メールのあて先が役職順に並んでいないのはマナー違反?

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■メールのあて先の並び順、気にしていますか?

業務上でやり取りするメールの場合、その仕事に関係する複数人に宛ててメールを送る場合がよくあります。その際、あて先の並び方について、皆さんはどの程度意識されているでしょうか?

実際にメールのやり取りを毎日行なっているビジネスマンに聞いてみると、ほとんどの方が「役職順で並べている」とのことでした。

一般社会では、受け取ったメールのあて先が役職順に並んでいない場合、違和感を感じる人も少なくありません。「仕事で関わっている組織の体制を理解していない証拠。物事の全体を把握せずに仕事をしている人物だと判断する」という厳しい意見があがることも。メールのあて先の並び方には、何らかの意味があると考えられる、と心得た方が良さそうです。

役職順を知らなくても、社内向けのメールであれば、組織表などで確認することが可能です。相手が社外のお客様でも、1社だけの場合は、メールを送る相手の役職順はなるべく早い段階で把握し、メールアドレスを役職の順番で並べられるようにしたいものです。また営業先であれば、訪問時に頂いた名刺に書かれた肩書はもちろん、先方がどの順番で座っていたかなどからも役職順を把握できるでしょう。

ただし、あて先に専門職のメンバーが多い場合などは、そもそも序列がない場合もあります。また、複数の会社のお客様宛に送るメールでは、例えばA社とB社に序列をつけているような印象を与えるのは避けたい、ということも。そのような場合は、どうすべきなのでしょうか?

■役職順がわからない場合のあて先の並べ方

役職順がよく分からない場合、メールのあて先を思い出した順に適当に並べたり、推測で並べることは絶対に避けた方が良いでしょう。間違っていた場合、「自分の方が下だと見られているのか?」などと、相手に悪い印象を持たれてしまう可能性もあります。

おすすめしたいのは、名前で五十音順に並べるか、メールアドレスでアルファベット順に並べること。アドレス帳でリスト表示にすると、姓の方で五十音順やアルファベット順に並んでいることが多いので、その順番に沿ってあて先を選んでいくこともできます。また、あて先が多い場合はExcelなどの表計算ソフトを使うと、機械的に並べ替えてくれます。あて先の数が多いほど、五十音順やアルファベット順などで並べたことが見た目にもより分かりやすいので、アドレスの並び順に他意がないことが明示でき、要らぬ誤解を与えるリスクも減らせます。

■メールアドレスの並び順は相手への気配り

「メールアドレスの並び方には何らかの意味がある」と考える人がいる一方で、「メールのあて先には必要なアドレスがきちんと入ってさえいれば良い」と考える人もいます。もちろん、同じプロジェクトのチームメンバー同士など、そもそも序列をあまり気にしなくて構わない場合もあります。

また、「メールのあて先は、情報を伝えたい順に並べればよいのでは」という意見もあることでしょう。一見正しい考えのように聞こえますが、「情報を伝えたい順」が適用されるのはTo:に入れるべき相手と、Cc:に入れるべき相手を判断する時です。メールに書いた情報を必ず読んで把握してほしい相手はTo:に、To:に入れた相手や自分の上司、メール内容に間接的に関わっている人はCc:へ。そして、To:欄、Cc:欄それぞれに入れるメールアドレスの並び順は、やはり役職順が良いでしょう。

客先に送るメールで、自分の上司のアドレスがお客様のアドレスよりも先に入っていたりするのはやはり考えものです。

自分でメールを一から作成する場合に、最初からそのような順番で入れる人はおそらくいないでしょうが、社外からのメールに返信する場合は要注意です。ほとんどのメールソフトでは、アドレス欄内のメールアドレスはドラッグして容易に移動できます。自社のメンバーのアドレスは、すべてお客様のアドレスの後に回した方が良いでしょう。その際にも上司のアドレスが部下のアドレスの後に入ったりしていないか、送信ボタンをクリックする前に確認します。この確認のひと手間をかける仕事の仕方をしていることが、実は大事なのかもしれません。

「メールのあて先が役職順に並んでいないのはマナー違反?」という問いへの答えは、おそらく多くのケースでマナー違反でしょう、というものになります。マナーは、社会の中で人と人とが気持ち良く過ごすための知恵。メールのあて先を役職順に並べる、というのも、いわばメールで気持ち良くやり取りをするための知恵であり、相手方へ上手に気配りするための方法です。これまでメールのあて先の並び順は気にしたことがなかったという方は、今日からぜひ始めてみてください。

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