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リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

佐々木俊尚氏を顧問に、オウンドメディアも開設!家事シェアサービス「Any+Times」は、個人のスキル交換プラットフォームとなるか?

人々の新しいライフスタイルとしてシェアリング・エコノミー(共有型経済)が注目される中、2013年に誕生した「Any+Times」。

地域の生活に密着して、ご近所同士のサービス交換を目指す。高度なITテクノロジーとジャーナリストの知見をバックに、シェアサービスの市場を深掘りしていくという。

誰かのニーズと誰かのスキルを、Webとリアルで交換

仕事で毎日遅くなるので、掃除や洗濯をする時間が取れない。そんな悩みを持つビジネスパーソンも少なくないのではないだろうか。ハウスクリーニングサービスはいくつもあるが、安心して頼めて、かつ低コストのサービスはそうそうあるものではない。

「私自身が、便利屋さんを利用することが多かったのですが、プロの業者さんなので、どうしても高くつく。できることも業者によって違うので、自分で選ばないといけない。ちょっとした困り事なら、ご近所の素人さんでも手伝ってくれる人がきっといるはず。“困った”ことと“できる”ことを気軽につなげる地域密着型のサービスがあればいいなと」

株式会社エニタイムズ 代表取締役 CEO 角田千佳氏▲株式会社エニタイムズ 代表取締役 CEO 角田千佳氏

株式会社エニタイムズの代表取締CEO・角田千佳氏が、そうした自分の関心から始めたのが「Any+Times(エニタイムズ)」だ。サイトには「1K程度の部屋掃除 3,000円から」「料理代行5食分 5,000円から」などの基本メニューが並ぶ。会員登録した利用者がフォームから詳細な内容と予算を提示して依頼すると、そのサービスを請け負うサポーターズと呼ばれる会員からレスポンスがある。

「Any+Times(エニタイムズ)」のサポートメニュー例▲「Any+Times(エニタイムズ)」のサポートメニュー例

詳細はWeb上で詰めるが、契約はサービスの利用者と請負者の間の業務委託契約で、エニタイムズはあくまでもそれを仲介するプラットフォームという位置付け。案件が完了すると、成約料金の15%を手数料として、エニタイムズがサポーターズから受け取るビジネスモデルだ。

日常の家事代行、旅行中のペットの世話、家具の組み立て、短時間の語学レッスンなど、「誰かに手伝ってほしいこと」と「自分が得意なこと」が、ネットでモノを売買するのと同じ感覚でやりとりできる。エニタイムズはモノとお金ではなく、サービスとその対価をやりとりするマーケットプレイスなのだ。

役務提供と報酬という関係は相互に変化する。あるとき部屋の掃除を頼んだ人が、次には英会話レッスンを引き受けるという関係もありうる。「依頼側と請負側は対等の立場」というのが基本ポリシーで、互いを評価しあう仕組みは特徴の一つである。

野村證券、サイバーエージェントを経て、2013年に起業した角田氏。慶応大の学生時代には、途上国の自立支援に関心を持ち、インド、フィリピン、アゼルバイジャンまで足を運んだこともある。証券会社では金融の仕組み、インターネット事業会社では事業立案やPR、そしてITを学んだ。

角田千佳氏

途上国支援から目を転じて足下をみれば、日本の地域社会にも“無縁社会”化や高齢化など問題は山積み。社会的課題解決は「いま・ここ」でこそ必要と自覚し、それをビジネス化しようと必死でもがく。

幸い、2013年10月にスタートしたエニタイムズのサービスはマスメディアでも盛んに採り上げられ、順調なスタートを切った。ユーザー数は10,000人を越えた。2014年には独自の「認定サポーターズ制度」や万一の事故の場合の補償制度を導入して、サービスの安全・安心度を高めてきた。

今年3月には依頼のやりとりがリアルタイムで通知されるスマートフォンアプリをリリース。5月には、グリー、DeNAやアトミックスメテディア代表取締役CEOおよびフォーブス ジャパン編集長・高野真氏ら個人投資家を引受先とする、総額2億3000万円の第三者割当増資に成功するなど本格的な成長期を迎えようとしている。

佐々木俊尚氏が斬り込むシェアエコノミーの世界

エニタイムズは、不特定多数の人々(crowd)と業務委託(sourcing)のマッチングという意味では、クラウドソーシングサービスの一種でもある。先行するランサーズやクラウド(CROWD)などのクラウドソーシング大手は、依頼件数や作業実績数を盛んに競い合う。

Webデザイン、記事ライティング、バグ出しのためのテスティング、翻訳など特定サービスに特化した会社も誕生している。そうした競合にもまれながら、エニタイムズはメディアを通してサービスのブランディングを構築する段階だ。

これまでは角田氏が各種メディアの取材に積極的に応えることで、サービスのPRに努めていたが、最近は「オウンドメディア(自社メディア)」の必要性を痛感するようになったという。

「これまでもサイト内に家事仕事や生活の中で役に立つコツや裏技を紹介するページを用意していましたが、これを一新して、新しいメディアを始めることにしました」(角田氏)と、5月にはジャーナリスト・佐々木俊尚氏を「メディア顧問」に迎え、この夏にも新しいメディアを始める予定だ。

佐々木俊尚氏▲株式会社エニタイムズ メディア顧問 ジャーナリスト・佐々木俊尚氏

佐々木氏といえば、ネットを通して広がる新しい経済や社会の仕組み、メディアと人々のライフスタイルの変化に関心が強いことで知られるジャーナリスト。エニタイムズを、単なる家事代行サービスではなく、シェアリング・エコノミー(共有型経済)というより広いトレンドの中で捉えようとしている。

そもそも佐々木俊尚氏が角田氏と知り合ったのも昨年開かれた「SHAREカンファレンス」の懇親会。シェアサービスやシェアエコノミーへの関心は互いの共通項だったのだ。

「Airbnb、Uber、Lyftなど世界的にいまシェアサービスが広がろうとしていますが、エニタイムズは、個人と個人のスキル交換のプラットフォームを提供しようというところが新しい。世界的にもあまり例がない。ビジネスとして先行者メリットを得られる未知の市場」と佐々木俊尚氏はエニタイムズの事業を評価する。

だが、佐々木俊尚氏が可能性を感じるのはさらにその先。エニタイムズのようなシェアサービスが内包する社会的意義だ。

「部屋の掃除一つとっても実は簡単な仕事ではない。フローリングの掃除の仕方にもコツやノウハウがある。依頼者とサポーターが同等の立場でスキルを交換するとき、そこには互いのスキルへのリスペクトが生まれ、知見をやりとりするなかから新しい物語が誕生する。それをメディアで紹介することで、シェアサービスの意義をより深く知らせることができるのではないか」と、メディア顧問を引き受けた理由を語る。

佐々木俊尚氏にはシェアサービスの普及が日本の共同体概念を変えるきっかけになる、という予感もあるようだ。

佐々木俊尚氏

「例えば、子育て中の若いお母さんが、空いた時間に独居老人の買い物を手伝うというように、見知らぬ人同士の出会いがこのプラットフォームから生まれる。遠い家族に手伝ってもらうより、近くの他人に手伝ってもらったほうが気軽な場合もある。近年、家族崩壊が言われるが、こうした1対1の関係が、n対nに拡張すれば、サービス共助を通して再構築される新しい家族像、共同体像が見えてくるかもしれない」

宿泊先提供にしてもタクシーシェアにしても、一般に、シェアサービスは都市型のサービスとみられがちだが、佐々木氏は「実は、地域社会のつながりが希薄になりつつある郊外でこそ、普及するのではないか」とも言う。佐々木俊尚氏の関与を通して、エニタイムズはより奥行きの深いサービスに成長し、世界を変えていくかもしれない。

複雑なソーシャルグラフ分析が、新しいコミュニティの基盤に

こうしたサービスの発展を裏方で担うのがエンジニアだ。
「Webサービスは仮説ー実装ー実証のサイクルを繰り返して成長します。これまでの実務を通してその経験を積んだエンジニアが欲しい」と言うのは、CTOの田中悠樹氏。

田中悠樹氏▲株式会社エニタイムズ CTO 田中悠樹氏

「現状のマッチング機能はシンプルですが、成約案件が増えるにつれて、AIやビックデータを活用した、より精度の高いマッチングが求められていきます。さらに佐々木さんが指摘したような1対1のスキル交換が『n対n』のコミュニティへと広がっていくためには、膨大なソーシャルグラフをシステム的にトラックすることが不可欠。

しかも、私たちのサービスはWebだけで完結するものではなく、リアルな人間関係も含んできますから、システムはより複雑になります。そこに挑戦して、日本におけるシェアサービスの発展を自分の目で見たいという人とは、ぜひ一緒に仕事をしたいですね」と、求めるエンジニア像を語る。

田中氏は前職がゴールドマンサックス証券のエンジニア。角田千佳CEO、鍬野槙彦CFO、彌野正和COOなど統括メンバーの面々は全員、大手金融企業を一度体験している。企業ファイナンスや金融テクノロジーの知識をバックグラウンドにできることは、今後の会社の成長の上でも有益だ。

さらにいえばエニタイムズは、金融からソーシャルサービス、あるいはシェアサービスへと移りゆく、20~30代のエリートビジネスパーソンたちの、関心の流れの中で誕生した会社とも言えるのではないだろうか。

 

記事出典:CodeIQ MAGAZINE EDIT:馬場美由紀 WRITING:広重隆樹 PHOTO:平山諭

【Webディレクターの禁句】デザイナーのモチベーションを底に落とす5つの言葉

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Webサイトの制作を行うWebディレクターの多くは、一回でクライアントに満足してもらえるデザインが出せないか、いつでも高いクオリティのデザインが出せないか、それもできる限り短い納期で…、と頭を悩ませているのではないでしょうか。

デザインというのは個人の感性が大きくかかわる部分であり、またオーダーもクライアントの言葉や「こんなイメージで」というサンプル程度といった曖昧なものになってしまいがちなため、「ハマるとなかなか抜け出せない」状態に陥ってしまうものです。

「厄介な案件を担当しちゃったな…」なんて、思わず愚痴をこぼしたくなる日もあるのではないでしょうか。

 

でもそれは、Webディレクターの指示を受けてデザインを制作するデザイナーにとっても同じこと。デザイナーにとってはWebディレクターがクライアントのような立ち位置にいるため、実はあなた自身がデザイナーから「厄介なクライアント」と思われてしまっているかもしれません。

 

あなたの無意識な言動がデザイナーのモチベーションを下げている!?

 

デザインという個人の感性が大きくかかわる仕事においては、デザイナーのモチベーションがクオリティに影響を与えてしまうことは否めません。モチベーションというのは「上げろ!」と言われて上げられるものではないため、Webディレクターとしてはいかにデザイナーのモチベーションを高めながら仕事をしてもらうか、というのも大事なスキルのひとつになります。

ところが、仕事に追われて忙しかったり、プロジェクトの進捗が芳しくなかったりした際、思わずポロっとこぼしてしまった言葉が、デザイナーのモチベーションを大きく下げてしまうことがあるのです。

 

ここでは、無意識に言ってしまいがちな、デザイナーのモチベーションを底に落とす5つのフレーズをご紹介します。

 

1. 「なんか違うんだよなぁ」「こんな感じにしてよ」

 

デザイナーから上がってきたデザインをチェックする際に、思わず言ってしまいがちなこの言葉。デザイナーのモチベーションを下げてしまう危険があります。

前者の「なんか違うんだよなぁ」は、具体的にどこをどうなおしたらいいかわからず、デザイナーとしては困ってしまう反応です。「なんか違う」と言われて何かを変えてみたところで、また「なんか違う」と言われてしまうんじゃないかと思い、やる気を失ってしまうものです。

といって、イメージを提示する際に「こんな感じにしてよ」と、漠然とURLだけを送ってしまうケースもあるのではないでしょうか。イメージがある分前者よりは具体的にはなっているものの、これも結局「このサイトのどこを参考にすればいいんだ」とデザイナーは困ってしまいます。

参考となるイメージを提示しつつ、「この部分は、このサイトのこの部分を参考に変更できないかな」といった具体的な「なおすべき箇所」と「どうなおしたいかのイメージ」を伝えるようにしましょう。

 

2. 「お任せします」

 

デザインの細部を詰めていく過程で「どう修正するべきか」というデザイナーの問いに対して、忙しくてあまり考えがまとまっていない時などに「お任せします」と思わず答えてしまうことがあるのではないでしょうか。

実際に「お任せ」してその通りにいくのであればまったく問題ないのですが、デザイナーは直接クライアントとコミュニケーションを取れているわけではないため、多くのケースで結局「お任せ」通りにはいかず修正・変更が発生してしまうことになります。「お任せします」と言いながら何度も修正が発生してしまうと、それだけデザイナーからディレクターへの信頼が損なわれていくことになってしまうのです。

「どう修正するべきか」と問われて答えに窮した際は、「このパターンとこのパターンをラフでもいいので用意してもらえますか?」といった形で、選択肢を用意してもらうなどの対応をとるようにしましょう。

 

3. 「絶対大丈夫です!これで通ります!」

 

クライアントと直接コミュニケーションをとるディレクターとして、自信をもってプレゼンテーションをしたり、デザイナーが仕上げてきたものに賛辞を送ることはとても重要なことです。しかし、過度に期待値を上げることは厳禁で、結局修正が入ってしまった際「話が違う…」となりがち。

「絶対大丈夫です!」といった表現ではなく、「僕はこれがいいと思っています。この魅力をきちんとクライアントに伝えられるよう、頑張ってきますね」といった、自分は自信を持っているが、断言はできないから成功を祈ってほしい、というレベルにとどめると、社内からの支持も得やすいと思われます。

 

4. 「これくらいのスケジュールでできるでしょ?」

 

クライアントへ納品をしなければいけない以上、事前にスケジュールを決め、その通りに進行させる必要がありますし、スケジュール管理はWebディレクターのもっとも重要な役割のひとつです。

ただ、デザインという作業は、極端にいうと「思いつくか、思いつかないか」が工数に大きく影響を与えます。どういうデザインにするのかが明確に決まりさえすれば、あとは作業の時間で見積もることができますが、なかなかデザインの方向性が定まらない時などは、事前に工数を明確に区切るのが難しいことも事実です。

そんな中で、全体の都合はあったとしても、デザイナーの意向を無視したスケジューリングをしてしまうと、「自分の仕事が軽んじられている」と感じてモチベーションを下げてしまう恐れがあります。

「できればこれくらいのスケジュールでできると助かるんだけど、現実的にどうだろう?」というような相手の意向を汲む姿勢が伝わるコミュニケーションを心掛けましょう。

 

5. 「後で見ます」

 

サイト制作などのプロジェクトを進めている際には、どうしても緊急で対応しなければいけない事態というのは発生するものです。他のプロジェクトの稼働を調整し、緊急事態に対応してくれたデザイナーに対して、言ってはいけないのがこの言葉。

急ぎで対応してくれ、と言っていた割に「後で見ます」と返されると、本当に急ぎの案件だったのか、うまく使われただけなんじゃないか、とデザイナーは感じてしまうことでしょう。もちろん、デザイナーが仕上げてくれたタイミングでいつでもチェックが可能というわけにはいかないでしょうから、すぐに見られない場合は、「ありがとうございます。今会議中なので、○時までに見てフィードバックします」というように、まずは感謝と次の具体的なステップを示すようにしましょう。

 

この5つの言葉は、何もWebディレクターとデザイナーの関係にのみ当てはまるものではありません。ただ、仕事の信頼関係においてコミュニケーションが持つ役割は非常に大きく、特にデザインというクリエイティブな仕事をするデザイナーにとっては、モチベーションがクオリティに影響するため、ちょっとしたコミュニケーションにも気を配る必要があります。すべては「クライアントが満足する仕事」をするために、デザイナーとのコミュニケーションの取り方もWebディレクターの大切なスキルのひとつと心得ましょう。

文:河野富有

【成長を促すマネージャーの対話力】成績に苦しむメンバーを救う5つのポイント

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マネージャーという役割に就いた際に求められるのは、チームとしての成果を最大化すること。その際、チームのメンバーが皆エース級の活躍を見せてくれていれば何も問題はないのですが、中には成績に苦しむメンバーもいることでしょう。

新人のような、やり方がわかっていないだけのメンバーであれば、「あれをやれ」「これをやれ」と指示を出すだけでも成績が向上していくかもしれません。ですが、ある程度経験を積んでいるメンバーが成績に苦しんでいる場合は、指示を出すだけでは解決しないことも多いです。

そこでポイントとなってくるのがメンバーとの対話力。成績に苦しむ理由は人それぞれ違うため、その人がなぜ成績を上げられていないのかをヒアリングしながら対話を進めていく必要があります。

 

では、ある程度経験を積んだメンバーが成績に苦しむ場合、どんなことが原因になっていることが多いのでしょうか。

 

中堅メンバーでも陥りやすい、成績に苦しむ3つの要因

 

1. タイムマネジメントがうまくできていない

 

中堅にもなってくると、さまざまな仕事をこなせるようになってきます。営業で言えば、担当する顧客数が増えてきたり、顧客から信頼を勝ち得た分、ちょっとしたことでも頼まれるようになったり。そうしていつの間にか「タスク」があふれていき、気づいたら「成果に直結しない行動」に大半の時間を割いてしまっていることがあります。

自ら効率化する方法を考えられたり、自分以外でもできる仕事に関しては誰か他の人に頼んだりできればよいのですが、それができないまま、目の前の仕事をこれまで通りの方法でひたすらにこなしていった結果、成果を上げるための行動に時間を割けなくなり、仕事自体は頑張ってはいるものの成績がなかなか上がらない、といった事態になってしまうのです。

 

 2. 過去の成功体験に縛られている

 

過去に華々しい成果を残したメンバーほど陥りやすいのが、過去の成功体験に縛られるということです。技術の進化、環境の変化、競合の追随など、時代の流れは早く、これまで通りの方法が通用しなくなる事態が訪れることは、十分にあり得ます。

にもかかわらず、過去に大きな成果を残した経験を忘れられず、当時の方法に固執してしまうあまり、時代に取り残され、どんどん成績が落ちていく、といった事態になってしまうのです。

なお悪いのが、過去の方法を否定されることを嫌がり、他人の声に素直に耳を傾けられなくなってしまったり、自分自身を否定することができず、他の要因に理由を求め言い訳ばかりを繰り返してしまったりして、改善の方向へ向かいにくくなることが多いようです。

 

3. 自信の喪失がさらなる成績低下を招いている

 

例えば顧客に何かを提案する際、自信を持ってプレゼンテーションをする人と、自信なさそうにプレゼンテーションをする人であれば、前者の方が決定率が高いであろうことは、想像に難くないことでしょう。

成績に苦しむメンバーは、いつしか自分に自信をなくしてしまい、それが要因でプレゼンテーションにも自信がなくなっていき、さらに成績が悪化する、といった負のスパイラルに陥っているケースもあります。

「自分にはきっと無理なんだ」「きっと向いてないんだ」と、ネガティブな思考に捉われてしまっているため、解決策を提示したとしても、「でも…」となかなかアクションに踏み出せなくなってしまうことがあるようです。

 

成績に苦しむメンバーとの対話における5つのポイント

 

そんな成績に苦しむメンバーを引き上げていくためには、どのような対話をしていくべきなのか。ここでは5つのポイントをご紹介します。

 

1. まず「解消」から始めよ

 

心の中にモヤモヤを抱えて、ネガティブな思考になっているときは、ポジティブな解決策を提示しても、なかなか受け入れてもらえないものです。それを繰り返すと「自分のことはわかってもらえない」と、心にバリアを張られてしまう恐れもあります。

そんなときは、まずはメンバーの言葉に耳を傾け、共感し、「解消」を図って上げる必要があります。

たとえば、以下のようなステップで対話してみてはいかがでしょう。

 

・メンバーが不満に思っていそうなことから切り出す

「あのお客さん、独特だから、なかなか苦労するよな」

 

・メンバーの発言に共感する

「わかる、わかる」「そうだよな」「おまえは頑張ってるよ」

 

・メンバーの悩みを言語化する

「話を聞いてると、『●●』に苦労しているのかもね」

 

・メンバーに解決策を提示する

「まずは『●●』をやってみることから始めてみないか」

 

まずはメンバーの不満を聞き出し、自分の苦労体験などを交えながら共感し、「気持ちがわかってもらえる」とメンバーに思ってもらいましょう。その上での解決策の提示であれば、メンバーも試してみようと思ってもらえるはずです。

 

2. 業務の棚卸を行い、やるべきこと / やるべきでないことを明確にする

 

さまざまな業務に追われ、成果を出すための最短ルートを進めていないメンバーに対しては、まず現状の業務を棚卸してあげることから始めましょう。

具体的には、

 

  • そのメンバーの業務プロセスや日々時間を割いている業務とその所要時間を書き出す
  • その業務を「本人がやるべきこと」と「他人に頼めること」に分類する
  • 「本人がやるべきこと」の、現状のプロセスをヒアリングし、効率化ポイントを探る

 

といったステップです。

 

その上で、自発的な行動を促すために、指示ではなくアドバイスという形での対話をとるとより効果的になります。

 

「この業務は●●さんにお願いして、君は■■に集中してみてはどうだろう」

「このプロセスはこういう方法でやってみたら、もっと効率的にならないかな」

「僕はこういうやり方でやって、うまくいったよ」

 

といったように、本人に「やってみよう」と思わせることが、実際にアクションを起こしてもらう上で大切なポイントになります。

 

3. 過去の成功体験を尊重しつつ、新しいやり方を提示する

 

過去に優秀な成績をおさめたメンバーは、その実績に誇りを持っているケースがほとんど。それを頭ごなしに否定しまっては、こちらの話に聞く耳をもってもらえなくなります。まずはその過去の実績に光を当て、尊重することがポイント。その上で、現状とのギャップを明示し、新しいやり方を試してみるよう促すことが大切です。

 

具体的には、

 

 「●●(その人の象徴的な成功事例)の件、当時すごいなって思ってたんですけど、どうやったんですか?」

過去の案件に対する敬意を払い、「なるほど」「さすが」といった反応で、相手のやり方を尊重する。

 

「●●のあたりが、今は変わってきているのかもしれませんね。業界の変化が早いので」

ギャップのポイントを明示しつつ、「業界の変化」を理由とし、個人のキャッチアップの遅れのせいにしないようにする。

 

「●●さんがこの部分をマスターしたら、圧倒的なパフォーマンスになりそうですよね」

将来への期待値を明示し、その人の能力そのものは認めていることを伝える。

 

といったステップを踏むと、新しいやり方を身に着けてもらえるようになるかもしれません。

 

4. 小さな成功体験を積み重ね、自信を身に着けてもらう

自信を失ったメンバーが、再度自信を取り戻すためには、やはり「結果」が必要になります。そのため、顧客や案件の選定など、その人が成果を出しやすい環境を作って上げることが大切です。

とはいえ、いきなり大きな案件を任せるにはリスクが大きいので、一件あたりの大きさというよりは、小さくてもいいから、成功の「数」を増やしていく方がよいでしょう。

また、仮にすぐには成果が出なかったとしても、プロセスに光を当てて「以前よりも前進している感覚」を持ってもらうことが大切です。

 

「今月すごいね、成果が出てきたね」

「成果を出すコツをつかんできたみたいだね」

「今回は残念だったけど、以前と比べて●●はすごくよくなってきているから、成功は時間の問題だね」

 

といった声をかけて、しっかりと前進しているんだ、というメッセージを伝えるようにしましょう。

 

5. 成功のポイントを言語化してもらい、改めて自信をつけてもらう

上記のような対話を繰り返し、徐々に成果が出てきたタイミングで実践したいのが「成功体験」の言語化。コツやポイントを自身の言葉で言語化してもらうことで、自分自身の経験を整理、体系化することができ、改めて自信を得ることができます。

またそのポイントを他のメンバーにも伝えてもらうことで、より自分の重要感・自信が生まれ、主体的なアクションが引き出せるようになるのです。

 

「今月すごいね、どのあたりが成功のポイントだったの?」

「ぜひ成功のコツをみんなにも伝えてほしい」

 

といった声をかけて、組織におけるそのメンバーの重要感を醸成していきましょう。

 

 

成績に苦しむメンバーは「自分でトライして、成功した」という主体的な成功体験を経て、自信をつけてもらうことが大切です。強制的にやり方を変えさせる、というのも一つの方法ではありますが、対話を繰り返して自発的な変化を促すことで、今後についても継続的、主体的な成長を望むことができます。

メンバーの声に耳を傾けながら、自発的な変化・成長を促すコミュニケーションを心掛けたいものです。

文:河野富有

【経験は「活かす」のではなく「生きる」もの】中途入社で活躍するために持っておきたい3つの心構え

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自分のキャリアプランを描き、悩んで考え抜いた結果、転職という道を選択。
いくつかの会社を受けて、お互いの希望がマッチした会社に入社。

さぁ、これから即戦力として一気に活躍するぞ!

と、意気込んで中途入社をされた方、多いのではないでしょうか。

 

ですが実際には、必ずしも前職で華々しい成果を残した人が転職先でも即戦力としてすぐに活躍する、といったわけではないようです。

 

なぜ思ったほど活躍できないのか

 

本来の能力やそのポテンシャルは間違いなく高い。前職での実績も申し分ない。
そんな中途入社の人が、転職直後に苦労する原因として以下の3つのケースが考えられます。

 

  1. 「即戦力」になることを意識し過ぎて、自分で自分を追い込んでしまう
  2. 経験を活かそうとするあまり、過去のやり方に捉われてしまう
  3. 文化の違いに戸惑いを覚え、悩みを抱えてしまう

 

即戦力になろうとする意識も、経験を活かそうとする意識も、それぞれ大切なことです。ただ「過ぎたるは猶及ばざるが如し」というように、何事も過剰に考えてしまうと、かえって悪い方向に働くことがあります。

また会社の文化というのは会社ごとに違うものです。入社前にすべてが把握できればいいのですが、なかなかそうはいかず、入社前に気付かなかった文化の違いに戸惑い、いつしか仕事へのコミットメントが薄れてしまう、といったこともあるようです。

 

中途入社で活躍するために持っておきたい3つの心構え

 

入社前に思い描いていたほどの活躍を示せない中で、「こんなはずじゃなかった」と落ち込んでしまう前に、中途社員が活躍するために持っておきたい心構えをご紹介します。

 

1. 違うのは「戦力化までのスピード」

 

転職の仕方にはよりますが、中途入社だからといって「即戦力としてすぐに結果を出さなきゃ!」と自分を追い詰めすぎることには注意が必要です。

もちろんすぐに結果が出せれば言うことなしですが、業界や取り扱う商品が違えば、過去のやり方が通用しないことも多く、なかなか結果が出ないことも十分にありえること。そんな中で「なぜ自分は結果を出せないのか」と自分に自分でプレッシャーをかけてしまうと悪循環にはまってしまうことにもつながります。

これまでの経験は「戦力化するまでのスピードが少し早まる」くらいに捉え、焦らず着実に、一から学んでいくくらいの姿勢でいた方がよいかもしれません。

 

2. 「経験」は活かすものではなく、生きるもの

 

前職で結果を残してきた人ほど、成功体験から「自分のやり方」をもっているもの。ただ、その成功体験に縛られてしまい、「過去の経験」に無理やり当てはめて考えてしまう悪い面もあることも認識した方がよいでしょう。

「経験を活かそう!」と、なんでも過去のやり方に当てはめるのではなく、まずは謙虚にその会社のやり方について学んでいきましょう。その過程で、過去の経験が活かせる場面では、自然とこれまでの経験が生きていることに気付くはず。経験は、無理やりに活かそうとするものではなく、勝手に生きてくれるものだ、くらいの心構えでいましょう。

 

3. 多様性を会社に求める前に、自分の中に持ってみる

 

コミュニケーションの取り方や、飲み会などのプライベートに関わる時間の拘束など、文化ともいうべき部分は会社によって大きく異なるものです。入社前にその文化が十分にわかっていればいいですが、なかなかそういうわけにもいきません。入社してから、その文化が自分に合わず、マイノリティになってしまうこともあるでしょう。

その際「多様性のない会社だ」と切り捨ててしまっては、せっかくの転職もふいになってしまいます。会社に多様性を求める前に、まずは自分がマジョリティを理解しようとする努力をしてみてはいかがでしょうか。

どんな文化にも良い面、悪い面はあります。そして、そういう文化が培われた背景や理由があります。良い面や、その会社の成り立ちともいえる文化の背景を理解した上で、変に楯突かず、否定せず、理解を示しながら「うまくかわす」くらいの心構えを持っておくとよいでしょう。

 

どんなに前職で華々しい実績を残していようとも、どんなに期待されて入社していようとも、新しく入った会社では自分はあくまで「新人」。変に自分のやり方に固執せず、謙虚に学ぶ姿勢を忘れないことが大切です。

その上で、自分自身の価値をどう会社に提供していくか、という発想で業務に取り組むと、新しい会社でもいつしか活躍するようになるのではないでしょうか。

文:霧沢加奈