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アイデアを出す達人に聞く!日常生活に潜む「発想のヒント」とは?

 「何かいいアイデアはない?

 顧客や取引先、あるいは上司や同僚からそう言われて困った経験はありませんか? 「企画職」ではなくても、日常の業務やお付き合いの中で新しいアイデアを求められることもありますよね。そんなとき、斬新なアイデアをゼロから生み出すのはハードルが高いものですが、ちょっと目先を変えた「ヒント」を提供できるだけでも、周囲があなたを見る目は変わるはず。

 もちろん、自分の仕事においても、企画書、提案書などにちょっとしたアイデアを盛り込むことで、一気に説得力が増したり、見る人を引き付けることができたりします。

 そこで「アイデアを出す達人」に、「発想のヒント」について取材を行いました。

 

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 教えてくださったのは、株式会社ウサギ代表の高橋晋平氏。バンダイで大人向けバラエティ玩具の企画開発を担当し、累計335万個を売り上げた『∞(むげん)プチプチ』をはじめ、多くのヒット商品を手がけてきた「アイデア・コークリエイター」です。

 今回は、ゼロからアイデアを出すのではなく、すでに世の中にあるアイデアをちょっとズラすことで自分の仕事に転用するコツについてお聞きしました。

既存のものを、自分の仕事に置き換えて「発想」する

 世の中にあるさまざまなモノゴトは人々の叡智の結集であり、そこには自分が直面している仕事の問題のヒントが山ほどあります。それらを自分の仕事に転用するためには、何か考えたいテーマを頭の中に置いておき、どんな情報に触れても「自分のテーマに置き換えたらどうなるか?」を考えるクセをつけてみてください。少し訓練が必要ですが、練習すれば誰でもどんどん上達し、アイデアの量が増えていきます。

 例えば、日常でこんなことを試してみましょう。

●量販店を一周し、いろいろな商品のパッケージを見てみる

 商品のパッケージは「ネタ」の宝庫です。作った人たちは、その商品を手にとってもらい、買ってもらうために、考えに考え抜いて作っているわけですから、そこには相当な情報量があります。キャッチコピーや商品の見せ方をみて、「このパッケージを作った人はどうしてこのようなデザインにしたのか」「何を最初に伝えようとしたのか」を考えてみてください。

 書かれている文言、情報のレイアウト、フォントの使い方ひとつとっても、「伝え方」の参考にすることができます。これはマーケターやデザイナーだけでなく、プレゼン資料や社内資料を作ることが多いビジネスパーソンすべてに役立つヒントです。

●ニュースを見て、その場でアイデアを置き換える

 通勤や移動中の電車内でスマホを眺めているときなど、「今、話題の~~」「最近登場した~~」といったニュースを目にすることがあるかと思います。このとき「ふーん。こんなのが流行ってるのか」で流さないようにしましょう。

 例えば、「なでしこ寿司」という、女性が握った寿司が注目を集めているというニュースを見たとします。その際、このニュースのポイントはどこか、1点を抽出します。このニュースの場合は、「従来は男性だった寿司職人が女性になり、魅力的になった」→「男女が置き換えられた」という点が面白いと判断できますよね。(もちろん、抽出するポイントは人それぞれで構いません)

 このポイントを抽出したら、今の自分の仕事で、「男女を入れ替えたら面白くなることはないか」「課題が解決できることはないか」を考えてみます。例えば…

「これまでは男性が売っていたけれど、女性が売りに行ったら?」

「ポスターのイメージビジュアルを、女性ではなく男性にしたら?」

「男性用の商品を女性用にしたら?」

 

 …といったようにです。この例は「男女の入れ替え」でしたが、「子ども向けを大人向けに」「若者向けを高齢者向けに」など、いろいろな切り口があるでしょう。このように、目新しいニュースや情報に触れたら、「もっとも重要なポイント1点」を使うことを意識するのがコツです。

●異業種の人と話してみる

 ときには異業種交流ができる場所に行ってみると、ものすごい量のアイデアを得られます。まったく違う業界・職種の人のノウハウや成功例、悩みや課題を聞くだけで、自分の仕事で行き詰まっていたことが一瞬で解決することがあります。「そういうものの見方もあるのか」という発見が得られます。異業種や他社では当たり前に行われていることが、自分の業界や会社にとっては目新しく画期的なものだと気づけるかもしれません。

●「人はだれでも○○だ」ノートを作る

 私は、商品企画のアイデアを考える際に役立てるネタ帳として「人はだれでも○○だ」ノートを作って持ち歩いています。多くの人が持つ「普遍的欲求」。これを掘り下げてみることで、商品企画に限らず、あらゆる企画や問題解決に役立てることができるのです。

まずは基本から。
「楽しみたい」「笑いたい」「認められたい」「健康でいたい」「好かれたい」「お金がほしい」など。

 これをもう少し掘り下げてみます。「認められたい」を例にとるなら、「上司に褒められたい」「顧客から信頼されたい」「後輩から尊敬されたい」「ブログ読者を増やしたい」「有名になりたい」「人気者になりたい」「センスがいい人だと思われたい」など。考え始めたら、おそらくいくらでも出てくるでしょう。

 それでも、このレベルではまだまだ漠然としすぎています。さらに細かい項目に分けて、思いつくだけノートにメモをとっていきます。例えば…

「フェイスブックで『いいね!』を押してもらえる写真が撮りたい」

「美容室で、自分に一番似合う髪型を的確にオーダーしたい」

「ブログネタが尽きないように、毎日おもしろい情報がほしい」

「怠けずに仕事のスキルアップの勉強を続けられる性格になりたい」

 

 これくらい細かい説明で書き連ねていくと、その欲求を満たすアイデアを考えれば、それは「ニーズがあるアイデア」ということになります。最初は、自分自身がほしいもの、叶えたいこと、やりたいことを思いつくだけ書いてみてください。その中には、大多数の人が同じことを考えそうな項目がたくさんあるはずです。

 また、周囲の人の言動を観察し、さまざまな人の欲求をどんどん書き溜めていくのも有効です。

 アイデアとは「問題解決法」。人の欲求に対して敏感な自分になれば、アイデアは自然に生まれてくるものです。

 

高橋晋平氏/株式会社ウサギ代表取締役 おもちゃ開発者

株式会社バンダイにて約10年間、キャラクターを使用しないバラエティ玩具の開発に携わる。国内外累計335万個を発売し、第一回おもちゃ大賞を受賞した「∞(むげん)プチプチ」や、「∞エダマメ」も手がけた。2014年、株式会社ウサギ設立。現在は、アイデア・コークリエーターとして企業と共同で新商品・新サービスの開発に携わる一方、執筆活動、講演、セミナー講師として幅広く活躍中。著書に『アイデアが枯れない頭のつくり方』( CCCメディアハウス )『プレゼンをキメる30秒のつくり方 話し下手でも提案が通る勝ちパターン』( 日経BP社)など。

 

EDIT&WRITING:青木典子 

 

怒られても凹まなくなる!“怒られ力”をつける5つの方法

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仕事のミスに対して注意を受けたことで深く落ち込んでしまったり、一度の失敗でやる気をなくしてしまったり。昨今の若手社会人にはそんな打たれ弱い人が増えていると言われています。そうした打たれ弱さは、社会人としての成長を阻んでしまう原因になりることも。

「“怒られ下手“には理由がある」と語るのは、『怒られ力 新社会人は打たれてナンボ!』の著者である落語家の桂福丸さん。

福丸さんは、灘中学校・灘高校を経て京都大学法学部を卒業したという、世間的に言えば“エリート”です。しかしその後、28歳で4代目桂福団治さんのもとに弟子入りすると、師匠や兄弟子から怒られ続ける日々を過ごし、独自の“怒られ力”を身につけたそう。

そこで今回は、怒られるのが下手になる理由や、怒られた経験を成長の糧にする方法について、桂福丸さんに伺います。

怒られ下手は「怒られる=攻撃される」と考える

まず、福丸さんによると、打たれ弱い人の特徴として、「怒られる=攻撃される」と考えることが挙げられるのだそうです。

「怒られ下手とは、人に怒られたことに対して、単に『自分が攻撃された』としか思えない考え方のことです。 相手が何に対して怒っているのか、なぜ相手が自分を怒るのかについて、相手の気持ちや価値観を理解して考えることができないと、そうした考え方になってしまいます」

怒られていることの“内容”ではなく、怒られている“状況”という表面的な部分にしか目を向けることができないと、「怒られる=攻撃される」というネガティブな経験に留まってしまうため、怒られる度に深く落ち込んだり、ふさぎこんだりしてしまう、“打たれ弱さ”につながるのです。

怒られた経験と素直に向き合う

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そうした打たれ弱さを克服するには、怒られた経験をネガティブなものとして終わらせるのではなく、自分の糧にして活かす“怒られ上手”になる必要があります。

「私自身、元々怒られることが嫌いだった」という福丸さんは、自身が怒られ上手になったきっかけについて、次のように語ります。

「人に怒られることが嫌いだったので、そもそも仕事で怒られないようになるにはどうしたらいいかを真剣に考え続けました。そのなかで、怒られた経験から目を背けるのではなく、しっかりと向き合い、その原因を改善して仕事ができるようになることが一番の近道だと気付き、実践しました。

たとえば福丸さんには、次のような経験があったそう。

「大勢が参加する仕事上の飲み会の途中などでは、グラスが空になる前に注ぎに行くのはもちろん、向こうのテーブルの人がお腹が空いているのかいないのか、早く帰りたがっているのかなどを感じ取り、その人が恥ずかしい思いをせずに意向を叶えられるよう、立ち回らなければなりませんでした。

初めはそんなことが全く分からなかったため、私自身、師匠から『空気を読め』とよく怒られたんです。

しかしそうした怒られる経験を通して、その場にいる人たちをよく観察し、自分の考え・行動が正しかったのかをその都度周りの人に聞くようにしたことで、次第に人が何を求めているのかを感じられるようになりました

すると、本当に人から怒られなくなったという福丸さん。怒られた経験と素直に向き合い、改善の努力をしたことで、初めて、かつて自分を怒ってくれた人の気持ちがわかるようになったのです。

怒られ上手は“怒ってくれる人は味方”と知っている

まず、怒られ上手になる上で大切なのは、「怒ってくれる人は味方だと知ること」と福丸さんは言います。

「怒られることは誰にとっても嫌なことですが、怒ってくれる人は嫌な人ではありません。本当に嫌な人であれば怒るのではなく、陰で悪口を言う、失敗をあえて指摘せずそのままにさせるなど、別の方法をとるでしょう。

なぜなら、『怒る』という行為は、怒る側にとっても労力が必要なことだからです。

誰に頼まれたわけでもないのに、そのような労力を惜しまずに使ってくれる人は、味方と言ってよいと思います。自分に対して何も言わない人と、言い方はどうであれ伝えてくれる人、その違いをまずははっきり認識することが大事です」

怒られ上手になる5つの方法

では、どうしたら怒られる経験を自分の成長に活かせる、怒られ上手になれるのでしょうか。

1.まずは大きな声でしっかり謝る

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怒られたときにしっかりと謝る。当たり前のことのように思えますが、きちんと謝罪の気持ちを伝えるためには、謝り方も大切なのだそうです。

「気持ちで申し訳ないと思っていても、それが相手に伝わらなければ相手の怒りはさらに大きくなることがあります。

例えば、怒られている時にまったくの無反応でいると、相手に『本当に伝わっているのか?』と思われてしまいますし、下を向いてボソボソと返事をしたりすれば、相手はさらに怒りをヒートアップさせてしまう可能性があります。

こうしたときは、大きな声で『申し訳ございません!』『ご指摘をありがとうございます!』と言うのが、一番シンプルでよい怒られ方です。怒られるのにもリズムが大事なのです」

2.相手の意見を一旦全部受け止める

「怒られ下手な人は必ずと言っていいほど、自分に自信があり、その気持ちが相手の意見を真摯に受け止めることを妨げている」と福丸さんは言います。

自分はまだまだ未熟だと知ることが大事です。仕事のエキスパートではないことを自覚し、相手の意見をそのまま受け入れて聞いてみましょう。

なかには『え?』と思うような意見や怒りもあるかもしれませんが、一旦全部受け止めてかみしめる。いろいろなパターンの怒りを受け止めることで、どんなことに対して人は怒るのかを知ることができるので、自分の仕事の仕方にも活かすことができます」

3.質問をして詳しく学ぶ機会を作る

怒られた経験をただの嫌な思い出にしてしまわないようにするには、怒られる理由になったことについて、もう一度相手に質問をし、学ぶ機会を設けることも大事なのだそうです。

「怒られた後にすぐ質問するのは雰囲気として難しいことが多いので、一通り相手の怒りが収まったタイミング、たとえば休憩時間や、仕事がひと段落した後に、『先ほどは申し訳ございませんでした。よろしければもう少し詳しく◯◯について教えていただけませんでしょうか』と聞くのがポイントです。

すると相手は、怒っていたときよりも落ち着いた状態で、それについて詳しく教えてくれるでしょう。また、そうした積極的な姿勢を通して、相手にやる気があるということを伝えることができます」

4.怒ってくれる人をよく観察する

自分を怒る人がどんな人かに注目することも大切だと語る福丸さん。そうすることで、以下の二つのことが分かるようになるそうです。

「一つは、怒られる前兆です。その人の価値観や感情のパターンが分かると、自分がもうすぐ怒られそうだという前兆がわかるようになります。そうした前兆がわかるだけでも心の準備ができるので、怒られることに対して落ち着いて向き合えます。

そしてもう一つは、仕事のコツです。きちんと人を怒ることができる人は仕事ができる人であることが多いので、自分を怒ってくれる人の言動をしっかりと見ていると、仕事ができるとはどういうことかがわかってきます。一度その見方がわかると、自分の視野が広がり、学んだ仕事のコツを自分の働き方に活かすことができるでしょう」

5.1年半は怒られた経験から課題考え、実践し続ける

怒られ続けると、仕事へのやる気を失ってしまうこともあります。しかし、怒られた経験を糧に成長するためには、怒られた経験から何をすべきかを考え、努力をすることを一定の期間続ける必要があると福丸さんは言います。

「毎日人に怒られることは決して楽しいことではありません。いつまで続くのだろう、と絶望的になることもあるかもしれませんし、他人に相談しても『仕事なんてそんなもんだよ。俺の若い時なんてどれだけ怒られたか……』と言われてしまうかもしれません。

しかし、永遠に怒られ続けることは絶対にないんです。怒られないためにはどうレベルアップすればよいかを必死に考え、それに応じた努力を続ければ、必ず仕事ができるようになり、同時に怒られなくなります。

個人的な感覚としては、自分を信じて1年半努力を続ければ状況が変わります。1年半必死に頑張っても、全く怒られる回数が減らないのならば、上司の側に問題があるか、仕事とは関係のない点で悪いイメージを持たれている場合があるので、環境を変えることを考えてみてもよいかもしれません」

まとめ

誰だって怒られることは嫌なもの。しかしそれを嫌な経験で終わらせてしまうか、成長の足がかりにできるかは、自分の向き合いかた次第であることがわかりました。打たれ弱さを克服したい人は、まずは怒ってくれる人を自分の味方だと捉えるところから始めてみてはいかがでしょうか。

取材協力:桂福丸

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 落語家。京都大学法学部卒業後、英語落語を学びアメリカ公演を実施。2007年、4代目桂福団治に入門。2013年にはクラシック音楽と落語のコラボレーション「寄席クラシックス 東京・代々木公演」に12カ月連続で出演。2014年には大阪・新歌舞伎座でも公演。同年4月、自身の体験を基にしたビジネス書『怒られ力~新社会人は打たれてナンボ!(明治書院)』を出版。江崎グリコ株式会社などで新人研修に使用されている。