが出てくるずっと前から存在する言葉ですが、アプリの登場によって今まで以上によく使われるようになりました。というのも、たとえば課金モデルのアプリであれば、1回インストールしてもらえれば、継続的な売上を見込むことができます。1人のユーザーにどれだけ継続的に使ってもらえるか、という意味で、アプリにおいては非常に重要な指標となります。

MAU / DAU

こちらもアプリ登場以前から存在している言葉ですが、LTVと同様にアプリ登場後により使用頻度が高まりました。前者はMonthly Active User、後者はDaily Active Userの略で言葉の違いは月次で見るか、日次で見るかの違いです。インストールしたものの結局ほとんど使っていないアプリ、あなたのスマートフォンにも入っていませんか?つまりアプリのインストール数と実際にそのアプリを使っているユーザー数は大きく乖離するケースがあり、そのアプリの実質的なユーザー数を図るために使用される指標になります。

プッシュ通知

Webとアプリの大きな違いのひとつが、このプッシュ通知です。これはアプリをインストールしてくれているユーザーに対して、企業側(アプリ開発側)が能動的にコンタクトを取れる機能で、たとえば「新商品が発売されました」「新しく記事が公開されました」といった情報を届けることで、アプリの利用促進を図ります。無料でユーザーに呼び掛けられることから、うまく使えば非常に有益なマーケティング手法となります。もちろん、やり過ぎてしまうとユーザーに嫌がられてアンインストールされてしまうことにもなりかねないため、むやみに乱用するのは逆効果です。

ASO

App Store Optimizationの略で、アプリ版のSEOといったイメージでしょうか。アプリマーケット(iOSでいうApp Store、AndroidでいうGoogle Play)でアプリを探す方法は、カテゴリごとのランキングから探すか、キーワードを入力してアプリを検索するかの大きく2通りです。ASOは後者への施策を指し、アプリマーケットでキーワード検索をしたユーザーに対して、いかにその検索結果で上位に表示されるかを狙います。

SEO同様、そのアルゴリズムは非公開かつ定期的に変化しますが、主にアプリタイトルやディスクリプション、またインストール数などが影響されていると言われています。但し、KWを詰め込み過ぎると、App StoreやGoogle Playからアプリが削除されてしまうことがあることに注意しましょう。また、Webとの大きな違いとして、キーワードの検索数を取得できない(※)点も覚えておく必要があります。

※2015年9月現在

リワード広告

アプリのインストールごとに費用が発生するタイプの広告で、インストールしてくれたユーザーに対して何かしらのインセンティブを付与することで、インストールを促す広告手法です。分かりやすく言うとアプリ版のアフィリエイト広告のイメージです。

ASOがキーワード検索での順位上げを目的にしているのに対して、リワード広告はカテゴリでのランキング上げを目的に使われるケースが多いです。リワード広告でアプリをインストールしてくれたユーザーは、インセンティブ目的のケースが多いため必ずしも良質なユーザーとは言い難いのですが、一気にインストール数を伸ばすことによってカテゴリのランキングが上昇すると、実際にそのカテゴリのアプリを探している良質なユーザーにインストールしてもらえる可能性が高くなります。短期間で一気にインストールを集めることから「ブースト施策」という通称で呼ばれることもあります。

ディープリンク

一般的にアプリを起動するとTop画面から閲覧をスタートすることになりますが、アプリ内の特定の画面へ直接遷移させることをディープリンクと呼びます。例えばあるサイトの「渋谷のカフェ」のページにグルメアプリの広告を表示し、アプリマーケットへの誘導を図っていたとします。その際、その広告をクリックしてインストールしたユーザーには、初回起動画面を「渋谷のカフェ」の画面に設定することができます。これがディープリンクです。

SDK

Software Development Kitの略で、簡単に言うとアプリに機能を追加していく開発キットのことを指します。計測ツールを導入する際などに設定が必要なものになるため、Webマーケティングに従事されてきた方にとっては、Webでいう「計測タグ」に近いといえばわかりやすいかもしれません。複数のタグをまとめて管理する「ワンタグ」が登場したように、SDKにも同様のものが存在します。ただ、アプリの仕様や会社のポリシー、あるいはSDKの仕様によっては、Webにタグを設置するよりもはるかに大きな工数がかかるケースがあるので、SDKの導入が必要と分かった際は、導入に必要な工数を早めに確認しておくことをおすすめします。

リジェクト

アプリマーケット上から該当アプリが削除されてしまうことですが、そうなってしまうとどれだけ検索をしてもユーザーはアプリをインストールすることができなくなってしまいます。どれだけユーザーに支持されているアプリであっても、ルール違反をしてしまえば削除されてしまうため、大きな機会損失を生むことになります。また多くの場合その告知は、「●日以内に該当箇所を修正して申請しないと削除します」という形で行われ、あまり猶予がない、あるいは修正工数が間に合わない、ということもあります。iOSとAndroidそれぞれでルールが異なるため、アプリを新たに開発したり、新しい機能を追加したりする際には注意が必要です。

これまではゲーム業界など特定のマーケットで大きく先行していたアプリの活用ですが、今後はより幅広い業種のマーケティング活動において、アプリが成果を上げるようになってくるでしょう。そんな中でアプリのマーケティングノウハウにキャッチアップできていないと、Webマーケターにとって致命傷にもなりかねません。食わず嫌いせずに、ぜひ積極的に情報を収集してみてください。

監修:リクナビネクストジャーナル編集部

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