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商品企画
インタビュー くわしく見る
商品企画は オーケストラのコンダクターだ 根本 大輔 さん(仮名)
PROFILE 根本 大輔 さん(仮名)
年齢 29歳
学歴 ビジネス学部マーケティング専攻
住まい 賃貸マンション(独身ひとり暮らし)
趣味 アウトドアスポーツ
職歴 医療系メーカー5年
座右の銘 会社の使命は株主利益の追求
血液型 B型
星座 魚座
職場の雰囲気は? 文化系 理科系 体育会系
あなたのタイプは? 文化系 理科系 体育会系 【年収】550万円
どんな仕事?
開発、製造、物流などをトータルに考えアイディアを形にする
どんな大ヒット商品も、最初はひとつのアイディアから生まれる。その最前線で働く商品企画の仕事は、メーカーの中でも花形職種と言えるだろう。とはいえ、外資系医療品メーカーで手術用の矯正器具の商品企画に携わるAさんの話を聞くと、憧れだけではやっていけない仕事のようだ。

「医療品という性格上、『こういう製品が必要とされているのではないか』というアイディアは、日ごろドクターと密に接し、医療現場を回っている営業スタッフから上がってくることが多いんです。アイディアは机上で生まれるものではありません。理論や理屈ばかりじゃなくて、ドロくさい部分も多い仕事だと思いますよ」

アイディアを形にするためには、現場からのメッセージを丹念に集め、分析することが最初の大事な仕事。その後は、開発担当の技術者とともに、資材調達や市場調査などの担当者の意見を反映させながら、商品の形を具体的にしていく。医療品を市場に出すためには、国の許認可が必要なため、3カ月〜半年ほど審査期間が必要だが、その間も営業に使う販促ツールの作成などの準備に追われる。

「商品企画の部署に配属されて間もないころ上司に『商品企画は、オーケストラのコンダクターなんだ』と言われたんです。当時はピンとこなかったんですが、実際にこの仕事に携わるようになって腑に落ちました。商品企画は、アイディアを形にする作業において、開発、製造、物流に至るまでのあらゆる部署の意見をまとめる調整役なんですよ」
「職業病だなぁ」と思うとき
人の体をじっと見てしまう
人の体をじっと見てしまうイラスト
人体の矯正器具を担当しているので街行く人の体形が気になります。
求められる能力は?
説得し、交渉にあたるこの仕事。
高度なコミュニケーション能力が求められる
ちなみに医療製品は、開発期間が比較的長く、ひとつの商品が市場に出るまでは4年から5年(3年から5年)ほどかかるという。

「だから営業部のように前年度比の売上げ目標といった形で結果を問われることはありませんが、スケジュール管理についてはプレッシャーを感じます。商品の完成が1カ月でも遅くなれば、営業部が立てた売り上げ計画に大きな支障が出ることになり、数億単位の損失につながることもありますからね。そのため、発売のタイミングについて営業担当者と話をするときなどは、意見のぶつけ合いになることもあります」
さらには、商品のディテールを固めるため、権威あるドクターのもとに出向いてアドバイスをもらいに行くこともよくある。

「ただ『教えてください』と言うだけではいい話は聞けません。地方まで出張してろくな話が聞けなかった、なんてことになるといけませんから、それなりのコミュニケーション能力が求められます。ちなみに、今までドクターに好評だったのは、スクラッチ式の宝くじを手土産に持って行ったとき。商談に入る前に『まずは今日の我々の運勢をこれで試してみましょう』と切り出したら、とても喜んでくれて、気持ちよく話をしていただけました」
この仕事のやりがいは?
新しい商品が世に出るとき長く地道な努力が報われる
アイディアを具体的な形にしていくには、数字を冷静に分析し、商品価値を予想する冷静な頭脳が必要だ。だが、さまざまな部署の意見をまとめるには、自らの足でそこまで出向き、耳と口をフルに使わなければいけない。

「昼間はだいたい、各部署の担当者との打ち合わせで駆けずり回っていますから、書類をまとめるのが夜になってしまうこともしばしば。出張から帰って、デスクの上に未処理の書類が山のようになっていたりするとげんなりしますよ。ただ、そうした苦労が多ければ多いほど、商品への愛着はつのります」
この仕事を 漢字一文字で表現すると…
楽
「楽な仕事」ではないですが、「楽しい仕事」にしようと努力するのが大切ですから。
何より大切なのは、商品の完成度に徹底的にこだわり、根気よく努力し続けること。それが、喜びにもつながる。

「最終的にその商品は、患者さんの体の中に入って、日々の生活を支えていくわけですから、『これは安全レベルが高く、性能の高い商品なんだ』という自信を持つことができなければストレスがたまります。工場からサンプルの商品があがったとき、それを心から喜べたときが最高の瞬間ですね。思わず自分の部屋に飾ったりしてますから」
FAQ 根本 大輔さんへの一問一答
Q1.この仕事に就いた(転職した)動機は?
A 大学で学んだマーケティングの知識を実践したいと考えて、いろいろな企業を見てまわったんですが、今の会社は説明会で役員といきなり話をしまして、世間話をするうちに「ここしかない」と思っていました。
Q2.この仕事に就いて(転職して)よかった?
A 数字を読んだり、理論を組み立てたりするのが商品企画の仕事だと思っていたんですが、ドロくさい部分も多かったのは意外でした。でも、やりがいは大きいですし、医療の現場の詳しい知識が身について楽しいです。
Q3.この仕事、どんな人に向いている?
A 矛盾しているかもしれませんが、「社交的で」、なおかつ「生真面目」な人。誰とも親しく付き合えるだけではダメで、そこに信頼感がないとキチンとしたコミュニケーションは成立しませんからね。
Q4.これからこの仕事を目指す人へアドバイス
A メーカーに勤務するなら、モノ作りに直接関わりたいという憧れは誰もが持つと思います。もちろん、憧れは大切ですが、重い責任を背負ったり、体力勝負で踏ん張ったりすることも多い仕事。それなりの覚悟が必要です。
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