読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

リクナビNEXTジャーナル

キャリア・ビジネスの情報満載【リクナビNEXTジャーナル】

「オレすごいだろ!?」自慢するめんどうくさい人をかわすオトナの対応方法5つ

人生を振り返ってみましょう。
学校のクラス、サークル、社内などのグループの中に、一人くらい自慢好きな人がいたでしょう。

毎年、冬休み明けにお年玉の金額を自慢してきた同級生。
合コンの成果を自慢してくる先輩。
飲むたびに10年前のビッグな仕事を自慢する上司。
ママ友の子ども自慢・・・。

社内のチームで成果が出たときに、自分の手柄だと主張する人。

f:id:takumann0505:20150315112849p:plain

 

あからさまな自慢だけではなく、
テスト当日の朝に「全然、勉強しないでゲームしちゃったよ」と笑顔で高得点を取る、勉強しなくても好成績自慢や
「仕事が忙しくて4時間しか寝てないんだよ~」という寝てない自慢もあります。

油断して聞いていたら自慢話だったという裏自慢ですね。

 

「また自慢か」と思って、違うことを考えていると「ちゃんと聞いてる?」と迫ってきます。

毎回、自慢を聞かされると、正直、めんどくさい!

 

自慢は弱者の戦略

なぜ彼らが自慢を繰り返すのかと言うと、ズバリ強くなりたいからです。

「強く」とは、グループ内での序列(自分の方が上のポジションであること)の確認だったり、仲間としての存在価値を認めてもらう(自分にも役割がある)ことを意味します。

「強くなりたい」ということは、現状は「弱い」と自覚していることになります。
つまり、自慢は、「自分は弱い」と劣等感を抱いている人のコンプレックス解消法なのです。

 

マンガ『ワンピース』で、主人公が率いる海賊団が成果を得たとき、ウソップというキャラが、よく「オレのおかげだろ」と鼻高々に自慢します。
彼は、肉体的には弱いです。
他のキャラが怪物的に強いため、相対的に弱いことを自覚しています。
そんな彼は、ときにはウソをつき自分の手柄をアピールしています。
彼がアピールするのは、自分の存在価値を認めてもらえないと、こんなに強い海賊団にいて良いのか不安だからでしょう。
ゾロなどの強いキャラは、戦果をあまり自慢しません。

 

自慢は弱者の戦略なのです。

強い人間は、いちいち自慢しないのです。

ウォーレン・バフェットは「オレ、金持ってるぜ」とアピールしないですし、イチローも「自分は野球がうまい」とわざわざ説明しないでしょう。

飲むたびに10年前の自慢話をする上司は、他に自慢することがないから、過去にすがりついているのです。

どうでしょう、今まで「ウザッ」と感じていた自慢も少し可愛く見えてきたのではないでしょうか。彼らを温かく見守れそうではないでしょうか。

そんなマインドになったところで、自慢人間のかわし方を考えていきましょう。

 

自慢への対応方法

以前に「嫌味には有益なものと無益なものがある」という視点を紹介しました。
※嫌味を言わずにはいられない人をサラリとかわすフレーズ3つ

自慢も同じです。

役立つ話と役立たない話に分かれます。

f:id:takumann0505:20150315130714p:plain

1 この話、使えるか?

ポイントは再現性です。相手の自慢話が、自分でも再現できるか。
もし再現できるなら、役立ちます。
自慢話をされたら、まずは「使えるか?」と仕分けましょう。


打算的すぎて嫌だと感じる人がいるかもしれません。
しかし、思い出してみましょう。そもそも相手が自慢をする目的は「強くなりたい」という打算的なものです。お互い様だから、気にする必要はありません。

 

ここで想像力があると、自慢話の活用範囲も広がります。

お年玉の金額を自慢してきたというケースでも、
「金持ちの家に生まれやがって」とひがんでも、その家に転生できるわけありません。
ひょっとしたら同級生は、単に受動的にお年玉をもらっているのではなく、交渉したり、事前に根回しをしたのかもしれません。
自分の家でも来年から使えるテクニックがないか、確認してみるのも有効です。

自慢話の活用度について、想像力を広げてみましょう。少しは楽しくなってきますよ。

 

2 「誰が言うか」より「何を言っているか」

嫌味と同じく、いつも自慢話をする人を目の前にすると「またか!」と敵対モードに入ってしまいます。

私たちは、「誰が言っているのか」を思った以上に重視してしまいます

学生時代、好きな先生の科目は成績が良かったのに、嫌いな先生の成績は悪かったという人は多いでしょう。

失敗したときに「無駄なことをしないと伸びないんだよ」と、嫌いな上司から言われると腹立つのに、イチローがインタビューで同じことを言っていたら「そうだよな!」と前向きになれます。

「誰が」に着目して話を聞くと「あの人の言うことだから間違いない」とラクに受け入れられます。このようなラクな方法に慣れていると、嫌いな人の話は、つい先入観を持って聞いてしまいます。「また自慢か・・・」と、つい拒絶反応を起こしてしまうのです。

でも、自慢人間の話がいつも「使えない」とは限りません。
口から出る言葉が100パーセント名言という人もいないですし、100パーセント役立たないという人もいないです。
15パーセントくらいは役立つ話が混ざっているものです。

ですから、自慢話をされたときは、その相手の話だからと拒絶反応に従うのではなく、「何を言っているか」に耳を傾けてみましょう。

 

3 何のため?

次に、相手の自慢話が全く役立たない話だった場合はどうすれば良いでしょうか。
たとえば、どう考えても自分には使えない話や、何度も聞いた話のような場合です。

このときも大事なのは打算的に聞くという姿勢です。

なんで、その自慢話を聞かなければならないのか。

自分に役立たせる以外に、何か目的があるケースがあります。

たとえば、相手と良好な関係を築きたいケースです。

取引先の接待や、新天地で円滑な人間関係を作りたいと考えている場合には、自慢話を聞くことで、相手の気分は良くなります。
交渉時に相手が自慢話を始めたら、良好な関係を築くチャンスです。
人はそもそも話を聞いてくれる相手を好きになります。
自慢話であれば尚更です。

そんな目的がある場合には、苦痛であっても目的達成のために「聞く」というタスクをこなさなければなりません。

この場合の目的は関係性づくりですから、相手の価値観を満たすような聞き方をするのがポイントです。

相手が自慢話をしているのが、「自分の方が上だ」と序列を意識しているようなら、「○○さんって、ここが○○さんより凄いですよね」と誰かと比較したうえでの聞き方が有効です。
相手の自慢話が「自分はここにいていいのだ」という、集団内でのつながりを意識しているようなら「うちに○○さんは欠かせないですよね」と役割を尊重するような聞き方が有効です。

せっかく目的を持って聞くなら、相手の価値観を探って聞き方を意識した方が、効果的に目的を達成できるはずです。

 

4「だね」 5「かもね」

相手の自慢話が使えないうえに、特に関係を築きたいなどの目的もない場合には、適当に流して構いません。

何度も自慢してくるなら「だね」と2文字程度でかわして構いません。

同僚や先輩から「今回のイベントが成功したのって、オレのおかげだよね」のように手柄をアピールされることもあるでしょう。
「誰のおかげか」のように評価を含む自慢に同意を求められた場合、自分が決める問題でもありませんので「かもね」と、肯定っぽいけど実はどっちでもない表現でかわすのも有効です。

 

まとめ

他人の自慢話は打算的に聞こう。
自慢話を聞かされ続けて精神的に辛くなったときは、相手の話を分類して無駄に気力を浪費させられないようにしましょう!

 

P.S.
今回の手柄自慢人間も、書籍『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』で取り上げています。ぜひチェックしてみてくださいね。

著者:石井琢磨

f:id:takumann0505:20150212054508j:plain

『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』著者。弁護士。幼少時から家族が次々と壺を買わされるという、ダマされ環境で育つ。偏差値35から中央大学法学部に合格。在学中に司法試験一発合格、消費者事件を中心に活動中。

ブログ「相模川の弁護士55

『会社を辞めないという選択』著者に聞く、会社の財産を使って起業家のように働く5つのポイント

やりたい仕事ができない、上司とうまくやっていく自信がない、会社の将来が不安…さまざまな理由から、会社を辞めたいと思うことはありませんか? 

新たな価値を創造し、社会を変革すべく起業したいと考える人もいるでしょう。

 

しかし、「今の会社にいるからこそできる大きな仕事がある」と説くのは、1000社近くのスタートアップ起業を見続けてきた起業家・奥田浩美さん。そこで今回は、2015年2月に奥田さんが上梓した『会社を辞めないという選択』から、会社を辞めずに起業家のように働き、戦略的に大きな仕事をなし遂げる5つのポイントをご紹介します。

f:id:pinq4387:20150319113832j:plain

1.会社を「究極のチーム戦」と考える

会社を辞めて起業するとしても、何らかの形で人とお金を集めて事業を起こすことになります。一人ではできないことでも、自分にはない知識や経験を持つメンバーを集めることによって、同じ目的に向かうことが可能となるからです。ならば、自分でゼロから人を集めて会社を作るよりも、まずは現在の会社でできることを見直してみてはどうかと、同書では投げかけています。会社は、同じ目的に向かうチームメンバーと「スポンサー付きの究極のチーム戦」であるという考え方です。会社という「財産」を使って何がやれるのか、逆に自分は会社に何を与えられるのかを考えると、自身の価値や方向性が見えてくるのではないでしょうか。

 

2.VS志向を止める

会社員としての立場を語るときに、「会社VS個人」「大組織VS個」といった位置づけをすることが多いが、そのVS志向がチーム戦の妨げになるというのが奥田さんの持論。自分と異なる立場や価値観に対して、「スタートアップVS大企業」「男VS女」「都会VS地方」というような二極の対立で捉えるのではなく、それぞれの価値観や立場を理解する。VS志向を止め、チーム戦は自分とは異なる考え方の集合体だと考えれば、より戦力が高められるはずです。

 

3.苦手な人を持ち駒にする

人は誰しも苦手だと思う相手がいるもの。会社員の仕事の悩みにも「社内の人間関係」が多く挙げられますが、苦手な人と一緒に仕事をするのはストレスにもなります。しかし、自分と意見が合わない・対立するということは、「自分では表現できない部分を持っている貴重な存在」とも言えます。「あの人の強引さが苦手」を「あの人の積極性はすごいな」という評価に変えてみましょう。戦力として持ち駒だと考えれば、チームメンバーとして有益だと割り切れることもでき、戦力アップします。実際に嫌な要素を分解・分析してみると、それでも嫌だと思う相手はとても少ないものなのだそうです。

 

4.オープンイノベーション志向を持つ

新たなビジネスモデルと作る際に、社内のリソースだけでは不足する知識やスキル、経験が足りないケースは往々にしてあるもの。そのように感じた時は社内だけにこだわらず、積極的に社外でも仲間を増やす努力をしましょう。これからは共創(Co-creation)の時代。大企業とスタートアップ、企業と消費者が組んで製品やサービスを開発することで、新たなイノベーションが次々と生まれています。発注の立場で指示するだけではなく、社外の情報・発想や価値観を吸収し、共に考え、創ることで、新たな価値を提供することができるのです。

 

5.人・お金・時代に対する感覚を養う

ビジネスに欠かせない要素である「人・お金・時代」。会社の仕事に必要なお金は、もちろん会社が出してくれるもの。しかし、自分の仕事に対して出資者感覚を持っている人は意外と少ないのではないでしょうか。起業するとなれば、資金調達は大変で重要なものとなります。自分たちがやっていることが何の役に立ち、どう利益を生み出すのか感覚を養うことは非常に有益です。また、今はとても変化のスピードが早い時代なので、3年先に社会で求められるものに取り組んでいくことも必要です。大企業は完成品だと思っている人が多いかもしれませんが、200年、300年続いている会社は常にその時代に合った何か新しいものを生み出していくからこそ、生き残っていけるのです。

 

スタートアップを支援する各種イベントや、ビジネスコミュニティの仕掛け人としても知られる奥田さん。企業経営者にもスタートアップを目指す学生にいつも言っている言葉があるそうです。

  • 素直であること
  • 人に頼れること
  • 自分自身が変化できる人であること
  • 異質な考え方を受け入れること
  • 新たな価値観を共創すること

社外のさまざまな立場の人と協働し、共に新たな価値を創造する「共創」や、企業内部と外部の技術やアイデアを組み合わせて、革新的な価値を生み出す「オープンイノベーション」などのキーワードが示すように、「会社」という枠にとらわれる時代ではなくなってきています。起業家のように新しい価値を創造する会社員の存在は、非常に重要な存在になってくるはずだと、奥田さんは言います。

つまり「会社を辞めないという選択」とは、会社にしがみつけという意味ではなく、会社の中にいても外にいても、どんな立場でも社会は変えられるから、「会社」にこだわる必要はないということ。

まずは自分のいる場所から会社の中をじっくり見て、何が使えるのか、もらえるのか、何が与えられるのかを、奥田さんのアドバイスのように縦・横・斜めに眺めてみると、もっと今の仕事が面白くなるかもしれませんよ。

参考書籍:「会社を辞めないという選択」/奥田浩美/日経BP社

f:id:pinq4387:20150319115023j:plain▲著者:株式会社ウィズグループ、株式会社たからのやま代表取締役 奥田浩美さん
MacworldやWindows Wolrd、interop、Google Developer Dayをはじめとする数々のIT系大規模コンファレンスの事務局統括・コンテスト企画などを行う株式会社ウィズグループ創業者。2013年には株式会社たからのやまを設立。2014年より、独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)の未踏IT人材発掘・育成事業の審査委員を務め、若い世代の新たなチャレンジを支援している。これまでに携わったITイベントの数は300以上。のべ動員数は10万人以上。数億円規模のイベントをいくつも成功に導いている。近書に『人生は見切り発車でうまくいく(総合法令出版)』、『ワクワクすることだけ、やればいい!(PHP研究所)』がある。
●『会社を辞めないという選択』「特設サイト

文:馬場美由紀

【20代の不格好経験】好きで目指した映像の世界で才能の限界に気付く。そこから180度方向転換し起業家の道へ~Viibar(ビーバー)代表取締役 上坂優太さん

f:id:r_kihara:20150611112400j:plain

今、ビジネスシーンで輝いている20代、30代のリーダーたち。そんな彼らにも、大きな失敗をして苦しんだり、壁にぶつかってもがいた経験があり、それらを乗り越えたからこそ、今のキャリアがあるのです。この連載記事は、そんな「失敗談」をリレー形式でご紹介。どんな失敗経験が、どのような糧になったのか、インタビューします。

リレー第12回:株式会社Viibar代表取締役 上坂優太さん

ピクスタ株式会社代表取締役 古俣大介さんよりご紹介)

f:id:itorikoitoriko:20150320145303j:plain

(プロフィール)
1984年生まれ。映画監督を志し、大学時代には映画製作に没頭。卒業後は映像制作会社に就職し、AD、ディレクターとして3年間TV番組やCM等の制作に携わる。その後、楽天に転職し、営業、マーケティングを経験。2013年4月に動画制作クラウド「Viibar」を手掛ける株式会社Viibarを設立。

f:id:itorikoitoriko:20150320145304j:plain


▲動画を作りたい企業と、ディレクターやカメラマンなどのクリエイターをつなぐ動画制作のプラットフォーム。中間業者を減らすことでコスト削減が図れるうえ、プロのクリエイターに直接発注できるので互いの顔が見える安心感もある。現在、2000人以上のクリエイターが「Viibar」に参加している

■周りは全員無類の映像好き。彼らほど情熱を燃やせない自分に気づく

 元々は映画監督志望。大学時代は仲間たちと映画製作に没頭し、脚本を書いたり監督をしたりと積極的に活動していました。自分たちで撮った映画の上映会をして、観客の反応を見るのが楽しかったですね。
 卒業後は、映画以外の映像業界も見てみたいと、TV番組やCM制作を手掛ける映像制作会社に就職。映像に係るさまざまな分野を経験し、知識をつけてから、映画監督を目指そうと考えたのです。

 映像制作の現場は凄まじかったです。ある番組のADとして昼夜なく働き、寝る暇もない。でも、初めは本当に楽しかったです。ADには、「まずはディレクターになる」という目標がある。私もその目標に向かって、目を輝かせながらがむしゃらに頑張りました。ディレクターになれば、その先にある夢が見えてくるのではないかと。

 でも、ようやくディレクターになったとたん、予想に反して急に先が見えなくなってしまいました。
 AD時代は、番組づくりの補佐という立場でした。でも、ディレクターになればある程度、自分の裁量で番組の演出や企画に関われるようになります。その立場になった時に、自分の才能の限界に気づかされたんです。

「好き」というのは才能を形成する最大の要素だと思っているのですが、当時、私の周りは「映像が好き、TVが好き」という人ばかりでした。好きな仕事だからこそとことんまで頑張れるし、こだわれる。そして、好きなこと以外…例えば勤務時間が異様に長かろうが、寝られなかろうが、労働環境が悪かろうが、そんなことは全く問題にならない。彼らほどには映像制作に魂を込められない、情熱を燃やし続けられないと悟ったのです。大好きで、極めたいと思っていた映像分野で、もう戦えない…私にとっては大きな挫折でした。

■弱みと強みは表裏一体。全体を俯瞰できることが強みだとわかる

f:id:itorikoitoriko:20150320145305j:plain

 かといって、どんな分野に行けばいいのかもわからない。映像制作会社を辞めるまでの1年間は毎日が憂鬱でした。周りの同僚や先輩のように、とことんまで映像制作に打ち込めない自分を責めることもありましたね。

 ただ、そんな中で、ふと「弱みと強みは表裏一体ではないか?」と考えるようになったんです。周りが制作にひたすら集中する中で、私は一歩引いて全体を俯瞰していたので、業界にはびこる“非効率”に早くから気づいていました。無意味なヒエラルキーで現場の生産性が著しく低下していたり、劣悪な労働環境が放置されていたり、業界の多重な下請け構造があったり…誰もが「映像業界とはこういうものだ」と思っているから何も変わらずにいましたが、私の頭の中には「こうすれば効率化できるのでは?」というアイディアがどんどん浮かんでいました。こういう「一歩引いて全体を俯瞰し、課題を見つける力」は自分の強みなのではないか?と思うようになったのです。

 また、挫折を経験したことで、「作られたレールの上を歩くのは性に合っていないのではないか?自分で新しい“しくみ”を作るならば、起業するのがベストではないか?」という思いが生まれました。そこで、「映像業界を飛び出し、全く別の世界で自分を鍛え30歳までに起業しよう」と決意したんです。

■これまでの映像制作の仕組みでは、クライアントニーズに応え切れない

 次のステップとして選んだのが楽天です。別に企業に務めなくても、海外に行ってしばらく放浪するという選択肢でもよかったのですが(笑)、たまたま縁があって入社しました。ネットについても、ビジネスについても全くの素人を、よく採用してくれたと今でも思います。
 楽天では、カルチャーショックの連続でした。映像の現場に比べて、ITの世界はなんてフラットで効率的なのだろう!と驚きましたね。

 初めの1年弱は、楽天市場の店舗開拓営業を担当。営業をしたのは初めてですが、「ここで圧倒的な成果を出せなければ起業しても成功できるわけがない」という背水の陣で臨んでいたので、がむしゃらに働いてトップの成績を獲得。その実績を買われて、マーケティングやPRの部署に異動させていただき、楽天市場や、グループ全体のマーケティングに携わらせていただきました。

 チャンスは急に訪れるものです。その頃、テストマーケティングを除くと、楽天では初めてのマス広告となるキャンペーンを「楽天スーパーセール」でやることになったのですが、当時は社内にTVCMの知見がある人がいなかったんです。そこで、マーケティング部長のもと、私が担当として数億円規模のバジェット(予算)を預かることになりました。
 当時はまだ28歳、ものすごいプレッシャーでしたが立ち止まっている暇はありません。TVCM、Webキャンペーンなど、さまざまな取り組みを実行しました。広告代理店など関係各所のたくさんの人とやりとりをしましたが、その中で、ある課題が見えてきたのです。「動画を活用したキャンペーンがTVCM以外、ほとんど成立していない」という課題です。

 発注主の側からすると、TVCM以外にもオンラインでもリッチな動画キャンペーンを展開して、広告効果の最大化を図りたいのですが、そもそも制作コストが見合わない。TVCMのような予算感で作ると最低でも1000万円はかかってしまいます。私は、少し前まで「向こう側(=制作側)」にいた人間だから、この点に引っかかりを持ちました。

 これからはTVだけでなく、オンラインでの動画広告がますますポピュラーになる。でも、これまでの供給の仕組みでは、クライアントのニーズに応え切れない。撮影や編集機材にも技術革新が起きていて、以前よりはるかに低コストで高品質の動画が制作可能なことは気づいていました。ここに、需給のマッチングの仕組みをつくれば、今まで使えなかった領域でも動画が使えるようになる世界が実現できるのではと思いました。

■「好きな方」を選べば、壁にぶつかってもきっとやり切れる

 当時は業務と並行して、ビジネススクールに通って「起業の芽」を見つける努力を始めていました。ビジネスアイディアをそれこそ100以上考え、その中でも筋がいいと思えるものをブラッシュアップし、先生やビジネススクールの仲間、起業家の先輩などを相手にプレゼンして意見をもらっていました。そうして、「このビジネスで行こう」と思えるものをようやく定めたところだったんです。

 ただ、そのアイディアは周囲からの評判もよく筋もよさそうだったのですが、結果的にはそれを捨てて、自分の原点である「映像制作の新しいしくみ作り」をビジネスにしようと決めました。なぜなら、前者を選んだら、もし将来うまくいかなくなった時に踏ん張り切れず、きっと諦めてしまう。でも、後者ならば、たとえ壁にぶつかっても、やりたいことだからやり切れると思えたんです。

■道に迷ったら、思い切り逆サイドに振る。振り子の振幅は大きい方がいい

f:id:itorikoitoriko:20150320145306j:plain

 そうして立ち上げたのが、動画を作りたい発注主と、ディレクターやカメラマンなどのクリエイターをつなぐ動画制作のプラットフォーム「Viibar」です。企業は、国内外の優秀なビデオクリエイターに直接仕事を発注できるので、これまでの業界では不可能だった高品質・低価格の動画を制作することが可能になりました。 また、登録クリエイターは、直接仕事を受注でき、「Viibar」が提供するオンライン制作支援システムによって、効率的な制作が可能になります。

 映像制作会社時代に感じていた課題が、全く違う畑だと思っていた楽天でビジネス化できることに気づき、そして今がある。当時は一つの「点」にすぎないと思っていた経験が、知らず知らずのうちにつながって一本の線になりました。どんな挫折経験であっても、人の経験というものに決して無駄はないのだと実感させられましたね。

 あくまで自分の経験をもとにした個人的な意見ですが、挫折したり、道に迷ったりしたら、「思い切り逆サイドに振り切る」のは一つの方法かなと思っています。

 多少無茶な選択であってもいいと思います。北野武が「振り子の話」をしていたのですが、彼は自身が監督する映画の中で、暴力の表現を鮮明にするために笑いの要素、つまり全く逆に振り子を振っておくという。これは、彼がコメディアンと映画監督という両端に振っていることと無関係ではないと思います。結局、人が世界に与えられるインパクトはその振幅が大きいほど強くなるのではないか、と僕は考えています。「これだ!」と信じて本気で打ち込めば、たとえそれが方向違いだったり、失敗に終わったとしても、本気で取り組んだ経験は自分の中に価値として残ります。複数の打った点が、それぞれ全く別方向に見えても、その経験は振り子のように真ん中に戻ってきて、将来振り返ってみた時に、太くしっかりとした線(キャリア)になっているのだと思いますよ。

 EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭

>>【あわせて読みたい】「20代の不格好経験」シリーズ

f:id:r_kihara:20150611112400j:plain

やりたいことだけやって生きていきたいなら、人の言うことは、一切、聞くな【ロボット工学者 石黒浩さんの仕事論】

f:id:k_kushida:20150310195939j:plain

自分そっくりのアンドロイドが、自分に代わって講演をする。
そんな漫画のような世界を現実のものにしてしまった科学者。
それが、大阪大学の石黒浩教授だ。
世界中から注目を集めるロボット研究の第一人者だが、
研究を始めたきっかけは、実に意外なことだった

 

大人になるということは、思考停止になるということ

ロボット研究を始めたのは、人間を知りたいと思ったからです。きっかけは、小学校5年生のとき。先生から「人の気持ちを考えなさい」と言われて、ものすごく驚いたんですよ。人の気持ちなんてそう簡単にわかるわけない。それなのに、大人ってすごいこと言うなあと。

“人の気持ちを考える”ためには、少なくとも3つことがわかっていなくてはなりません。「人って何か?」「気持ちって何か?」「考えるって何か?」。この答えをいつか教えてくれるんだろうと、僕はずっと待っていた。でも、誰も教えてくれませんでした。

待っていてわかったことは、“大人は何もわかってない”ということです。わからないことをわかったように言っているだけ。他人の言うことをうのみにして、うそばっかり言っている。まさに思考停止状態です。それが大人になるということなんですね。そんなうそつきの集まりである“大人の社会”に出ていくことに、僕は抵抗を感じました。だから社会に出ないでそのまま大学に残り、研究者になりました.言ってみれば研究者は、消去法で選んだ道です。

f:id:k_kushida:20150310202331j:plain

提供:大阪大学

 

「人の言うことを聞かないこと」が一番大事

変に思うかもしれないけど、僕はいろんなことにすごく敏感で、人の言うこと、ひとつひとつに疑問を持っていた。何でも疑ってきたんです。今思えば、これは研究者になるために非常によかったことだと思っています。研究者にとって一番大事なことは、“人の言うことを聞かないこと”ですからね。人のマネなんかしていても、大したことはできません。僕の周りで成功している人は、そんな人ばっかりですよ。

それから、自分の中の疑問を大事にすること。適当に折り合いをつけてごまかしてはダメ。人が言っていることは、すべて疑ってかからなくちゃならないんです。

例えば、人間の命は尊いと言いますよね? 何事にも代えがたいって言いますよね? 小さいころから言われてきたことですが、本当に人間に価値があるかどうか、考えたことはありますか? 価値というのは、時代によっても場所によっても変わるんです。絶対的な価値なんて存在しない。だから、人が決めた価値をうのみにするんじゃなくて、自分で考えなくてはならないんです。そのために大きな脳があるし、もっと言うと、人はそのために生きているんです。

一度、“自分たちは、子どものころからうそばっかり教えられてきた”という前提で物事を考えてみるといい。親の言うことは信用するな。先生の言うことは信用するな。全部自分で考え直せ。僕はいつも先生を質問攻めにしてましたよ。授業を止めてでも質問してましたから、先生は僕の顔を見ると逃げてましたね。

でもね、そこまでやるには相当の準備がいる。だって先生の意見に対してちゃんと反論できないと許してもらえませんから。人の言うことを聞かない人生を送るには、かなりの能力と運と覚悟が必要なんですよ。

 



石黒氏はこれまで、“やりたいことだけをやってきた”という。
なんともうらやましい人生だが、そこには、死ぬ気で研究に取り組んだ
壮絶な日々があった

f:id:k_kushida:20150310200557j:plain


本当に死ぬ気で頑張っているときは、体の震えが止まらなくなる

大阪大学の博士課程にいたとき、博士号をとれなかったら死のうと決めていました。だから死ぬ気で頑張ったんです。ただ、みんなよく、死ぬ気で頑張るって言うでしょう? でも本当に死ぬ気でやっている人は少ない。死ぬ気で頑張っているときは、体の震えが止まらないんですよ。極度の緊張状態です。そういう状態まで自分を持って行って、初めて死ぬ気で頑張っていると言えるんです。

僕はバイクで2、3回生死の境をさまよったので、頑張る境界線が人より高かったのかもしれませんね。とにかく、ずっと死ぬ気でやってきたことだけは事実です。

もちろん、能力が高い人はそんなことをしなくていいですよ。ある大学の学長に、生まれてから一度もノートをとったことがないという人がいるんです。その人は、授業を一度聞いただけですべて覚えてしまうとか。東大に入ったときも、一切勉強しなかったそうです。世の中には、そういう人もいるんです。そんな人は、死ぬ気でやらなくともいいかもしれないけど、そうじゃなかったら、死ぬ気でやらなくては、人の言うことを聞かない人生は送れません。

死ぬ気でやってきてよかったことは他にもありますよ。例えばアイディア。研究者にとってアイディアが出せることは生命線なんですが、死ぬ気でやった結果、一切アイディアに困らなくなりました。そのおかげで、普通にやっていれば間違いなく教授になれるだろうと思われるくらい大量の論文を書くことができたんです。

そんなとき、助教授を務めていた研究室の教授が「そろそろ世の中を変える研究をしてみたら」と声をかけてくれました。それで、小学校5年生の時に抱いた「人間ってなんだろう」という疑問を解明するために、アンドロイドを作ることにしたんです。僕は人間のこともわかりませんが、自分自身もわからないんです。だからまずは自分自身を知ろうと、自分そっくりのアンドロイドを作った。やってみてどうだったか? ますます人間がわからなくなりましたね(笑)

 

 

見込みのある人はほめない。あきらめた人はほめる。

あまり人の言うことを聞かずに生きてきましたが、僕を大阪大学や京都大学に引っ張ってくれた教授は、僕のそういうところを評価してくれたのだと思います。

もちろん、ほめられたことなんかありませんよ。僕の指導教官だった人はむちゃくちゃ厳しい人でしてね。月に30分しかミーティングの時間がもらえなかったのですが、その時間に僕が研究報告をすると、「頭悪い。顔見たくない」と言われるんです。世界一難しいところに論文が通って報告に行ったときも、「通ることはわかっていた。それで?」で終わり。一切ほめてもらえません。

あるとき、その先生に「どうしてほめないんですか?」と聞いたら、「僕がほめるのはあきらめた奴だけだ」と。この世界はそれが普通なんだと思ってきたので、僕もあきらめてない学生には、「ゴミみたいな結果を持ってくるな」と言います。逆にダメなやつは適当にほめておきます。「頑張ったねえ」って(笑)。

厳しい世界と思うかもしれませんが、僕にとっては誰かが決めたことに素直に従わなくてはならない世界にいるより、この世界にいるほうがずっと楽なんです。嫌だと思ったこともない。お金をもらっていても、仕事だという感覚はありません。趣味と仕事が一緒になっているんです。

趣味のような仕事で食べていけていいですね、とよく言われますが、もしそうなりたいなら、僕が言ったことはすべて忘れることです。同じことをしていても、同じようにはなりません。人のマネでは成功できない。やっぱり自分の頭で考えるしかないんですよ。

 

【Profile

いしぐろ・ひろし●1991年、大阪大学大学院基礎工学研究科博士課程修了。その後,京都大学情報学研究科助教授、大阪大学工学研究科教授等を経て,2009年より大阪大学基礎工学研究科教授に就任。2013年大阪大学特別教授。ATR石黒浩特別研究所客員所長(ATRフェロー)。専門はロボット学、アンドロイドサイエンス、センサネットワーク等。2011年大阪文化賞受賞。

 『どうすれば「人」を創れるか アンドロイドになった私』 石黒浩著

f:id:k_kushida:20150310201536j:plain

自分そっくりのアンドロイドがいたら、人は何を感じるか。実際に自分自身がモデルとなり、アンドロイドを開発した石黒氏の体験が克明に書かれている。開発秘話もさることながら、アンドロイドと実際に触れ合った時の人々の反応や感じ方がとても興味深い。また、アンドロイド研究を通じて石黒氏が考えた「人とは何か」という疑問に対しての仮説は非常に説得力があり、その仮説を自分自身の行動に置き換えてみることで、自分を知るきっかけにもなる。今後、さまざまな形で日常に関わってくる人間型ロボットをビジネスに活用する場合のヒントとしても非常に有益な本だ。
新潮文庫

 ※リクナビNEXT 2015年2月11日「プロ論」記事より転載

EDIT/WRITING:高嶋ちほ子 PHOTO:有本ヒデヲ

頭カチンコチン!「●●すべき」から抜けられないルール人間に対抗するフレーズ3つ

ある不動産関連会社では、昼休み中にパソコンの電源をシャットダウンするというルールがあります。

新入社員のTさんは、部長とランチに出た後に、電源を切り忘れたことに気づきました。
部長はルールに厳しく「ちゃんと切るべきだ。今すぐ戻れ」と言います。

仕方なくビルのエレベーターを使い、オフィスに戻り電源を切るなかで、Tさんは「ここまでする必要ある?」と疑問を感じます。


その日の午後は部長と一緒に外回り。
社内で必要な書類にお客様から印鑑をもらいます。
しかし、お客様が印鑑を持っていない。

すると、部長はカバンの中から認め印を100個近く出し、一つを選んでお客様に貸していました。

珍しい姓で、部長が印鑑を持っていないときには、「T君、あそこの100円ショップに売っているか見てきて」と指示。

自分の印鑑ですらない。社内で使う書類なのに、ここまでしてハンコが必要?


部長に質問すると

「そういうルールなんだよ」

これ、説明になってないですよね。

f:id:takumann0505:20150308094650p:plain



このルール部長、報告書を出しても「書式が違う」「記入方法が違う」と細かいんですよ。

ああー、めんどくさい!



一貫性

そんな気持ちになったときは、本棚から『スラムダンク』24巻を取り出してみましょう。
有名なバスケットボールマンガです。

エースの流川楓が片目をケガし、遠近感がつかめないのにシュートをスパッと決めたり、目をつぶってフリースローを決めたりするシーンでのセリフです。

「何百万本も打ってきたシュートだ」

反復練習を続けることで、身体が動作を覚え、型ができるのです。
そうすれば、視覚に問題が出ても、身体が反応してくれます。

これは、スポーツに限りません。
脳も同じです。

同じ仕事を続ければ、型ができ、スピードが速くなるでしょう。
目をつぶっても傾きなくハンコを押せるはずです。


「何百万回も押してきたハンコだ」

しかし、徐々に頭が固くなってきます。

やがて頭がカチンコチンになると、型どおりの仕事はラクにできるものの、型から外れた仕事には対応できなくなってしまいます。


人は、過去と一貫性を持って行動します。なぜなら、過去と同じことをしていた方が考えなくていいのでラクだからです。


木を見て森を見ず

ルールやマニュアルを徹底していくと、自分の仕事だけしか見えなくなります。
マニュアルがないときは、どうすれば問題が出ないか考えながら全体のことを考えながら仕事をしていたのに、マニュアルができたら、その通りにやれば良くなりました。
ラクにできるので仕事は早くなります。
しかし、マニュアル以外のことに対応できなくなりました。


とにかく目の前の行動に集中。
昼休み前にパソコンの電源を切る行動に集中してしまいます。
ちゃんと行動するためには、エレベーターを往復させたり、時間を使ったりするのも気になりません。

「一貫性」と「木を見て森を見ず」により、頭カチンコチンのルール人間が大量生産されてしまうのです。

f:id:takumann0505:20150308094650p:plain

このようなルール人間から、理不尽なルールを押しつけられたら、どう対抗すれば良いでしょうか?


フレーズ1「何のため?」

私たちも行動に集中し過ぎて、「何のため」にしていたのか、忘れてしまうことは多いです。

久しぶりに彼女ができたIさん。
デートの際、楽しい思い出を残しておこうと、たくさんの写真を撮りました。
ところが、帰り際に、彼女が誤操作であなたが撮った写真を全消去してしまいました。
「は!?信じられない」と大きな声を出してしまい、険悪なムードに。

ちょっと待ってちょっと待ってお兄さん!

「何のため」に写真を撮っていたんだっけ?


→楽しい思い出。

ケンカしたら、そもそも楽しくなくなるじゃないですか。


5歳の子を持つパパTさん。
たまの休日に子どもと遊びます。子どもがやりたいというゲームで一緒に遊んでいました。
そのゲームを分析したところ、効率的に進めるには、まず自分がレベルを上げてから、子どもと遊んだ方が良さそうです。その仮説に基づき、必死にレベル上げをします。子どもが「パパ、ボールで遊ぼうよ」と言っても、「いま、レベル上げなきゃいけないから、後でな」

ちょっと待ってちょっと待ってお父さん!

「何のため」にゲームを始めたんだっけ?


→子どもと遊ぶため。

あなたの子ども、なんだか寂しそうにしてますよ。

私たちは、つい行動に集中してしまい、「何のため?」という趣旨を忘れてしまいます。


仕事でも同じです。

半年後に海外勤務予定のFさん。
1日1時間、英語の勉強をすることに決めました。
残業後の疲れている状態で、睡魔と闘いながら、とにかく英語の資料を開きます。
「よし、1時間経過。今日はここまで」

これ、ただの自己満足。


多くの人が、行動だけに集中してしまい、「何のため」の行動だったのか忘れてしまいます。

理不尽なルールを振りかざすルール人間は、マニュアルの行動面に集中してきたため、趣旨を忘れてしまっていることも多いです。

そんなときは、「何のため?」のルールだったのか、思い出させてあげると良いでしょう。

趣旨に立ち返ってムダであることが分かれば、ルールそのものを変えてもらえるかもしれません。

パソコンの電源を切るルールが、節電目的であれば、エレベーターを使ってまで戻るのは、その趣旨に合いません。

 

郷に入れば郷に従え

新天地では、そこのルールに従おうということわざです。

こんなことわざができたのは、新天地では新人はルールを知らないからです。
ということは、逆にチャンスです。

新入社員、転職、部署異動などで新天地に行ったときには、そこのルールを偏見なく見ることができます。
先入観なくルールを見ることで、おかしな点を見つけられるかもしれません。
新人ならではの視点で、「何のため?」と聞いてみると良いでしょう。


フレーズ2「時代は変わったのでは?」

社内のルールだけではなく、自分の習慣から抜け出せない人もいます。

上場企業に勤務し、年収1000万円以上。
うらやましい。

と思いきや、多重債務でカードローンに苦しんでいる人も多いです。
収入があると借金もいっぱいできるから、利息だけで年100万円以上払っていたりします。

そんな借金の理由を聞くと、部下におごりすぎて苦しいと言います。

かつては会社から交際費を支給されていたのですが、業績悪化によりそれが止まってしまい、自腹でおごり続け、足りなくなりローンを利用しているというのです。

部下と飲みに行く理由を聞くと、
「やっぱり部署内のコミュニケーションをよくすると、仕事がうまく進むんですよ」と言います。

ちょっと待ってちょっと待って部長さん!

頭の中は、ローンの返済のことだらけ。
「やばい、次の返済どうしよう・・・。いや、でもまた週末の飲みが・・・」

仕事に全く打ち込めていません。
何のために身を削ってるのでしょうか。

「部下を誘うなら、上司がおごる」という習慣にこだわり過ぎかもしれません。

古い習慣にしがみついている人を見かけたら、「時代が変わった」ことを伝えてあげると良いでしょう。

 

フレーズ3「シロートですから」

頭が固い人は、相手を型にはめて考えがちです。

「キミ、B型だからかー、変わってるよねえ」
「女だから結婚して30くらいで辞めるんだろ?」
「男なんだから、もっと野心を持て」

こんなふうに、相手をカテゴリーごとに分類して、自分の価値観でまとめてしまう人です。

そろそろB型でフツーの人、バリバリ仕事をしたい女性、平和主義の男性たちが全国各地で集団訴訟を起こしてもおかしくありません。

こんな人たちは、仕事でも無理を言ってくることもあります。
「営業なんだから、うちの言うこと聞いてよ」
「部下なんだから上司に逆らうな」

こっちが仕事で全力を尽くそうものなら、
「会社員なんだから、そこまでしなくていいよ」
とブレーキをかけることもあります。

何でしょう、そのカテゴリー思考。

相手の言っている「型」が古い!と感じるときは、時代が変わったことを伝えても良いですが、せっかくなので相手の「型」で考える型に乗っかって、「シロートですから」としらばっくれてみましょう。

「会社員なんだから、そこまでしなくていいよ」
「そうですか?新人なんで会社員がそういうものだなんて分かりません」
と相手のカテゴリー思考に気づかないふりをしてサラリとかわしてみてはいかがでしょうか。
シロートがムードを変えて成果を出すこともよくありますしね。

まとめ

頭がカチンコチンのルール人間に対しては、
「何のため?」という趣旨を確認、
それが時代に合っているかのチェック、
相手のルールに乗らないシロート思考
が有効です。
ルールは使い方次第。うまいこと使っていきましょう!



P.S.
高校の陸上部時代、色白のわりには足速いよね、と何度も言われました。
今回のルール人間も、書籍『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』で取り上げています。ぜひチェックしてみてくださいね。


著者:石井琢磨

f:id:takumann0505:20150212054508j:plain

『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』著者。弁護士。幼少時から家族が次々と壺を買わされるという、ダマされ環境で育つ。偏差値35から中央大学法学部に合格。在学中に司法試験一発合格、消費者事件を中心に活動中。

ブログ「相模川の弁護士55

会社を辞めないで仕事をチェンジ! 退職よりも安全でお得な「社内転職」のススメ

Change direction

Change direction by Phil Whitehouse, on Flickr

こんにちは。ココロ社です。

いまの仕事にどうも納得がいかなくて、「転職したいかも……」と考えている方も多いと思います。

ただ、ご存知のように転職にはリスクが伴いますし、求められるレベルも高くなります。

そこで考えたいのが、異動や業務領域の拡張によって、転職したかのような効果を得る方法です。とくに「職場の雰囲気や待遇はよいのだけど、仕事が退屈」と思っている方には、この「社内転職」を強くおすすめします。

◆安易な転職はリスキーである

転職したいと思っていても、自分の気持ちに沿う転職先を見つけるのは至難の業です。

まず、転職先での待遇。入社前に可視化されていないものも多くあります。

たとえば、「残業がない」という話だったのに、事実上は「単に残業代が出ない」だったりすることもあります。これはまだよく調べればわかることもありますが、配属先の上司の人柄のよしあしなどは、まず知りようがありません。転職する理由の筆頭に上がるのが人間関係であるのに、です……。

クリエイティブな仕事など、多くの人が就きたいと思っている職業は、待遇がよくなくとも、なり手が豊富にいます。あこがれのクリエイティブ職に転職したものの、待遇が辛すぎて辞めてしまうという話は聞いたことがあると思います。

とくに、今までと異なる仕事をしたいと思っているときには要注意です。

募集広告に「未経験でもOK」と書いてあり、胸を躍らせることがあるかもしれませんが、未経験者を歓迎している場合には年齢が若いうちから育成することを前提にしていることも少なくないですし、離職者が続いた事情があったりするかもしれず、一筋縄ではいかないのです。

◆ひとまず異動や業務拡張を考えてみよう

そこでおすすめしたいのが、今いる会社で、仕事を変える方法です。

会社を変わらず仕事を変える方法には、ひとまず2つあって、1つは異動、1つは業務拡張です。

1. 社内なら「未経験の人も歓迎」が本当に成り立つ!

中途社員の採用面接でよく聞かれるのは、「あなたは今の仕事でどのような成果を残したか、具体的な数字にもとづいて説明してください」という質問。成果が数値化して現れる部門ならよいですが、数値化しづらい部門から別の仕事に就こうとしてしていたり、転職先の会社にない部門ならば、自分が残してきた実績を面接担当にもわかるように説明するのは難しいでしょう。

その一方で、同じ社内で別の仕事に就く場合、いままでの実績は勤務評定で付けられているので、一から説明する必要はありません。未経験の仕事に就く場合も、それまでの実績を重視してもらえます。

たとえば、クリエイティブ職に就きたい営業マンなら、社外への転職は非常に難しく、面接で「今までのキャリアと違いますよね」と言われ、モゴモゴしてしまうかもしれません。特別な事情がない限り、経験者の方が有利です。

しかし、社内の異動だと、「営業マンとして実績があるし、意欲があるのだから、きっとクリエイティブ職でもうまくやっていけるはずだ」と好意的に解釈してもらえる可能性がかなりあります。営業マンとして優秀なら、コミュニケーション能力が高いので、顧客に伝わるクリエイティブを作ることもできるし、デザイナーさんとのやりとりもスムーズに進めるだろうと考えてくれるのです。

社内で「仕事の基本ができる人間」とみなされていれば、他の仕事を任せても大きくハズレを引くことはないと考えるのです。万が一、クリエイティブ職として成果が上がらなければ、元の仕事に戻せばいいだけの話ですし、会社にとっても中途採用をするよりリスクが低くてよいと判断することもあるのです。

2.「担当者が決まっていない」仕事にチャンスあり!

運がよければ、異動という手段をとらずに新しい仕事に就ける可能性もあります。プロジェクトの中でときどき発生する「担当者が決まっていない仕事」に手を挙げるというやり方です。

たとえば、ビラ1枚を制作する仕事が浮いていたとき、もしクリエイティブな仕事を本格的にしてみたいと思っているのなら、自分の仕事が忙しくても「ビラのデザイン、わたしがやりたいのですが」と受けてみるべきです。

やらされ仕事には厳しい評価を下す上司も、自分から手を挙げる人には優しくしてくれるもので、時間がかかったり、本職のクオリティに満たなかったとしても、大目に見てくれるはず。

ビラ1枚で小さな実績ができれば、「クリエイティブな人材を他から探してきたり交渉したりするのは面倒」と思っている上司は、次もまたあなたに「ポスターの仕事をやってくれるか?」と聞いてくるかもしれません。このように、組織の矛盾の中で浮いているやりたい仕事を拾っていけば、リスクを取らずに経験を積んでいけるのです。

◆新規事業への参加は、常日頃からのアピールが重要

さらに、新規事業への参加もまた社内転職のチャンスの1つです。新規事業に参加するには、常日頃からのアピールが大切です。

なぜなら、新規事業は通常の人事異動とは異なるタイミングで起こされる場合も多いからです。そのようなとき、「次の面談のタイミングでクリエイティブ職に就きたいとアピールしよう」と思っていても、面談が始まるころには新規事業のメンバーが決まってしまっていることもあるからです。

上司に、自分の志向について常に把握してもらえるようにしておけば、新規事業のメンバーを探しているという話を耳にした上司が「彼はどうかな」と推薦してくれるかもしれません。

実際のアピールの方法ですが、上司との雑談の中にねじ込むくらいの勢いでいくとよいです。ただし、いまの仕事に対して不満があることをアピールしてはいけません。

上司が「コンシューマー営業部の売り上げが前年比50%アップらしいよ」などと言ったら「いまの法人営業の仕事がもっとうまく回せるようになったら、コンシューマー営業の仕事もできたらいいなーと思っています」などと言っておけばよいのです。

重要なのは頻度です。繰り返しアピールして上司に記憶してもらい、「この仕事なら彼」と条件反射的に思い出してもらえる状態にすることです。

◆「いまの会社では絶対にできない」という状態になったら転職を!

それでもなお転職を考えるときには、「自分のやりたいことは、社内では絶対にできない」と見極めてから動くことをおすすめします。どうせ面接でも「その仕事は今の職場でもできたのでは?」という質問はされますし、それに対して明確な答えが出せることは、転職の必須条件でもあるのです。

著者:ココロ社 (id:kokorosha)

ココロ社 (id:kokorosha)

大阪生まれ。東大文学部卒業後、テレビゲーム製作を経て平凡な窓際サラリーマンとなる。傍らで珍妙なブログ「ココロ社」を運営。書籍の執筆もしており、著書に『マイナス思考法講座』(阪急コミュニケーションズ)『モテる小説』(阪急コミュニケーションズ)『忍耐力養成ドリル』(技術評論社)など。好きな犬はヨークシャテリア。

【20代の不格好経験】2度起業するも「易きに流れ」て挫折。3度目で、ようやく“やりたいこと”に巡り合えた~ピクスタ代表取締役 古俣大介さん

f:id:r_kihara:20150611112400j:plain

今、ビジネスシーンで輝いている20代、30代のリーダーたち。そんな彼らにも、大きな失敗をして苦しんだり、壁にぶつかってもがいた経験があり、それらを乗り越えたからこそ、今のキャリアがあるのです。この連載記事は、そんな「失敗談」をリレー形式でご紹介。どんな失敗経験が、どのような糧になったのか、インタビューします。

リレー第11回:ピクスタ株式会社代表取締役 古俣大介さん

八面六臂株式会社代表取締役 松田雅也さんよりご紹介)

f:id:itorikoitoriko:20150310172221j:plain

(プロフィール)
1976年生まれ。多摩大学在学中にインターネットの可能性を感じ、「ネットを使ったビジネスで起業する」と決意、まずはコーヒー豆のEC販売をスタート。大学4年生の時に株式会社ガイアックスにインターン入社し、後に正社員になるも、1年で退職。2002年に飲食店向け販促物のデザイン・印刷会社を立ち上げるが1年後に撤退。2003年に健康グッズのEC事業で2度目の起業を実行する。2005年8月、ピクスタの前身となる株式会社オンボードを設立、現在に至る。

f:id:itorikoitoriko:20150310172222j:plain


▲プロ、アマを問わず写真やイラスト、映像などの素材を投稿・販売できる、デジタル素材のマーケットプレイス「PIXTA」。2015年3月6日現在で、クリエイター数15万人、デジタル素材約1060万点がストックされている

■ECサイト運営、二度の起業、いずれもビジネス的には成功したが…

 ピクスタは2005年、私が28歳の時に起業しました。「写真やイラスト、映像素材のマーケットプレイス」というビジネスモデルは、私が人生をかけて取り組みたいと思えたもの。その想いが本物だったからこそ、ここまで来られたのだと感じています。
 
 実はこれが3度目の起業。それまでに2回起業し、いずれもビジネス的には成功したのですが、「自分の人生をかけて取り組むビジネス」とまではどうしても思えませんでした。もっと早く、今のビジネスモデルにたどり着いていれば…。28歳までのいくたびもの紆余曲折が、失敗と言えば失敗でしたね。ただ、この過程がなければ、今の私はなかった。幾度となく心が折れそうになりましたが、私にとっては必要な期間だったのだと思うようにしています。

 真剣に起業を考えたのは、大学2年生の時。ちょうどインターネットが普及し始めた頃で、新しいビジネスがどんどん生まれていました。「自分もネットで新しい価値を生み出し、社会にインパクトを与えたい」と思うようになったのです。ちょうどその頃、ソフトバンクの孫正義さんについて書かれた本を読み、この人のようなエキサイティングな仕事人生が送りたいと思ったのもきっかけでした。

 でも、ネットという軸足は決めていたものの、どんな分野でビジネスをすればいいのかなかなか思いつかなかった。そこで、叔父がやっているコーヒー豆焙煎店に注目、コーヒー豆のECサイトを作れば、地方のユーザーに受けるのではないかと思い、見よう見まねでサイト作りから始めてみました。
 素人が作った簡易的なサイトでしたが、当時そういうサイトが少なかったため、すぐに売り上げが立つようになりました。メルマガを発行するなど手探りで販促策にも挑戦したら、3カ月後には売り上げ30万円を稼ぎ出すまでになりました。

 でも本当にやりたいこととは言えないし、これで起業するのはどうか…と思っていた時に、ネット企業のガイアックスの社長と知り合い、同じくらいの年齢の人たちが自分とは圧倒的に違うスケール感でビジネスをしていることに衝撃を受けたのです。「1カ月でいいから勉強させてほしい」と頼み、インターンで入社し、そのまま正社員になりました。

 コーヒー豆という個人商店から、会社組織に移り、意識ががらりと変わりましたね。当時のガイアックスは、平均年齢22歳ぐらいの若い会社。しかし、大企業や官公庁相手に大きなビジネスを展開している。ネットのような新しいビジネス領域では、若手が主導できることを知りました。
 ますます、ネット領域でビジネスを立ち上げたい!という思いに駆られ、何のメドもついていないのに1年で退職しました。会社を辞め、じっくり自分に向き合わないと、本当にやりたいことなど見つけられないと思ったのです。

■やりたいことをビジネス化したいのに…無職悶々期間に軸がブレる

f:id:itorikoitoriko:20150310172224j:plain

 事業を考える時の軸には、大きく「世の中が求めているもの」か「自分がやりたいもの」か、という2つの軸があると思います。私の場合、後者をビジネス化したかったはずなのですが、ガイアックス退職後、半年近く職に就かずに悶々と考え続けていたので、途中で考え切ることに疲れてしまい、軸がブレにブレて「世の中軸」で考えてしまいました。その結果、飲食店のポスターやPOP、メニューなどのネット印刷というビジネスモデルを考え出します。小ロット印刷のニーズは大きいし、ネット受注に向いていそうだと思えたのです。

 試しにネット経由ではなく、飲食店に直接営業を掛けて反応を見たところ、すぐに受注をいただけました。急ごしらえでデザインも引き受けるようになり、1つ1つの受注をこなしていたら、あれよあれよという間に200店舗もの顧客ができていました。
しかし、印刷物に対する個店の要望はフォーマット化しづらく、これをネットビジネスにするのは難しいという結論に達し、顧客に頭を下げて会社を畳むことに。私自身、200店舗との細かいやり取りや集金、デザイン制作に振り回され、ひたすら辛い毎日だったのです。これが「自分が本当にやりたいもの」だったら、もしかしたら違う結論になっていたのかもしれません。

 実は当時、印刷物の素材として、ネットの写真素材やイラスト素材をフル活用していました。このときに今のビジネスアイディアがひらめいていればよかったのですが、また回り道をします。

 会社を畳み、収入がなくなったので、当時空き家になっていた元実家に引っ越し、すきま風が吹く部屋で膝を抱えながらひたすら次のビジネスを考え続けました。二度目の悶々期間です。ただ、このときも3カ月程度で、中途半端に「自分に向き合う」ことを止めてしまいました。オカネもない、アイディアも浮かばない状況を見かねて、雑貨商の父から「うちの健康雑貨をネットで売ってみない?」と声を掛けられたのです。生活費を稼ぐために少しやってみるか…と始めたところ、これがまた売れちゃったんです(笑)。このときにはすでに兄が勤めていた会社を退職して一緒にやっており、半年後には月の売上高が500万円、2年目には年商1億円にまで成長しました。

 生活は潤いましたが、またもやジレンマに陥りました。自分の手で、ゼロから新しい価値を生み出したいと思って、起業を目指したんじゃないのか?って。

■幼少期まで振り返り、「自分のやりたいこと」にとことん向き合う

f:id:itorikoitoriko:20150310172223j:plain

 同じ後悔は、もう二度と繰り返したくない。退路を断って仕事を止めてしまうから、身近なビジネスに手を出してしまったのだと反省し、健康雑貨のECサイトが安定し始めた頃から、「仕事の合間に、起業アイディアを考える」という方法を取りました。今回はすでに安定収入があったので、「稼ぎつつ考える」時間が確保できたのです。

 自分のルーツから振り返り、自分は何がやりたいのか?をじっくり時間をかけて考えました。
 両親ともに小売業を営み、物心ついた時から「商売」は身近なものだった。でも、コーヒー豆、印刷物、健康雑貨を扱ってみて、いくらモノが売れても「物売り」にモチベーションを感じない自分に気づいた。では、時間を忘れてのめり込めるようなものって、なんだ?

 そんな時に、ひょっと頭に浮かんだのが、マンガやアニメ、ゲームなどの「クリエイティブ」でした。子供の頃からマンガやアニメ、小説が大好きで、10代の時には自分でもマンガやイラストを描いていたのですが、「自分には才能がない」と諦めた経験があったのです。それ以来、「世の中にオンリーワンのクリエイティブを生み出せる人はスゴイ!」とクリエイターをリスペクトし続けていました。そんな方々を支えるサイトを生み出せないか?とふとひらめいたのです。

 ちょうどその頃、CanonのEOS Kissが大ヒット。一般人も一眼レフカメラを持ち始め、画像投稿の個人サイトが人気を集めるようになりました。同時期にブロードバンドも広がって、一眼レフで撮った2、3MBの画像もバンバンネットにUPできるように。画像投稿サイト自体は、何ともショボい作りのものばかりなのですが、そこにUPされる画像のクオリティーはどれも高い。何より投稿者からの「熱量」をものすごく感じたんです。
 印刷物を作っていた時代に写真素材を使うことが多かったため、投稿作品はどれも十分商用活用できるものだと確信できました。撮影者の「熱量」を発揮できる場所を提供し、もっと世の中に活かしたいと思い、2005年8月に「PIXTA」を立ち上げました。実に、1年近く考えた末での決断でした。

■将来に迷ったら、「好きなこと」さえ選べば何とかなる

 PIXTA設立後、もうすぐ10年になりますが、ここまで迷いなく、楽しみながら、事業を拡大し続けることができました。心の底から「これがやりたい!」と思えたものならば、たとえ壁にぶつかろうとも、トラブルに見舞われたとしても、逃げずに向き合えますし、乗り越えるための策を一生懸命考えられる。今までのビジネスとは、自分が発する「熱量」が違うと、改めて感じています。

 今、何をすべきか?どんなキャリアを歩むべきか?誰もが一度は悩むテーマだと思います。
 私は、将来に迷ったら「自分の原体験に基づいた好きなこと」をすればいいと、実体験から思います。好きだと思えるならば、どんな困難があっても続けられるし、困難を打破するアイディアだって自然に浮かぶでしょう。やりたいことがどんどん浮かび、新たなイノベーションも生み出せるはずです。
「好きなこと」がにわかに思い浮かばなかったら、自分の人生をじっくり振り返ってみて、今までのめり込み、没頭してきた経験を書き出してみるといいでしょう。その中からきっとヒントが見えてくるはずです。


※次回は、古俣さんのご紹介で、株式会社Viibar代表取締役の上坂優太さんが登場します!

 EDIT&WRITING:伊藤理子 PHOTO:平山諭

>>【あわせて読みたい】「20代の不格好経験」シリーズ

f:id:r_kihara:20150611112400j:plain

一流に選ばれる人は何をしているか? ~シルク・ドゥ・ソレイユ出演者の日常から~

バックステージの様子

シルク・ドゥ・ソレイユのバックステージ(Photo by 粕尾将一)

リクナビNEXTジャーナルをご覧の皆さま、はじめまして。

「シルク・ドゥ・ソレイユ」というサーカス団体で縄跳びのアーティスト(パフォーマー)をしております、粕尾将一と申します。

 

皆さんは「サーカス」と聞いて、どんなものをイメージしますか?

サーカスと聞くと「空中ブランコ」「綱渡り」「象」……あるいは「超人技の数々」「才能がすべて」……など、さまざまな印象をお持ちかと思います。

確かに我々は毎日1000人規模の観客の前で、技術と才能の粋を集めた演技で「非日常な世界」を表現しています。時に空中ブランコ、時にジャグリング、時に超人的な技によって。

当然、お客様に喜んでいただく以上、アーティストには高い技術力、才能が求められます。しかし、アーティストという職業は「技術」や「才能」だけでは続けることはできません。世界各国から集まった同僚を見ていると、「技術」でも「才能」でもない“何か”を持っている人が集まっているんだと感じるのです。

 

たとえば、身体が資本と言われる中、40歳を過ぎて20年以上も現役でいるアーティストや、過去に10以上のショーを渡り歩いた強者アーティストなどは、技術や才能だけでは乗り越えられない“何か”を持っているのです。

今回は世界の舞台で演技をするシルク・ドゥ・ソレイユのアーティストがもつ“何か”について考えることにしました。そしてその“何か”を、10の特徴にまとめたいと思います。

 

練習中の様子
練習中の様子

練習中の様子(Photo by 粕尾将一)

▼ 1. 「自分のやるべきこと」を知っている

この職場は強い自己管理の求められる職場です。

しばしば「1日にどのぐらい練習するのですか?」という質問をされます。機材の制約や安全面の関係上、ステージを利用するときや大掛かりな装置を利用する場合は許可を取ります。しかし厳密に言えば、ショーに出るための練習は強制されていません。個々人が必要と思うだけトレーニングをするのが基本です。

 

たとえばジャグリングのアーティストは、ショーのある日は必ず2時間の練習をすると言います。しかも練習中はほとんど休憩せず、ひたすらに道具を投げ続けるのです。彼によると、この2時間はステージで自信を持って演技をするためには不可欠な時間だといいます。 

一方でトランポリンのアーティストは週に一度の合同練習しかしません。なぜならこのアクトは身体への負担が大きく、これ以上の練習は怪我のリスクが高くなるためです。替わりに関節や腰を守るための筋トレやマッサージを入念に行い、メンテナンスに細心の注意を払います。

 

1週間でも1ヶ月でも、まったく練習無しでショーに出演することだって、できてしまいます。しかし、当然そんなアーティストはいません。上記のように、各自がショーに向かって必要なスケジュールを作成し、身体やコンディションを自己責任で維持・管理しています。

シルク・ドゥ・ソレイユのアーティストは、「何が求められているか?」「(それに応えるために)自らに何が必要か?」を考え、実行している人々なのです。

 

▼ 2. 必要以上の練習はしないが、必要最低限は見極める

我々アーティストは、毎日のショー本番で技や演技の成功が求められます。サーカス特有の危険と隣り合わせの演技も多く、常に緊張感を持ちながらステージに立っています。

ところが、アーティストたちは必要以上に練習をしません。なぜなら我々はほぼ例外なく「これで大丈夫だ、ステージに立てる」という明確な基準を個々人で持っているのです。基準を満たせばそれ以上の練習は必要ない。いたってシンプルな判断です。

人は不安なとき、必要以上に準備や練習をしてしまう生き物。つまり、アーティストとは誰よりも自分自身を信頼している人間なのです。

 

とは言っても、中途半端なレベルで練習を終えるというわけではありません。我々とて一瞬のミスが大怪我や生死に関わりますから、不安があれば練習を重ねます。そして意地でも「ステージで自分を信頼できるレベル」まで持ち上げます

自分は縄跳び以外に「バンジー」という役割をしています。これは20メートル上空にある空中ブランコから飛び降りて再び戻ってくるモノ。危険な高所ゆえに練習の有無を慎重に決定しています。

たとえば気温・湿度が変化することで、バンジーの伸び方が変わります。すると思ったよりも跳ね返りが弱く、うまく20メートルまで上昇できない可能性があります。跳ね返りが不十分で空中ブランコをつかみ損ねれば、怪我につながる恐れもあります。一度、無理な体制で落下したことで左肩靭帯を損傷したことがありました。幸い大事には至りませんでしたが、高所の恐怖を痛感した出来事です。

あれ以降、連休明けや急激に気温が変化したときに必ず練習をさせてもらい、常に万全できる体勢を整えるようにしています。

 

「自らを信頼できる基準を持つ」と言うのは簡単。でも背後には膨大な量の練習、成功と失敗に裏打ちされた自信があるのです。

 

▼ 3. 必要であると考えたら、納得するまでトコトンやりこむ

シルク・ドゥ・ソレイユでは、しばしば演技の模様替えを行います。一部振り付けを変更したり、音楽を変更したり、技の組み合わせを入れ替えたり。お客様から見ると気づきにくいですが、少なくとも2年に一度は大規模な模様替えが実施されているのです。

これは「ショーは進化するもの」という会社の信念によるものです。

常に変化し、より良いショーにするべく模索を続けているのです。

 

当然、アーティストもショーと共に変化することが求められます。我々は必要以上の練習はしません。しかし必要と思えば自らが納得するまでトコトン練習をするのです。

足の運びひとつにも振り付けがありタイミングがあります。たとえ些細なズレでも客席には伝わってしまうもの。たった1人の乱れがショー全体に影響を及ぼしてしまうことをアーティストたちはよく知っています。

だからこそ身勝手な妥協は許されない

1人1人がショーを構成する重要な役割ゆえに、必要とあらばトコトンやりこむ姿勢が求められるのです。

 

バックステージの様子

シルク・ドゥ・ソレイユのバックステージ(Photo by 粕尾将一)

▼ 4. 納得できないことは躊躇なく、臆することなく質問する

自分の出演するショーには、12の国と地域から55名のアーティストが出演しています。皆、文化も風習も違うアスリートばかり。しかし技術や能力がいくら高くとも、お互いのコミュニケーションが潤滑に行えないと、良いショーにはできません。

その第一歩に、疑問点をアヤフヤにしない姿勢が求められます。

 

前述の振付や構成の変更時は、信じられないほどのスピードで現場が流れていきます。

ホンの数分前まで使っていた動きがボツになり、かと思えば別の振付が始まる。他方で音楽との合わせが行われ、ディレクターからは動きのイメージを注文される。時には舞台監督と演出家の怒号が飛び交う。まるで戦場にいるかのように、目まぐるしく状況が変化していきます。

 

このとき、アーティストはどんな細かい疑問も飲み込まず、直球で質問をぶつけることをいといません。

なぜなら、ここは指示を待つだけの場所ではなく、共にショーを創り上げていく現場なのです。アーティストからの質問や意見、提案がそのままショーに採用されることもしばしば。そのため、上からの指示で動くだけの人間は取り残されてしまいます。ディレクターや振付家と同じく、アーティストも常に考えながらリハーサルに臨むことが求められるのです。

 

▼ 5. 遊びゴコロを忘れない

ショーが常に進化を続けるためには、新しいアイディアや発想が不可欠。不思議と、爆発力のあるアイディアは「遊び」の中から生まれることが多いです。

たとえば自分の出演する「ラヌーバ」には、トランポリンと壁を使ったアクトがあります。本来なら真っ直ぐ跳び上がり宙返りをするのがトランポリン。そんなある日、アーティストが壁に向かって宙返りをしている光景をディレクターが目撃しました。本人たちは遊び半分でやっていたのですが、この動きが突破口となり、新しいアクト「トランポウォール」が誕生しました。

今ではサーカスの定番になっているアクトですが、キッカケはアーティストの遊びから始まったのです。

 

「トランポウォール」の事例に限らず、いくつものアクトが、普段の遊びから誕生しています。

身体を使って遊ぶためには豊かな発想力が求められます。単調な動きではすぐに飽きてしまうからです。それはちょうど子供が危ない場所でスリルを味わいながら遊んでいるのと似ています。

本人たちが楽しめることには、きっと観客にも伝わる楽しさが内包されているのだと思います。

 

▼ 6. できること・できないこと、やりたいこと・やりたくないことについて、ハッキリとした意思を持つ

この仕事には無茶振りがつきもの。ディレクターから突拍子もない提案が出ることが日常茶飯事です。自分は「頑張ろう」という目測のもとにOKを出してしまうのですが、ほとんどのアーティストは明確に「Yes」か「No」を返します。

ここには「あいまいに頑張ってみる」などという考えは含まれません。やるか、やらないか、を驚くほどにハッキリと伝えるのです。

 

あいまいな返事をしてしまうのは、自分でも悪い癖であると反省しています。なぜなら「やること」が増えれば「できること」が減っていくからです。

ショーで求められる最優先事項は安全。次に技の成功や良い演技です。これらの基準に照ら合わせたとき、無茶振りを受け入れても優先事項がきちんと完遂できるかどうかを、アーティストは瞬時に判断しています。もし優先事項に支障があると判断すれば、ディレクター相手であっても容赦なくNoを突きつけます。

このとき、ディレクターはわりとスンナリ受け入れてくれます。どうしても引けない重要案件の場合を除き、アーティストの意思を尊重してくれるのです。たとえ立場が上のディレクターであっても、ここでは上下関係なく、対等に、仕事へ責任を持つ同僚として扱ってくれるのです。

「Yes」には相応の結果が求められ、責任を果たすための「No」は尊重してくれる。明確な意思を持つことは、自身の仕事への責任感にも繋がるのです。

 

▼ 7. お互いのスペシャリティに敬意を払う

ひとつのショーにも、さまざまなアクトがあります。綱渡り、ジャグリング、空中ブランコ、そして縄跳び。複数のアクトを合体させ、ひとつのショーが成り立ちます。

どれほどの天才であっても、ショーにあるすべてのアクトができるアーティストは存在しません。なぜなら、すべてのアクトは世界レベル。1人がすべてを習得することなんて到底できないのです。 

そのため、アーティストは自然と同僚の技や演技に感動し、敬意を払うようになります。「○○の宙返りは世界でもトップクラスの美しさ」「□□のダンスは人を釘付けにする」といったように、自身がアーティストであると同時に、最も間近で同僚のスペシャリティに感動する観客にもなるのです。

 

バックステージの様子

シルク・ドゥ・ソレイユのバックステージ(Photo by 粕尾将一)

▼ 8. 経験アリ・ナシに関係なく、興味のあることに全力を尽くし没頭する

アーティストは幼いころからひとつの事に情熱を注いだ人がほとんど。結果として世界レベルの技を身に付け、このステージに立っています。そのためか「物事に没頭すること」が得意な人がとても多い。時間を忘れるほどに熱中することができる人々ばかりなのです。

それは何も運動に限りません。学問や芸術など、アーティストの興味分野は実に多岐にわたります。先日もシアター近郊の大学で芸術修士号を取得し、自身の絵画個展を開催したアーティストがいました。本人に聞くと、最初は筆すら握ったことがなかったが、6年間で絵画の楽しさにのめり込んだと言います。

 

経験のアリ・ナシは関係ない。過去になければ今から経験すればいい。個展を開催した彼のような気概を持つアーティストは、他にもたくさんいます。

 

▼ 9. 常に次のステージを見据えている

我々の仕事はとても流動的。新しいショーが開幕したと思えば、別の場所でショーが幕を下ろす。シルク・ドゥ・ソレイユにおいても早いものでは3年足らずで閉幕してしまったショーもありました。そのため、デビューからずっと同じショーに出演し続けるアーティストは、とても稀な存在です。

しかし、アーティストは最初からずーっと同じショーに出演し続けようとは考えていません。むしろ積極的に別のショーやステージに移動して、キャリアアップする人種なのです。ここに会社の大小や国境は関係ありません。

 

たとえば元同僚アーティストは3年足らずでラヌーバを辞め、新作ショーでより重要なポジションで活躍しています。つまり、多くのアーティストにとって今いる場所は通過点であり、常に次のステップアップを目指しているのです。

次のステージを目指すために、新しいことに挑戦するアーティストも珍しくありません。サーカス市場で自身の価値をどのように高めるかを考え、新たな技術を吸収するのです。

 

ただ、まったくのゼロから始めるワケではありません。既に自身が持っているスペシャリティにどのような付加価値を付けるか、という視点で新しい挑戦をします。「持っている武器をいかに活かすか?」と言い換えることができるでしょう。

 

▼ 10. 小さなミスを笑う寛大さがある

アーティストの生活には、常に「本番ステージ」が横たわります。今日のショーが終われば、また明日も。こんな生活を何年も続けています。そのためか「本番でのミス」にも次第に寛容になっていくんです。

怪我の恐れがある危険ミスは許されません。しかし「照明が遅かった」「右足と右手が一緒に出ていた」程度の細かなミスは、仲間同士で笑い飛ばして、翌日のショーで修正するだけ。誰ひとりとして、細かなミスを責めたり叱ったりはしません。

 

「そんなショーにお金を払わせるのか!?」と申し訳ない思いもありますが、我々にとって本番のステージは人生の一部。毎回、完璧な演技などありえません。一定以上の水準を保つ責任はありますが、逐一、細かいミスまで気にしていては息が詰まってしまう。それが何年もとなれば、とても気持ちが続きません。

 

世界レベルの演技を披露します。ほとんどは成功します。でも、たまには失敗します。

ミクロで見れば、ミスはしないほうが良い。しかし長い目で見て良いショーを続けていくためには、小さなミスを笑い飛ばして酒の肴にするぐらいの寛大さが必要なのかもしれません。

 

▼ まとめ

サーカスの世界は、世間一般からすると遠い場所かもしません。

しかし、その中で生きるアーティストたちとて同じ人間。職業として自らのスペシャリティを活かしているに過ぎません。

シルク・ドゥ・ソレイユに入った当初、アーティストたちを見て、身体能力や技の素晴らしさに目を見張るのはもちろんでしたが、同時に彼らは自身をビジネスとしてどう活かすかを常に考えている人たちなのだ、という印象を持ちました。

技術でもなく、才能でもない。そんな“何か”とは、自分自身を客観的に「商品」として見極めることができ、そしてそれを売りこむことができる力だったんです。

この力は、多くのビジネスパーソンに求められている力だと思います。今回の記事で、その力の大切さが皆さんにお伝えできれば幸いです。

著者:粕尾将一 (id:shoichikasuo)

いぬじん (id:inujin)

シルク・ドゥ・ソレイユアーティスト/なわとびパフォーマー/元アジアチャンピオン

縄跳び競技引退後、2010年より米フロリダ州オーランドのシルクドゥソレイユ常設ショーで縄跳びアーティストとして出演中。

2012年よりはてなブログで「なわとび1本で何でもできるのだ」を書き始める。ステージと違うようで、どこか似ている文字の表現にハマり中。

想定外の反応をする天然ちゃんをさばく対応方法5つ

 持ちたくないものの一つ:天然キャラの部下

 

女性からは「天然なんているわけない」と、よく聞きますが、間違いなく、天然キャラは存在します。

合コンなどで「私って天然だから」という女性は偽物。偽物は、可愛く見えるように天然っぽいボケ言動をしたりします。

これに対し、本物は、何のメリットもないところで、不可解な言動をします。 誰が見ても、何のトクもしないであろうところで、ボケるのが本物です。

たとえば、
・左右の靴が違う(もちろん他人の靴を間違えて履いて帰ることもある)
・トイレを流し忘れる
・壁にぶつかる
などの言動です。

 

カレーナンの女

ある会社に1人の女性Nさんが入社しました。
上司は、歓迎会のランチを企画し、Nさんに好きな食べ物や行きたい店を聞きました。

N「あのインドカレー屋さんに行ってみたいです」

f:id:takumann0505:20150222110114p:plain

Nさんの希望もあり、そのインドカレー屋に部署の数名でランチに行きました。
インド人っぽい店員(たぶん別の国)がメニューを見せて説明します。

「ランチのセットは、カレーをここから1種類、ナンかライスをここから1種類選んでクダサイ」
説明を聞いたNさんが質問しました。

 

N 「ランチセットじゃなくて単品でも大丈夫ですか?」

店員「大丈夫デス」

N 「じゃあ、ナンひとつ」

店員「カレーはどれにシマスカ?」

N 「カレーはいらないです。ナンひとつ」

店員「???カレーはイラナイ?」

N 「ええ、ナンだけで」

上司「Nさん、みんなはランチセットでカレーを頼むけど、頼まなくていいの?一応、君の歓迎会なんだけど・・・」

N 「私、カレー嫌いなんです」  

 

「ナンでカレー屋に来たがった!?」 と、全員で同時にツッコミを入れたことは言うまでもありません。

彼女の言動には、「うわー、可愛いな。守ってあげたい」とか「癒される」という要素は全くなく、ただただ困惑させられます。 ナンだけで栄養は大丈夫なのでしょうか。

これが本物です。  


このような天然キャラを部下に持ってしまったときは、注意が必要です。 天然と言われるくらいですから、どこかにズレがあります。

 

天然部下に「やってはいけない!」

天然の部下を持った際に、絶対にやってはいけないことを紹介します。


1 丸投げ

「仕事は部下に任せよう!」と巷では叫ばれますが、天然部下に任せてはいけません。 「プレゼン資料をまとめておいて」とざっくり指示しようものなら、「プレゼントの候補一覧」が出てきたりします(いや、冗談じゃなく)。
指示した仕事は途中経過もチェックする必要があります。

 

2 「わかりました」の笑顔を信じない

天然部下は「わかりました」とニッコリ言うことが多いです。 そんな笑顔を見たアナタは、「わかったって言ってたし、大丈夫だろう」と思い込んでしまいます。
しかし、アナタの「わかった」と部下の「わかった」は、同じ日本語か?と感じるくらい違います。


指示「金曜までにA社に、B・C・D社の3社分のデータを送らないといけないから、3社からデータを取り寄せて、まとめておいてくれる?」


天然脳内「金曜(・・・週末・・・飲み会。フフフ。) までにA社に、B・C・D社の3社分のデータを送らないといけないから、3社からデータを取り寄せて、まとめておいてくれる?」
→「えっと、金曜までに、A社からデータを取り寄せてまとめる」
→「わかりました」(ニッコリ)


天然部下の脳内では、特定のキーワードに反応して妄想が始まることがあります。 文脈の中の一部の言葉だけを取り上げて「わかった」と言ってしまうのです。
笑顔も、「理解」の笑顔というより、妄想内の楽しいことに対する笑顔です。


3 略語で伝える

天然部下は理解していなくても、「わかった」と言ってしまう傾向がありますので、専門用語、カタカナ語、略語を使ったやりとりは危険です。

ミーティング=MTGくらいなら分かるだろうと思い、

「来週7日14時にMTGよろしく」というメールを送ろうものなら、

天然脳内「MTG?三菱東京UFJ銀行の略?14時に銀行に行くってことか」
→「かしこまりました」 となります。

 


天然部下を持ったら

このように天然部下と仕事するのはめんどくさいです。
マニュアルも読まないし、読んでも誤読します。 細かく進捗確認をしなければならず、仕事の管理に手間がかかります。 


ただ、天然キャラは、ときに大化けします。
左脳思考では辿り着けないアイデアを出してくることがあります。

偉大な人物の言動を見ると、「この人、天然?」とよく感じます。
普通じゃないから辿り着ける境地なのでしょう。


たとえば、スティーブ・ジョブズ。

iPhone用にゴリラガラスという強いガラスを導入する際のやりとりです。 取引先のウィークス氏から魅力的な説明を受けたジョブズは、6カ月でできるだけたくさんのガラスを作るよう頼みます。 これに対し、ウィークスは難色を示します。

「作れないんですよ。いま、そのガラスを作っている工場はないんです」
「心配はいらない」がジョブズの答えだった。
(中略)
ウィークスをじっと見つめる。
「できる。君ならできる。やる気を出してがんばれ。君ならできる」
(『スティーブ・ジョブズ Ⅱ』ウォルター・アイザックソン/著より)

  なに、この会話。


ジョブズさん、「作れないんですよ」ってセリフ聞いてました?
全く話が噛み合っていません。話を聞かないにも程があります。


『スティーブ・ジョブズⅠ・Ⅱ』を通読すると、至る所に天然キャラの言動が見えます。 どう考えても、彼は天然キャラだったと思いますが、偉大な発明品を残し、歴史に名を刻みました。

天然部下を持ち、めんどくさいと思っているアナタ。その部下は、大化けするかもしれませんので、粗雑に扱いすぎないよう気をつけてください。


では、このような天然キャラは、どのようにさばけば良いのでしょうか。 そのヒントは、スティーブ・ジョブズの近くにいた人物の行動から見つかりました。

ファデルはジョブズに会うのははじめてだったが、こちらが一番いいと思うデザインをジョブズに選ばせるコツを伝授されていた。
選択肢を3つ準備して、最後に自分のいち押しを見せる。ファデルは最初のふたつのダミーのドローイングを描き、本命の発泡スチロールの模型を大きな木製ボウルの中に隠して4階にある役員用会議室の長テーブルの上に置いていた。
(『ジョナサン・アイブ』リーアンダー・ケイニ― /著より)

  アップル社の人たちが、いかにジョブズに気を使っていたかが分かるエピソードです。
彼らは、ジョブズの天然キャラの言動にもパターンがあることを見出し、うまく対処し、ヒット作品を世に出しました。


天然キャラの言動は、私たちからすれば想定外のものですが、彼らなりのパターンがあるのです。

 

カレーナンの女、再び


先ほど紹介した「カレーナンの女N」にもパターンがありました。


後日談を紹介します。

上司「Nさん、好きなお酒はあるの?」

N「焼酎が好きです」

というわけで、焼酎が豊富なお店で飲み会を開きました。芋焼酎や麦焼酎のメニューを渡すものの、Nさんの反応はイマイチです。

N「私、しそ焼酎しか飲まないんです」


「焼酎が好きです」発言は、しそ焼酎ピンポイントの発言でした。
ストライクゾーン狭すぎです。
彼女は、しそ焼酎だけを5杯ほど注文していました。  


もう一つ。


上司「Nさん、カレー以外に嫌いな食べ物あるの?」

N「うーん、嫌いなものですか?特にないですね」

上司は焼き鳥の盛り合わせを注文。
Nさんにも取り分けようとすると、

N「あ、私、肉は食べないんです」

上司「えー、さっき嫌いなものないって言ってなかった?」

N「うーん、思いつきませんでした


肉が嫌いって、飲み会で頼めるメニューの幅が半分くらいになります。 それでも思いつかない。
好き嫌いというより、「食べ物」の定義から外れているわけです。

  飲食のやりとりだけでも、徐々にNさんの思考パターンが見えてきたのではないでしょうか。

「焼酎」をもっと具体化したり、「食べ物」をもっと広げれば、コミュニケーションが成り立ちそうです。 そう、天然にもパターンはあるのです。 それぞれの天然キャラのパターンを読めば、仕事もうまく進むはずです。  

 

想定外の反応をする天然ちゃんをさばく対応方法5つ

そこで、ありがちな天然キャラの主要パターンと対応方法を紹介します。


1 「いや、それどういう意味?」

・対象:横文字を使いたがる天然


天然キャラに対して、略語を使ってはいけないとお伝えしました。
逆に、天然キャラが発した略語、専門用語、カタカナ言葉を真に受けてはいけません。
あなたが理解していない言葉はもちろん、天然キャラが「このレイヤーではもっとバッファを」などと、カタカナ用語をそれらしく使い始めたら、どういう意味で使っているのか確認しましょう。

勘違いして使っているか、脳と口が分離している可能性大です。


2 「どんな事実があったの?」

・対象:うわさ好き天然


天然キャラは、論理が飛躍することが多いです。キーワードや結論に飛びついてしまう傾向があります。
「田中がチームを抜けたがっている」という話を聞いたら、そういうものだと思い込んでしまいます。実際に田中さんからの話も聞いていないのに、憶測で断定的に話を広げてしまいます。

天然キャラから憶測の発言をされたら、実際には田中さんが何と言ったのか、根拠となる事実を確認するようにしましょう。


3 「ハッキリ言うぞ」

・対象:ドヤ顔の天然


どこをどうしたらそんな自信が出てくるのか、全く理解できないレベルの仕事なのに、「自信作です!」と企画書を渡してくる部下がいます。
そういう企画書を見て絶句しているとマズイ。

天然キャラは「言葉にできないほど感動している!」とポジティブな勘違いをしてしまうのです。 彼らに「コメントできない心理を察してくれ」というのは無理があります。

オブラートに包んで指摘すると、都合良く解釈してしまいます。

ハッキリとフィードバックをしないと、今後も振り回されます。
時にはオブラートを外して伝えることも必要です。  


4 「それは理由にならない」

・対象:天然の言い訳


「天然」と呼ばれるだけあって、彼らの価値観は常識では測れません。 ミスをしたときの言い訳に、トンデモない価値観を前提にしているものがあるので、ちゃんと指摘しておきましょう。

たとえば、新人の部下が取引先とのやりとりで、ウソをついて問題になったケースです。
それを指摘すると「新人なんで、わからなかったんです」と言い訳してきます。
いや、ベテランでも新人でもウソはダメでしょう。
「新人」というのは、論理的な言い訳になっていません。
彼らは、そのような理由になっていない言い訳をしてきます。その際、彼らの「その場しのぎのウソは許される」等のズレた価値観が見えることがあります。

価値観がズレていると気づいたら、基本的な道徳から伝えなければならないのです。  


5 「代わって」

・対象:パニック中の天然


天然キャラは、ちょっとしたことでも混乱しやすいです。
落ち着いている状態でもおかしな言動をしている人が、混乱したら何を言っているのか理解できるわけがありません。 そんなときは、天然キャラの言葉を翻訳してもらいましょう。
天然にもパターンはあります。彼らとよく話している同僚、過去の上司など、パターンを知っていそうな人から話を聞いた方が早いです。  

まとめ

以上、天然キャラのさばき方をお伝えしてきました。 天然キャラの部下を持つと、めんどうですが、時に「自分って、こんなにちっぽけだったんだ」「カレーが嫌いでもインドカレー屋に来て良いんだ」と気づかされます。 天然キャラに振り回されている方は、自分の視野を広げてくれる試練だと思って楽しんでみてください。

 

P.S.
最後の5つの対応方法は、書籍『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』で取り上げています。詳しく知りたい人はチェックしてみてくださいね。

著者:石井琢磨

f:id:takumann0505:20150212054508j:plain

『めんどうな人をサラリとかわしテキトーにつき合う55の方法』著者。弁護士。幼少時から家族が次々と壺を買わされるという、ダマされ環境で育つ。偏差値35から中央大学法学部に合格。在学中に司法試験一発合格、消費者事件を中心に活動中。

ブログ「相模川の弁護士55

上司からの評価が良くないのに出世する人の特徴5つ

 上司からの評価は決して低くないし、昇給だって賞与だって多い方だ。 なのに、なぜだかなかなか昇格できない。

その逆に、なんだかあまりぱっとしなかった奴がいきなり抜擢された。おまけにまわりの予想に反して意外にちゃんと活躍できている。
ビジネスシーンにおいて、決して珍しくないシチュエーションだ。

 
 私たちは評価の中で、数値目標を立てさせられたり、あるいは決まった数値目標を与えられたりする。それらは私たちの「できる」度合を測るKPI(Key Performance Indicator)だ。営業だったら売上額、事務だったら効率性などが代表的なKPIじゃないだろうか。

 私たちの日々の目標になっているそれらのKPI、そしてその達成度を測った結果としての「評価」はもちろん私たちの出世にも関係しているだろう。じゃあ実際のところどれくらい関係しているのか、ビジネスパーソンなら誰もが気になるところ。

 f:id:r_kihara:20150227110248j:plain

 そんな疑問に答えてくれる著書に「出世する人は人事評価を気にしない」(日経プレミアシリーズ)がある。

 大失敗してしまった人や敵をつくってしまっている人が時に一番に出世する。その理由について、著者である人事コンサルタントの平康慶浩氏は、「競争ルール」が2回変化するからだ、と教えてくれた。

 一般社員や係長であるときと、課長などの管理職になるとき、そしてそこからさらに上の経営層になるときにルールが変わるということだ。なぜそんなことが起きるのか、平康氏にお話を伺ってみた。

卒業基準と入学基準:人事制度には2つの昇格基準がある

 人事制度には2つの昇格基準があります。

そのうちのひとつが一般社員層の評価基準である「卒業基準」です。平社員から主任、主任から係長に昇進するときなどに用いれられ、主に業務の正確性やスピードなど、現在担当している仕事がそれくらいできているのかを測るものです。
 一方、管理職になるときには、「入学基準」と呼ばれる別の昇格基準が用いられます。

 「卒業基準」とは文字通り、今、良い成績をとっているから次のステップに進ませてあげましょう、というもの。たとえば小学校のカリキュラムを終えたら中学校へ、中学校のカリキュラムを終えたら高校へと進むのと同じ理屈ですね。
 しかし「管理職」はできるかどうかわからない人を進ませるわけにはいかない。なので、高校から大学への入学試験のようなもので、大学生としてふさわしい学力があるかどうかを大学入試で判断されるように、管理職としてふさわしい仕事ができるかどうかが昇格の基準になるのです。 

なぜ失敗した人や敵をつくりやすい人が出世するのか

 なぜ忠実にキャリアを積んできた人より、大失敗をした人や、お調子者といわれている人、敵をつくりやすい人が先に出世するケースがあるのでしょう。

 それは、管理職の仕事と、それまでの一般社員の仕事がまったく異なるものだからです。

 わかりやすい例で言えば、「言われたことを完璧にこなせる人」は一般社員として高い評価を得ることができます。でも「何をどう指示すれば人が動くのか」をわかっていなければ、管理職にはなれません。大失敗した人や敵をつくった人は、本質を見極めて、あえて上司に従わなかった可能性もある。課長はその部下をうとましくおもっていても、部長や役員達は、「有望なやつだ」と認めていたりするわけです。

 大企業では、そのような入学基準についてもコンピテンシー評価と言う手法を用いて、昇格にふさわしい候補者を人事部がまとめている場合があります。課長が「こいつはせいぜいB評価」としていても、人事部が「彼は課長にすると活躍する可能性があります。なぜなら『課長としての入学基準』に照らし合わせるとA評価になるからです」とする場合もあるわけです。
そうなると仮に、それまでの働きぶりが悪くて評価が今ひとつでも、役員たちが候補者を気に入れば「次の部長にしよう」と昇格させるケースがあるのです。 

 

f:id:r_kihara:20150227110257j:plain

評価されずに出世する人の特徴

では、「卒業基準」では今ひとつなのに、「入学基準」で管理職へと抜擢されやすい人の特徴にはどのようなものがあるのだろう。平康氏は5つの特徴を示してくれた。


1.論理思考がある
「AだからBになってCになる。CになるためにはBを経てAから始めなければならない」といった論理思考は、管理職になる際は最低限なくてはならない能力のひとつです。「なぜ?」「どうして?」といった疑問を抱くトレーニングを繰り返すことで、論理思考は養われます。そして、言われたことを忠実にこなすだけでは、論理思考能力は手に入りづらい。上司が指示した言葉を疑ってかかるくらいの姿勢が重要になることもあるのです。

 

2.特定の専門性がある
 組織の中で生きていこうとするのなら、専門性はわかりやすくてはいけません。たとえばMBA大学院の講座にあるような、財務、マーケティング、人事マネジメントなどのジャンルはわかりやすいですね。意外と侮れないのがOA系スキル。「Excelなら完璧」、「Powerpointなら誰にも負けない」など、特定のOAスキルがあれば最低限戦えます。
専門性を持っていないエグゼクティブはこれからは淘汰される時代。名刺に書かれてある肩書き無しで、何で勝負できるかを問われた際に、答えられる専門性を持つことが求められています。


3.素直さ
 人の話を最後まで聞くことができ、わからないことを質問できる能力を兼ね備えていることもまた大切です。この2つの行動が個人やチームの成長につながります。仕事ができるかどうかはもちろん、その後の将来性やどれだけ成長できるかも入学基準では検討されるので、その要となる素直さは大事です。
 素直さを獲得する方法はとても簡単です。とにかく相手の話をさえぎらないこと。そしてその話の中の良い点や学ぶべき点をちゃんと口に出して相手に伝えられること。要は、相手がどんな人であろうと、敬意を示せるようになることです。たとえ相手が部下であろうとも、です。


4.傲慢さ
 外資系の役員候補を中途採用する基準に「役員らしいふるまいができるかどうか」があります。優秀であっても、おどおどしているからダメという評価がついてしまう場合があります。小さな声で腰を低くしながら面接室に入ってくるのと、姿勢よく、胸を張って面接室に入ってくるのとでは受け手の心象が違いますよね。自信なんてなくてもいいんです。見せ掛けだけでも胸を張る。そして相手の目を見て話す。それだけのことで、人の価値はずいぶんアップします。
但し、素直じゃない傲慢さはただの嫌な人間になるので、素直さを伴っているのが必須条件です。


5.ひとりでいられる
 昼食をいつも同じメンバーと行くのではなく、一人でさくっと済ませるようなタイプの人の方が実は出世しやすい。一人でいられる人は自分と対話できている人。自分が今どこにいるのかを冷静に把握できる能力を持っているのです。そもそも同じ面子で毎日昼食をとること自体、変化を嫌う人だと思われかねません。

 

人事制度の課題

 結論として整理してみましょう。 

 企業規模が大きくなるほど人事部は現場を見られなくなります。すると誰が次の管理職や経営層に最適だ、ということの説明が難しくなるのです。そうなると人事部として説明責任を問われるので、「過去の評価がよかった人はこれからも活躍してくれるだろう」という基準で人を選び、給料にも反映するのです。

 それは能力の再現性を求めるという意味では正しい。しかし、管理職として将来性があるかどうかはその評価に現れない場合があります。

 給料を決めるための人事評価と出世候補者選択は元来別でなければならないのに、それが一緒くたに考えられている場合すらあります。それは多くの企業の人事制度の課題です。候補者選定までは人事評価基準を使い、候補者の選定の際は別の評価基準を用いる企業はありますが、完全に最初から分けている企業というのは稀です。しかしながら、先進的な企業やベンチャー企業では評価基準のない会社もあって、そういう会社では給料を増やす人とマネージャーになる人は別に考えられています。

 また、ひとつ気を付けていただきたい点があります。それは、出世したからといって、必ずしも幸せになれるわけではない、ということです。

 出世した結果、地位と名声とお金はあるものの、自分の時間がなくて不自由という状態に陥ることも良くある話です。実際、今はそういう人が多いのではないでしょうか。
 出世をゴールとしてとらえてしまうとそういう状態に陥りやすい。出世とはあくまでも手段にすぎないのです。「入学基準」を意識して行動した先にある生活に思いをはせてほしい。

 それは自分が求めるゴールなのか。 

 私の本は、30代半ばあたりで頭打ちを感じている人たちに向けて書いたつもりです。出世するためには「入学基準」を意識して活躍してほしい。そうすれば確実に出世できるようになる。ただ、その先にある自分自身の人生を考えてほしいと思うのです。そのためには早い段階からセルフブランディング=どんな生き方をしたいのか、を考えていってほしいと思います。
 意外に思われるかもしれませんが、そういう人の方が、結局その会社の取締役や社長になったりするものです。 

取材協力:セレクションアンドバリエーション株式会社代表取締役・平康慶浩氏

f:id:r_kihara:20150227110303j:plai

人事コンサルタント。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所を経て、2012年よりセレクションアンドバリエーション株式会社代表取締役就任。大企業から中小企業まで130社以上の人事評価制度改革に携わる。大阪市特別参与(人事)。著書に「7日で作る新・人事考課」、「うっかり一生年収300万円の会社に入ってしまった君へ」。ブログ「あしたの人事の話をしよう

取材・文:山葵夕子